ママの眼、パパの眼 | 続・阿蘇の国のアリス
わたしが6歳になると、
ママとパパは少しだけ、
わたしのことを大人として
見てくれるようになりました。


倶利伽羅谷の谷底に向って、
戦車のように急降下しながら
キジを追いかけたときも
決して叱りませんでした。


ただ、ママの眼は、
わたしを捉えて離しません...。




そして、
わたしを見つめるママの眼は
熱く語っているのです。


「アリス、気をつけて...」


「真っすぐよ」


「次は右に巻いて」


「そのまま真っすぐ。
もう少し、がんばれ!」


この世で最も愛してくれる人、
この人から決して離れまい。

この人の匂いのするところに、
わたしは帰るんだ...。


ちなみにパパの眼は、
どこを向いてると思います?

それはね、私と同じ方向なんです。