輝天炎上
海堂尊著
角川文庫
2016.8.24読了
☆☆☆☆
“螺鈿迷宮”の続編、かつ“ケルベロスの肖像 ”のアナザーストーリー。焼死したはずの碧翠院の姉妹の謎や、その他諸々の真相が解き明かされるのはいいが、主人公の天馬くんに、極北シリーズ の世良、南雲、AI関係の彦根、桧山、厚労省の白鳥、姫宮などなど、もちろん愚痴外来の田口センセも登場して、結構ぐちゃぐちゃな展開に(笑)。続編というよりは桜宮物語の総集編といった雰囲気です。しかしそんな中にも、医療事故に関するマスコミ報道の問題や、実社会でAI(死亡時画像診断)が普及しないことへの痛烈な批判は、しっかり織り込み意思表示。海堂ワールドの終着点に1歩近付いた感のある1冊です。