読書感想(105)「必死のパッチ◆桂雀々」必死のパッチ 桂 雀々著 幻冬舎文庫 2016.2.22読了 ☆☆☆ 著者の少年時代を回顧した物語だけれど、いやいや壮絶ですな。中学になったばかりで両親に捨てられ、しかも借金取りに追われるという、置かれた環境の凄まじさ。しかし生きて、そして這い上がるんですね。もちろんまわりの人たちの暖かさや、学校の友達らの影響は大きかったと思うが、やっぱり最後は「芸は身を助く」のひと言に尽きる。悲劇なのに喜劇でもある、人間味あふれる1冊です。