










2009年10月25日(日)。
21日より入院して、
5日目…
早朝に目覚めて、
母の顔を覗き込む。
酸素マスクが白く曇る。
ホッとして

、母さんに声を掛けてみる。
『母さん、おはよう
』うっすら目を開ける母。
ハァー… ハァー…
声を出そうと、吐息が太くなる。
私『いいょ
声出さなくても。痛くない?ゆっくり寝れた?』首をゆっくり縦に振り、
ハァー… ハァー…
何か言いたそうにする。
私『寝れなかった?』
首を少しだけ傾げるような…無反応のような…
私『寝たのか、起きてるのか分かんない?』
母は、直ぐに頷いた
。ちゃんと、意識はある。
私の声も届いている。
コミュニケーションを取ってくれる。
私『外、見える?生憎の雨
なんだけど、窓は明るいから、息苦しくないよね?』母は見えていないみたいだった。。。
私『見えないの?』
頷く…
私『光は?明るい方、わかる?』
頷いた。
私『息苦しくはない?』
ゆっくり頷いてくれた。
そっか…
形とか色とか、…認識してないのか…?
…もう、私の顔もわからないのか。
昨夜から、目の焦点は合っていなかった。
宙を見ている感じだった。
でも、もぐらだ
って、ちゃんと、声で、分かってくれてるんだね。頑張ってるのかな…
母さんには、
ワケわかってないのかな。。。。。







入院して翌日から、
薬の副作用でゲェーゲェー辛くて、
身体が馴れるまで3・4日の辛抱

と、思った矢先にこうなった…
こんなことなら、その薬を飲まなければ、その分は無駄に苦しまなくて良かったのか…
静かな部屋で私は、入院出来てからの4日間を振り返っていた。
入院し、病院食を
『不味い…( ̄д ̄;)』
と言って、
『海苔の佃煮やフリカケを買ってきてぇ』
と、甘えてくれた母さん
。他に買って行った、ヨーグルトやプリンも、
リクエストした…海苔も…
どれにも手をつけることは無かった…
寝返りする度、胃が痛み、吐き気に悩まされ、お腹もツラそうで。
母は、看護師さんだと、やはり遠慮してしまい

、なかなかナースコールを押せないみたいで
、看護師さんに
『何かあれば遠慮なく押して下さいね』と言われても、
『娘が、もう来ますから
』といつも言っていたらしい。
私が側に居る時は
同じ体制が苦しくなるので、
『こっち向くの手伝ってぇ…』
と、良く頼んだので、
体位を替えるのも手伝ったけど…
私はヘタなのか

、母はその度に
『
っ
ハァッ
…』と、痛みに堪えていた

少しでも、ツラくない方法で体位を替えてみたが、
私の方が見るに耐えられず…

『遠慮せず、コールするよ?』
と、看護師を呼んだ。
やはり、痛そうな声は洩れるが、2人がかりでして貰えるから、少しは楽そうだった。
それでも母は…気が退けるらしく、
『(看護師さん達が)忙しいのにしょっちゅう押す訳にはいかない
』とナースコールを極力、我慢していた


母は下血もあったので、入院後、翌々日には紙パンツを着用していたのだが…
起き上がるのでさえ
ムリな身体になってしまったのに…
汚れて気持ちが悪いと言って、トイレ
に行こうとしていた
。(トイレ
がんばっちゃって、部屋を移されたね
)( ´д`)ノ…イイカゲンニ、ラクニシテ
ムリさせない為の部屋移動後…
私が側に居た時に、
出血の不快を感じた事があった。
母さんに
『ワリィけど…もぐらさん、替えてくれない?…
』と、言われた。
私は…
『
じゃ
、看護師さん呼ぶよ
』と、言った。
すると…母は
『やっぱり、気持ちワリィかァ…』
と、言うのでした…
。私は、
『そじゃないけど…

やったことないし

上手く出来ないと、ベッド汚したら困るしさ

母さんも痛いかも
。病院にいるんだしねっ

だからプロにやって貰った方がいいよ
』と、ナースコールを押した。
母さんは残念そうな、悲しそうな…
そんな顔をした…。
私は、お腹が張って苦しそうな母さんに弛めの下着を用意したり、下血が多くなったと病院に言われれば、紙パンツを用意したり…
嘔吐で汚れた口元を濡れタオルで拭いてあげたり…
汗、拭いたり。
暑がりな母を団扇で扇いであげたり、空気の入れ換えや、
足や腰のマッサージ、体位を替えたり…
交換して欲しいモノがあると、母の代わりに看護師さんを呼んであげたり…
ホントに細かな事だけど
様子を看ては、チョコチョコと動いていた。
私は…気持ち悪いか?と言う母の言葉にズキン
とした。そんなんじゃない

気持ち悪かったんじゃない
。私は…
怖かった。。。(>_<)
( ┰_┰)
自分しかいないのなら、
してあげたと思う
。でも、私も
誰かに助けて欲しかった
。母の病気と、濃密に向き合ってき過ぎて、
しんどかった ( ┰_┰)
入院出来て、やっと母を支える人の手が増えて…
それに甘えたい気持ちだった。
ひとり、張りつめてやってきた…
神経の糸を少しだけ弛めたかった。
…………。
母の気持ちは、分かっていた。。。
他人様に…お下のお世話は、
イヤダよねぇ…
…でも、ごめんね…母さん

これ以上、生々しく直視するのは許して欲しい…
私は、母さんのお世話はしてあげたいけど、
病人の免疫ないんだょ…
それが母親のことだと思えば、
本当は、気が狂いそうな程、
怖いんだょ…
平気じゃなかったんだょ…
全然…
頑張ってた…だけなんだよ…ワタシ…
(ノー ゚̄。)…
だから、母さんの性格知ってて、
ホントに
申し訳ないけれど。
少しだけ、
目を
背けさせて
。って。
心の中でしか言えなかったけれど
、私はそっと、母のベッドから離れて、
来てくれた看護師さんに
お願いをしたのでした。








こんなやり取りも…
ほんの
2日前のことだった。。。
私は、
呼吸だけが聞こえてくる
母を見つめ、
短か過ぎる入院生活を…
まるで
遠いことの様に
感じていた。
──────