母なる山 | 続・阿蘇の国のアリス
午後8時...


竹田市から帰ってきて、
おうちの蛇口をひねると、
水が出ました。


これで、
ママとパパもおうちで、
お風呂に入ることができます。


洗濯もできます。
ただし、飲み水には、
当分使えそうにありません。
砂が混じっているからです。


きょうは午前中、水汲みに出ました。

尾根伝いの森を進んだので、
木々の間からはずっと
久住山が見渡せました。


水源まで下りてゆき、
水を汲みました。

水源は、扇田のある山吹水源です。


そこからは、
ほていの湯を目指しました。


温泉からあがって、
ひとつの山を越え、
次の谷へと降りてゆこうとする時、
ジュジュ母さんと
話ができました。

「もしよければ、
こちらで避難しませんか?」

あと5分でも遅ければ、
電波が届かない場所に
わたしたちはいたでしょう。

受話器から聞こえてくる
ジュジュ母さんの声は、
今も心に残っています。

やがて、
母なる山、久住山は、
どんどんと遠ざかって
行きました。