裏山 | 続・阿蘇の国のアリス
深夜。
お梅とフー子が
ゴールデンコテージに
やってきました。


romioaiさんからいただいた
バームクーヘンを食べに来たのです。


「それ、わたしの!」

お梅は分けてくれましたが、
フー子は抵抗しました。

「これくらい、いいじゃな~い!」


翌朝はセイラママと
オモラシホノカちゃんが来ました。


今日、ママとパパは会社の会議で、
わたしを二人に見てもらうのです。


オモラシホノカちゃんは
ネネ子人形が大の苦手です。

「気持ち悪い~!誰が作ったの?」

「ネーネさんです!(キッパリ)」


セイラママが来る前、
わたしとパパで裏山に登りました。


登っている時、
パパはずっとわたしに
語りかけていました。


「アリス...覚えてるかい?
お前が阿蘇に来て、
初めて来た場所がここだよ。


リリィ姉ちゃんと遊んだのも。
マムシに噛まれたのも。
幻の蝶と出合ったのも。
シカを追いかけたのも。
イノシシに出くわしたのも。
ジュジュくんと遊んだのも。
雷に驚いたのも。
虹を眺めたのも。
夕陽に染められたのも。
星を追いかけたのも...
みんなここだよ。


アリス...。
もう一度元気になって、
あの頃をとり戻すんだ。


でもね、
本当のことを言うね。
本当はお前に、
生きてさえいてもらえれば、
それでいいんだ。


そしてもし、
お前が動けなくなったとしても、
パパが抱っこして
ここまで連れて来てやるから...








だからまたこの景色を、
二人で眺めようね。

パパはそれだけで十分幸せだから...」