カレイドスコープの箱庭
海堂尊著
宝島社文庫
2016.9.29読了
☆☆☆☆
チームバチスタから始まった、壮大な海堂ワールドの完結編です。さまざまな医療問題をモチーフに取りあげ、それらに対して有効な解決策を提案するも、既得権を守ろうとする勢力、主導権を握ろうとする権力などに阻まれ、理想とは程遠い地点に着地させられる。この作品でも、結局何も変わらず改善されずのエンディングは、医療を取り巻く実態を痛烈に批判する意思表示なのでしょう。
ちなみに、巻末にある関連作品の相関図、すごく分かりやすくていいです。やっと海堂ワールドを俯瞰することができました。これだけの構想を持って、しかも時系列ばらばらに作品を発表するって、著者の頭の中はどうなってるんだ!?(笑)。