ラグ?うん、まぁ「継ぎ手」です。
自転車のフレームチューブ(パイプ)を溶接する際につなげるための材料ですね。
こうやって使うのですが、この装飾意匠には様々なものがあって、上の写真は一昨年オーダーしたランドナー(ツーリング車)のフレームの製作途中の写真です。
このラグはフランス製でNervexプロフェッショナルというとても有名なラグです。
有名ドコロは本当にたくさんあるのですが、今夜はその中でもPrugnat(プラグナット)という、同じくフランスのラグのお話。
これもやはり装飾的なフィンを持つラグです。正式にはPrugnat 62Sという名前です。
この#62には少なくとも”D”と”S"の2種類があって、62Dのほうはラグのヒゲが少し長くてサイドのカールした装飾がありません。これが62Dのラグ。
60年代~70年代の競技用車両に好んで用いられた62Dです。
これよりもひげを少し短くして装飾の意匠を加えたものを62Sと呼ぶようです。
これが私の所有するものと同じ62タイプSですね。62タイプDと比べればヒゲが短くて側面にS字型のウエーブを描くカッティングをされています。
この手のカットは「コンチネンタルカット」と呼ばれることもあります。
先程のNervexももちろんコンチネンタルカットのラグというわけです。
ただしフレームを組み上げるためにはもう一つ「継ぎ手」が必要です。
この62タイプSのラグと合わせるのであれば、ボトムブラケットシェルも同じ意匠でなければなりません。
そう、ギアクランクを保持する部分ですね。
先程の3点セットだけではフレームが組めませんので、プラグナットのハンガーラグをずっと探していました。
今回ようやく見つけた、62 Sのボトムブラケットシェルです。
判別しにくいのですが裏面にひし形のスタンプがあり、プラグナット社製であることが確認できます。
また側面のS字型の意匠は正しく62 Sのフィン形状で、これでようやくコンボ出来たというわけですね。
また上面に小さい穴が空いていますが、これはメンテナンス用のオイルを入れるニップルを装着するための穴です。
こんなふうにキャップ付きのオイルポートを装着して使います。
60年代後半からはプラグナットのシェルにはオイルポートがなくなりましたので、これは60年代前期~中期のハンガーシェルだと思われます。
シェルは68mm、スレッドはフレンチです。ワンは手持ちのストロングライトのフレンチ規格を嵌めてあります。フレンチのボトムブラケットなんて滅多に使わないんですが(使えないといった方が正しいかな)こういうときに重宝します。
このワンであればストロングライトのクランクシャフトが使えますからね(^o^)
ちょっと傷んではいますが、メッキ自体は健康です。剥がれやカケもなく、スレッドの荒れはありません。
さてこれどうしましょう。
今お願いしている700Cのスポルティーフ、こっちのラグにしてもらおうかなぁ~