読書感想(128)「春を背負って◆笹本稜平」春を背負って 笹本稜平著 文春文庫 2017.2.3読了 ☆☆☆☆ やっぱりこの人は、山を書かせるとうまいですねぇ。春夏秋冬の山の美しさ、厳しさ、そこで生きる人たちのディテールなど、巧みな状況描写で映像が目に浮かぶよう。本作品は、奥秩父にある山小屋を舞台に、その主とそこを訪れる様々な人たちとのハートウォーミングな、しかし優しさだけではない物語。人は誰も、何がしか背負っていかなければならないものがあり、それでも希望を捨てちゃいけないよ、と語りかける爽やかな読後感のある1冊です。