椎葉釣り日記1 | 続・阿蘇の国のアリス
午前4時。
フー子の車は椎葉村へ
向かっています。


窓から乗り出し、
流れる風景を見ていると、
いつものように森の中を
飛んでいるような気がしてきます。


椎葉村尾前...
わたしにとって、そこは、
夢の国でもあります。


だってほら、
ここで暮らす犬たちは、
皆自由に暮らしているんですもの...。


さて、ここに来た最大の目的は...


大ヤマメを釣るためなのですが...








なかなか釣らせてはもらえません...。


そのうちわたしは、
猟犬と遊びはじめ...


ママは昼寝をはじめます。


やがてパパも疲れて、
道路に倒れ込むのですが...


体力が回復すると...


また釣りはじめます。


そして、今度は本当に、
寝入ってしまうのでした。




次に目が覚めた時には、
椎葉村は随分と遠くにあって、
わたしはちょっぴり悲しくなりました。


村を訪ねる時、
いつも目を見張る風景があります。
それは、村を取りまく森の広がりです。


村の暮らしは
急速に変わっていても、
包み込む自然は太古の昔と
何も変わっていない。


つまり、
もし明日から遠い昔の暮らしに
戻ろうとすれば、ここでは、
何もかもが用意されているのです。


椎葉村が持つ自然観は、
わたしたちが失ってきた
ひとつの力なのかもしれません。


「やっぱり人間のむれへ戻るより
仕方ないじゃないか」