読書感想(86)「賞の柩◆帚木蓬生」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

賞の柩

帚木蓬生著
集英社文庫
2014.9.12読了

☆☆☆☆




ノーベル医学・生理学賞を単独で受賞した英国医学界の重鎮。しかしその受賞の裏には、同じ分野で研究するライバルたちを葬り去った過去がある。そのライバルのひとりだった日本人研究者の教え子が、単独での受賞に疑問を持ち、関係する人たちを調べていくうちに真相を知ってしまう。

ミステリー小説なのだが、そこは著者の作品らしくヒューマンな部分にも相当なウエイトがあり(本作品の場合は親子の愛情)、そして最後は良識ある、善良な人々に陽が当たる。いつものように読後感のいい1冊です。

同様の、学術界を舞台にした著者のミステリーとしては「白い夏の墓標」「カシスの舞い」「聖灰の暗号」があるが、いずれもすばらしい作品です。ぜひ読んでみてください。