尺ヤマメがやってきた | 続・阿蘇の国のアリス
昨日、
大きなのろしを
見てしまったため、
さっそく不吉なことが起こりました。


ひとつめは...


わたしのきらいな
シャンプーに連れて行かれたことです。

「助けてパパ...」


その日ママも
美容室に行って、
中三トリオの森昌子風の髪形に
セットされました。

「せんせい~、チャラチャラ♪」


帰り道、阿蘇最後の
野焼きの炎が見えました。


「ほんとうに春が来たんだ...」

ママはうれしそうに呟きました。


ふたつめの不吉なことは、
ジャス時計が
午前0時をまわった時に
起こりました...。


また、
ネネ子ちゃんの髪が伸びたのです。


わたしは怖くなって
ママを見つめました。


するとその時、
玄関のドアがノックされました。

「ママ、誰か来た!?」


「釣りキチ店長が
ヤマメを持っていってって...」

「なんだ、お梅とフー子か」


「すごい、尺ヤマメだ!」


ママはお礼に、
得意料理?を振る舞いました。


あたためるだけのビームカレーと...


インスタントの玄米ラーメンです。




「おいしいかい、フー子!」


「麺がのびている...」


やがて私は、
皆の笑い声に包まれて、
シャンプーに行ったことも
ネネ子ちゃんの
髪が伸びたことも忘れて
眠りにつきました。