人間というものは哀しいかな、
こんなふうになってからでないと、
それに気付かないことがあります。
長く連れ添っていた妻が
病魔に襲われるなんて...。
...後から来た犬が先に死ぬ?
わかってはいても、
二人がこんなにも
僕の心の中を占めていたなんて...。
ところが
それに気付いた時には
残された時間が短か過ぎたりする。
人間の生きる時間というのは
そういうものなのでしょう。
丈夫でいたり、
災いがない時は、
それに気付かないのですが、
それに気付くと、
出世や名誉や、ましてや金など
たいしたものではないことが
わかりました。