そしていよいよそのときは近づいていました。
何とか目を背けようとして、うつむかないで前をと思い続けたものの…
完全に自分が壊れていくのをまざまざと感じるようになっていきました
。
今でもこのときのことを思い出すのはとても辛いです![]()
。
私はいつも人に恵まれ、
そして必ず助けられてそれまでを生きてこれました。
人は高め合うものであり、
支え合うものであり…と固く信じていた自分に
起こった初めての経験。
「人間不信」です
。
毎日、小さな部屋に閉じ込められ、怒鳴られ、
謂れのない些末なことを再三言われ、
お休みをとることもなく、
人と会話することもなく、
囚われ人のような職場生活でした。
今思えば、自分がそういった環境を招いていたのかもしれない…
とも思えるのですが。
闘うにはあまりに非力でした
。
あの経験を通して、少しは強くなれたのでしょうか。
「究極のところ、他人は決して何もしてくれない」
そう思いましたし、今でも思っているところがあります。
ところが「ある」、としたのは
このときを乗り越えるきっかけになった旅に、
私のそれまでをいつも支えてくれた人たちが
深く関わっていたからなのです。
このとき、導かれるように訪れたのがニューヨークでした。
季節は秋
。
「私」は崩壊寸前でした。


