マニー・パッキャオの    …I.B.C事務局 | いわたボクシングクラブ 熱血?トレーナーのぼこぼこブログ

マニー・パッキャオの    …I.B.C事務局

昨夜は久しぶりにマニー・パッキャオ選手のビデオをじっくりと観ました。
世界タイトルを奪取した試合でのジョー小泉氏の解説は、今更ながらに笑えます。

現時点で、6階級制覇を成し遂げたボクサーはオスカー・デラ・ホーヤ選手(米国)とマニー・パッキャオ(エマヌエル・ダピドゥラン・パッキャオEmmanuel Dapidran Pacquiao)選手(比国)だけですが、パッキャオ選手の場合、事実上(マイナー団体も含めて)10階級制覇に値すると言っても過言ではないでしょう。

パッキャオ選手、デビュー(16歳)の時の体重は約48kgキロしかなかったそうです。
いまだ無敗のフロイド・メイウェザーJr.選手が、パッキャオ選手の3つの敗北についてとやかく言いがかり(笑)をつけていますが、パッキャオ選手はデビュー1年間で11連勝(4KO)のあと、契約体重をオーバーし、試合ではルスティコ・トーレカンポ選手(比国)に3ラウンドKO負けを喫しています。

再起後は、18歳で東洋太平洋フライ級王座を獲得し、98年5月に後楽園ホールのリングで、当時日本ランキング2位の寺尾新選手(八王子中屋)と対戦し、1ラウンドKO勝ちを収めていることはボクシングファンならご存知の通り。
寺尾氏は、当時のその試合を振り返り「鉄パイプで殴られたような感じで、首が肩にめり込んだかと思ったほど。ただ単にパンチが硬くて強いというだけでなく、連打もどこから来るか分からないので千手観音に殴られているような感覚だった」と語っています。

パッキャオ選手が初の世界タイトルを獲得したのは、98年12月。
ユーリ・アルバチャコフ選手(ロシア)を敗ったチャッチャイ・サーサクン選手(タイ)に挑戦。
ポイントで大量リードを奪われていましたが、8ラウンド、豪快な左フック一発で豪快に逆転KO勝ち。
19歳で世界チャンピオンになったパッキャオ選手。
まだまだ成長期。2度目の防衛戦では減量に失敗し、計量で規定体重をオーバー、試合を前にベルトを失うことに。
そして試合でもメッドグン・3Kバッテリー選手(タイ)に3ラウンド、ボディーブローをくらってのTKO負け。二度目の敗北を喫してしまいます。

そして再起戦は、一気にスーパー・バンタム級に転向。
しかし凄まじいパワーで6連続KO勝ち。
そしてその勢いをかって米国に進出。
ここで今や世界№1トレーナーとも謳われるフレディ・ローチ氏と出会います。
会ったその日にミットを受けたローチ氏は、「感銘を受けた」。「とにかくスピードとパワーがすごかった。人間性に関しても、昔から知り合いだったようなフィット感があった」と当時を振り返りっております。

そして、2001年6月、IBF世界スーパー・バンタム級王者リーロ・レジャバ(南アフリカ)に挑戦。
予定していた相手が負傷してしまい、その代理挑戦。しかも試合まではたったの2週間。
しかしパッキャオは選手は2階級制覇をかけたこの試合で6ラウンド豪快なKO勝利。
そのタイトルを4度防衛後、世界的にも有名なメキシコの英雄、マルコ・アントニオ・バレラ選手との試合が実現。
このリングマガジン認定・世界フェザー級タイトルマッチは、バレラ選手圧倒的有利の予想の中、試合はパッキャオ選手が序盤からダッシュ。
一方的な内容で11ラウンドTKO勝ち(バレラ選手入場時にはあのフェルナンド・モンティエル選手(メキシコ)がベルトを掲げています)。

2004年5月IBFWBA世界フェザー級タイトルマッチでファン・マヌエル・マルケス選手に1ラウンドに3回ダウンを奪いながら引き分け。
そしてエリック・モラレス選手、

以後の活躍は皆さんご存知の通り。
パッキャオ選手は世界王者をはじめ数々の強豪を立て続けに屠って第一人者の地位を確立していきます。
オスカー・ラリオス選手、そして内山選手と対戦したホルへ・ソリス選手、アントニオ・マルガリート選手(すべてメキシコ)、デラ・ホーヤ、リッキー・ハットン(イギリス)、ミゲール・コット(プエルトリコ)、ジョシュア・クロッティ(ガーナ)、シェーン・モズリー(アメリカ)など。近年のパッキャオの活躍ぶりは多くの人が知るところである。

レジャバ戦以後の10年間の戦績は23戦20勝(14KO)1敗2分というもの。そのうち実にのべ18人が元、現役、後の世界王者である。しかも最近の3年間は自分よりも明らかに体格で勝る相手との試合が続いている。

パッキャオの6階級制覇の価値は、こういった点で他者の追随を許さないものとして高評価できる。
「パッキャオが優れているのはスピード、パワー、そしてデザイアー(欲望)の3点だね。特にデザイアーに関しては特別なものを感じるんだ」と、ローチ・トレーナーは愛弟子を評している。

パッキャオの活躍はリングの上だけに留まらない。昨年5月からはフィリピンの下院議員の肩書も加わり、公私ともに大忙しの毎日が続いている。

パッキャオとローチは「あと数試合で引退する」と口を揃える。マルケス戦をはじめ今後、どんなストーリーが綴られるのだろうか。