読書感想(280)「透明な螺旋◆東野圭吾」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

透明な螺旋

東野圭吾著

文春文庫

2025.4.10読了

☆☆☆☆

ガリレオシリーズの文庫最新版。謎解きの面白さという点ではアベレージレベルで、読み進めると犯人が容易に推測できる。それよりも、登場人物の行動の背景や、湯川博士の生い立ちも絡む人間関係の解明のほうが興味深い。このシリーズも最初の頃は、ガリレオ先生得意の物理学を駆使した謎解きで楽しませてくれたが、最近はこの作品のようにヒューマンミステリーっぽいのが多い。登場人物も歳を重ねて、理論だけで押し通すのではなく、人の感情に重きを置くようになった、ということかな(今回の湯川博士も全てを明白にはせず、みんなが幸せになれる解を導いた)。