そんな生活は、もぐらが次男を産んでも変わらなかった。
お互いに拠り所。
彼女にとっても、家に通うことで、なぁなぁになる子育てや手料理などがやれてる気分で一石二鳥だったのは間違いない。
彼女もそう言っていた。
来てくれるのは問題なかった。
彼女の娘も気になってたし、
もぐらも、産まれたばかりの赤ちゃんと小1の息子、そして別居中という不安定な気持ちを抱えていたから、助かっていた。
でも、次第に恋愛相談が逐一の事になって…
泣いたり怒ったり、
男に振り回されては、
もぐらに、彼にギャフンと言わせるのはどうしたらいいかとか、自分だけでは理解出来ない男の行動をどういう心理でしてるのか読ませたり…
それを元に、裏をかいたり…
別れると言う選択より、
どうしたら自分が優位に立てるか、そんなことばかりだった。
勿論、もぐらは続けてること自体反対していた。
話を聞いてあげながらも、くだらない執着はやめて、別れるよう何度も言った。
でも、どんなに最低な相手とわかって行っても、泣きながら、怒りながらも、彼女が別れることはなかった。
もぐらは、そんな彼女を毎日間近で見ていて、
もう、アドバイスの領域を超え始めて、
会ったこともない、どーしょーもない男のことを
いつも考えなきゃいけないのにウンザリしてきてしまった。
だって、私は彼女じゃないし、
そういう男を好きになったりしない訳で。
好きになったからと言って、
相手に誠意を感じなければ、どんなに辛くても、私ならひとつひとつ、整理をつけて、キチンと終わらせるから。
彼女は、それも出来ないのだから、そもそも、アドバイスが欲しいんじゃなくて。
気持ちを共有(強要)し、間接的に巻き込み、
もぐらがしなくてもいい疑似恋愛をさせてるってことに全く気づいてはいなかった。
そして、別れられないことを前提に置いて、
永遠と、『こんなことされた、こんなことする気持ちがわからない、こうきたらどう出たら苦しまずにすむかとか、相手に効果的な仕返しはなんだ』とか。
常に計算してまで、関係を続けてしまっている彼女自身が問題だと言うことは、冷静じゃない彼女が気づくことはない。
しびれを切らしたもぐらが本気で怒って、
『その男が嫌い。その男を好きだと言って、男にももぐらにも依存しているおかしな関係が嫌だ。二度とそういう話しはしたくない。』
と、キッパリ突っぱねるまでは、分かってもらえなかった。
そう言った直後に彼女が言ったことは、
『聞いてくれるだけでいいの。』
…彼女の全く無神経で身勝手なセリフにカチンときた。
聞いてる人の嫌な思いは全く気づいてはもらえなかった。
彼だけじゃなく、もぐらにも執拗に執着している。
もぐらは言った。
『文句や愚痴をただ聴くだけでもどれだけ疲れるか?
その上、一緒に考えてと言って、丸投げをして、メールの文章まで考えさせたり、こうきたらこうとか。
相手に攻撃することでどうにか変えようとしか考えてなくて。
自分自身のダメなところは一切変わろうとしない。
もぐらが、○○(彼女)に、あの男とは早く別れた方がいいよって、
○○に目を覚まして貰う為に、
どれだけ最低な男の気持ちを代弁したか。
心を遣って何度もアドバイスしたところで、
また泣いて怒って騒いで、話を聴いて、考える繰り返しで。
ホント疲れるだけだし、
ただの無駄でしかない。』と。
彼女は気まずそうに黙ってしまった。
これは、執着でしかない。
そして、依存と共依存。
彼と彼女も。
彼女ともぐらも。
常に相手の裏側を読んで、探って、計算して。
相手とも、自分とも向き合わず。
計算高く、快楽に溺れていって純粋に想う愛とは遥かにかけ離れたものになっていって、なんだか、すごく汚くみえて。
そんな彼女はホント嫌いだった。
続く