読書感想(255)「楽園のカンヴァス◆原田マハ」 | アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

楽園のカンヴァス

原田マハ著

新潮文庫

2023.3.24読了

☆☆☆☆☆

こういう物語を書くと、さすがに著者は上手いなぁ。実際MoMA(ニューヨーク近代美術館)に勤務していたキュレーターだけあって、美術作品に関する見識はピカイチ。登場する絵画についての考察だけでも楽しめる。本作のテーマになったのはアンリ・ルソーの「」。ルソーの生い立ちから、「夢」を描くに至った背景、そしてその真贋を見極める若い研究者たちの葛藤。壮大な構成のミステリーで、読み応えは充分。文句なく☆5つです。

ちなみに30年くらい前にMoMAに行ったことがあって、そのとき「夢」や「眠るジプシー女」を見た記憶はあるのだけれど、この本先に読んでればもっと楽しめたのにな(時系列的に無理ではあるが)。