ママとパパは少しだけ、
わたしのことを大人として
見てくれるようになりました。

倶利伽羅谷の谷底に向って、
戦車のように急降下しながら
キジを追いかけたときも
決して叱りませんでした。

ただ、ママの眼は、
わたしを捉えて離しません...。


そして、
わたしを見つめるママの眼は
熱く語っているのです。

「アリス、気をつけて...」

「真っすぐよ」

「次は右に巻いて」

「そのまま真っすぐ。
もう少し、がんばれ!」

この世で最も愛してくれる人、
この人から決して離れまい。
この人の匂いのするところに、
わたしは帰るんだ...。

ちなみにパパの眼は、
どこを向いてると思います?
それはね、私と同じ方向なんです。
