読書感想(254)「希望の糸◆東野圭吾」希望の糸 東野圭吾著 講談社文庫 2023.3.7読了 ☆☆☆☆ 「祈りの幕が下りる時」で加賀恭一郎の生い立ちが明らかになって、このシリーズは終るのかと思ったら、まだ続いててよかった。 ちょっとした勘違いが原因で、幸せだった人たちの人生が暗転してしまう。そんなやるせないストーリーに絡んで、家族の絆にかかわる深い謎が解かれてゆく。ミステリー作品ではあるけれど、もっと大きなテーマが同時進行していて、その内容は重い。ただ、加賀警部補のキレ味抜群の推理は健在で、そこは楽しめるところ。