サブプライム~世界を破滅させた人間たち
落合信彦著
集英社文庫
2012.6.18読了
☆☆☆☆
米国が好景気に沸いてた1990年代後半から、9・11の同時多発テロを経て2008年のリーマンショック後までを、ウォール街で活躍する日本人ビジネスマンを中心に描いた、半分フィクション半分ノンフィクションのような小説です。
実際にあった出来事や人物、企業などの盛衰に、荒木を中心とする投資会社の成功をうまく絡めてストーリーが作られてる。金融界の事情、当時の政治の動きなどが詳細に語られていて、この世界にあまり詳しくないボクでも充分理解できました。また、個性的な登場人物もこの小説の魅力のひとつになってるかな。手に汗握るようなスリルはないけど、爽快な読後感のある、なかなかおもしろい1冊です。
ちなみにこの本、3月に読んだ「サブプライムを越えて」の前作にあたるものだけど、こっちのほうがおもしろいと思うな。