私の読書記録 | ツインズママのブログ

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最近は主に読書感想を載せています。
たまに日々の暮らしについて。


最近読んだ本の感想を書いてます。あくまでも、私個人の感想なので、捉え方が違ったり好き嫌いもそれぞれかと思いますのでご了承下さい。

『死体鑑定医の告白』
上野正彦 著  東京書籍

私の通う図書館は、年に1、2回程図書館員選定の【本の福袋】が出ます。紙袋にテーマが書いてあり、中には選定された2〜3冊本があります。
普段読まないジャンルもこれなら読めるか?と毎回チャレンジしております。今回はその福袋2冊中の1冊です。

紙袋には「法医学って知っていますか」とだけ書いてありました。
法医学はテレビドラマのサスペンスとかでくらいしかわかりませんが、生きている人を治療する臨床医の反対で亡くなった人を診る医師。
この方はなぜ亡くなったのか、それは事故か事件か病気だったのか。

著者は元東京監察医務院長でもあった方。数多くのテレビにも評論家として出演されていたとの事で、もしかしたら画面越しには見ていた方かもしれません。

そんな先生が依頼を受けて検死、解剖、場合によっては再解剖をして死者の声を聞いていく。
専門家が書いた本だから、専門用語満載で読みづらかったらと思いましたが、これが現実に起きているのか!とまさにドラマの原作本を読んでいるような感覚になりました。
警察からだけでなく、一般の方からも先生を頼ってなんとか真実をと鑑定を依頼する。中には依頼者が望んだ答えでない結果も多々あったと思う。でも、先生は膨大な実績と経験値と自ら訴えることはできないご遺体から真実を掬いだす。

臨床医も不足している現代ですが、監察医はそれ以上になり手がいない。もっと解剖実績があれば判定が変わった物もあったかもしれない。

多忙を極めている上野先生。この世代の方は働いてこそが家族の為と思っていたと思う。それが奥さまに対する先生の心残りと後悔だったのだなと本書のあとがきで感じました。