読書感想(88)「蝿の帝国◆帚木蓬生」蠅の帝国 帚木蓬生著 新潮文庫 2014.11.29読了 ☆☆☆ 太平洋戦争のとき日本で、東南アジアで、満州で、まさに命を懸けて医療に邁進したした若き軍医たちの物語。15編の短編には、それぞれ15人のモデルとなる医師がいたわけで、これは小説というより、先の大戦の視点を変えた記録と言える作品です。それゆえ著者の小説らしい感動はなく星3つとしたが、自ら白血病を患いながら執筆した気迫が十分感じられる、読み応えある1冊です。