願い紙 | 続・阿蘇の国のアリス
やち年や
やなぎに 長き
いのちでら はこぶ
歩みの
かざしなる らん


ママの外来を前に、
今年まだ、行けてなかった
「高塚愛宕地蔵尊」に行きました。


「高塚愛宕地蔵尊」の歴史は、
奈良時代に高僧行基が
聖武天皇の命をうけ
全国を巡業していたおり、
高塚にお泊りになられた
ときに始まります。


あらゆる願い事が
成就すると評判で、
参拝者も多く、
「天瀬高塚」インターも
できたくらいです。


ママの故郷でもあり、
ママは高校時代、
お金と、うどんに目がくらみ、
ここのお土産屋さんで、
バイトをしたこともあります。


鐘堂横の
始まりのお地蔵様に
お願い事をして、
ろうそくとお線香をたてました。

お線香の煙は、
身体の悪いところにあてました。
ママは肺に、わたしは喉にです。


階段を登り切った
拝殿に参拝したら、
いよいよ、用意しておいた、
「願い紙」を貼る番です。


「地震が治まりますように」
ママは最初、
そう書こうとしましたが...


悩んだあげく、
「アレセンサが長く効きますように」
と書きました。


願い事は、
一生に一度しか
叶えてもらえないのです...。


「おん。かかかび。さんまえい。そわか。」


参拝の後、
ママとパパはドキドキしながら、
おみくじを引きました。


というのも、
高塚さんのおみくじにはいつも、
心打たれるからです。


冒頭の言葉は、
ママが引いた中吉の運勢です。

長い人生行路には
色々なことがあります。
今は難関に立っていますが、
間近に幸運の兆しが見えます。
親に逆らわず心を静かにして
尊い御恵に生きましょう。


ママのおみくじを読んだパパは、
また泣かされました。


故郷の黄昏ほど
美しく感じるものは
ないような気がします。

たとえそれが、
恵まれた人生とは言えなくても...。


「ねぇ、お母さん...。
母の日のプレゼントはなんがいい?」

「財布に小銭しか入っとらんき、札がいい」


ママはおみくじの言うとおりに、
親に逆らわず心を静かにして、
「はい」と答えました。