やっと会えたね♪ | 続・阿蘇の国のアリス
時刻は夕方で
辺りは暗くなりかけていました。


南阿蘇の山中で
不思議な体験をした翌日、
私たちは、
草千里へと向かう途中の
池の窪園地というところで
遊びました。

そう、ネーネさんが
鳥になろうとして
ケガをした場所です。


しばらく遊んだ後、
私たちは横道にそれて、
「地獄温泉」にゆきました。


2km下ると、
清風荘に到着します。


温泉からあがって、
ママとパパが
心地良い風にあたっていると、
にせモンから
電話がありました。

パパが電話を受けると、
にせモンは怒っていました。

「何してたんですか!
何回も電話してたんですよ。
早く下着を、
拾いに行かなくちゃ、
誰かに拾われますよ!」

「……」


つづけざまに、
イケメン店長からも
電話がかかりました。

「あいつは昨日から
ずっと興奮しっぱなしで、
仕事も手につかない…
何とかしてください!」

「……」


「わかった…。
場所を教えるから来て」

やがてパパは、
にせモンと、
イケメン店長の訴えに屈し、
下着ののありかを伝えました。


私たちが
先に現場に着くと、
ブラジャーもまた、
心地良い風にゆられていました。

「ヒラ、ヒラ~♪」


待つこと30分…。
にせモンは興奮して
やってきました。

「ハァ、ハァ、
ブ、ブラジャーはどこですか?」


「よかった!まだあった」


「ブラジャーと一緒の
記念写真を撮ってください」

にせモンはそういうと、
ブラジャーを手に
ポーズをとりました。

きっと、
にせモンにとっては、
大物でも釣りあげた時の
心境なのでしょう。

こうなってくると、
そこにいる全員が
こわれていきました。

「よかったね~!しんごちゃん」

パパもなんだか
いいことをしたみたいで
うれしそうでした。


にせモンは、
ブラジャーとパンツを
次々に拾うと
大切そうに車に隠しました。

その姿は、
リスが土の中に
クルミを隠すようだったと、
パパは後で回想しています。

にせモン
「他の木を探したら
まだ下着が下っとらんかな?」

イケメン店長
「バカかおまえは!
下着のなる木じゃないっっお」

アリスパパ
「わからんやん。
好意的な女性がおって、
他にも掛けたかもしれんやん
ねぇ、しんごちゃん」

アリスママ
「そんな人おるもんかあーー!」


山を下りた後、
みんなで祝賀会をあげました。


「今日はほんとうに
よかった。雨が降る前に、
ブラジャーも拾えたし、パンツも…」
と、パパが話しはじめると、
店にいたお客さんは、
どんどん帰っていきました。


にせモンが
ごはん4杯目を
おかわりした時、
ポツリと呟きました。

「ジャスママさんか、
シホさんか、
ジュジュかあさん…。
くれんかな~」

さて、
名前があがった
にせモンのマドンナたち、
どうしましょうか?

じろりんちょ