【7月29日(日)】
レストランbeのマリアージュ企画、7月のテーマは“鮎”。昨年の鮎料理 はかなりレベル高かったので、今年も大いに期待するとしよう(笑)。
【鮎、茄子、フルーツトマトコンフィのルエル 苦みの効いた肝ソースとハーブソースで】
炙った鮎、揚げ浸した茄子、そしてトマトのコンフィ。茄子の香り、トマトの酸味、鮎の引き立て役としては充分すぎる存在感で、完成度の高いひと品でした。ワインはスペインの白、ジャストビー・アルバリーニョ 2016。フルーティな中にハーブのニュアンスもあり、苦みのソース、薬味ともいい相性でした。
鮎を丸ごと使った濃厚ソースの冷製パスタ。低温調理の鮎も添えられて、まさしく鮎尽くし。ここのワインもスペインで、エレンシア・アルテス・ベヌフェト 2014。鮎を凝縮した濃厚パスタには、これくらい凝縮感の強い癖のあるワインじゃないと、相手にしてもらえないだろうな(笑)。
【鮎のクルスティアン ズッキーニのピュレと共に 生姜と蓼のアクセント】
昨年は鮎を分解してまた組立てる、という芸の細かいことをやってましたが(笑)、今年は更に手間暇かけてます。肝はペーストにして身に塗って、中骨は素焼きにして、鮎の形に戻してからパートブリックに巻いてオーブンで焼いてある。サクサク、カリカリ、フワフワの食感が楽しい。ズッキーニのピュレは青い香り、周りのソースは生姜、ペッパーに微かなナンプラーがアクセント。すべてをまとめて口に入れるのが、正しい食べ方です(笑)。ワインはヴァグナー・シュテンベル・リースリング・トロッケン・グーツヴァイン 2016。この料理にドイツのリースリングとは想定外だが、爽やかベースの中のスパイス、ミネラル、酸味などは料理の構成と通じるところあり。なかなかハイレベルなマリアージュ、成功でしたよ。
鮎は香りと苦みの食材なので、それをどう活かすか、何を付加するか、さらに食感の変化をどう付けるか。シェフの腕の見せ所を充分堪能させてもらいました。そしてワイン。前回のヴィラマリア縛りから解放されたら、こんなにも楽しいマリアージュができるんですね。マリアージュ企画としては、昨年より確実にレベルアップしてました。
と、このように今年も期待を裏切らない鮎料理でした。来年のハードルがまた上がったな(笑)。