負けが続いているとき、感じているじわじわと落ち込んでゆく感覚・・・。
それを静かに感じながら、淡々とやっていると、ふとその攻防がひっくり返る瞬間というのがある。
「運が巡ってきた」
という言葉がぴったりくる。
強気でちょっと無鉄砲な戦略をとっても、サイコロの目が面白いように出て、圧倒的勝利へと繋がってしまう・・・ような。
絶体絶命・・・というときであっても、最後の最後に快進撃となったりする、そんなことが起きるようになってくる。
アンカラからフェティエに戻り、毎日のように相方からバックギャモンの指南を受けていると、自分のゲームの進め方の中に自分の性格というものも見えてきて、負けが続いて落ち込んでいきつつも、内心自分の心と対話しているような感じだった。
負け続けて、負け続けて、それでもやみくもに続けていたら、それまであんなに裏目に出ていたサイコロが、面白いように調子良く出始める瞬間のようなものがあり、リズムに乗ってそのまま圧勝。
そして、それと並行するかのように現実の世界も動き始めた。
実のところ、3月の日本行き、そして4月のアンカラからフェティエへ1週間の移動の旅は、私と相方の内面を大きく変え、それによりお互いの関係性も良くなってはいたのだけれど、順調なようで何かが詰まっているような感覚に支配されていて何もする気になれなかった。
そういう、このところ感じていた進むに進めない停滞感の中で、何かが動いた・・・という瞬間。
それは、これからの自分の道のりにおいての「もの」、「こと」、「ひと」との関わり方、ご縁が変化し、新たなご縁の始まりとなってあらわれた。
いらなくなった関係性は淘汰され、再会と更なる親交は、これからのわたしたちの人生の方向性がもっと明るくカジュアルなものになることを予感させてくれる。
自分がどんなことを求めているのか、それがますます浮き彫りになってきて、それにそぐわないものは手放しが進む。
そんな再会で、今年初の庭でのバーベキューを友人家族と楽しんだ夜。
眠りにつこうとすると急に停電になり、窓の外の明るさに気づく。
そこには、まさに新たな始まりを象徴するように、明るい満月が輝いていた。