アメリカのロースクールの授業ははんぱなく大変だけど 始めた以上やるしかない。 | 英語劣等生アメリカで弁護士になる。

英語劣等生アメリカで弁護士になる。

学生時代に実現出来ずにいた夢を追う為にも
アメリカンドリームを叶える為にも
「私アメリカで弁護士になる!」と大宣言。
1年後、単身渡米。
苦労の末、晴れてアメリカで弁護士となる。

アメリカは州によって法律もちがうし独立した一つの国のように、州憲法ももっているので、ニューヨーク州のロースクールを卒業したといっても、他の州で弁護士として登録できるわけではない。私はフロリダ州のロースクールに在籍していたので、ロースクール卒業後は まずフロリダで弁護士資格を取ることにした。あとは仕事を見つけ経験を積んで 機会があれば 他の州の司法試験を受けてみるのもいいかもと考えていたのだ。 

時は いまからおよそ20年前、司法試験をあと3週間に控えた7月4日。この日はアメリカの独立記念日。公共機関をはじめ企業も学校もみんな閉まるというのに私は ロースクールの図書館で 夏学期最後の模擬裁判の準備をしていた。クラスメートの ちょっとおとなしっぽいマクブライト女史がパートナーとなることになった。私は 架空の女性、 リンダ ロバーツの原告側訴訟弁護士。彼女の足にけがを負わせたこれまた架空の男性 アリ ウインター被告を相手どって民事訴訟を起こして裁判員裁判をするというもの。原告側証人が 証人2人 被告側4人が 証言することになっていた。 学校には 実際の法廷とそっくりに作られた部屋があり、7月5日地、そこで6時間以上もの模擬裁判が行われた。

 

模擬裁判の判事である裁判官を務めたのは 現職の裁判官、フロリダ控訴審裁判所のパーカー判事で 彼の怖さというか、厳しさはほんとすごかった。 ふだんは緊張で上がるほうではない私も 用意していた証拠を判事に証拠能力ありとして認めてもらうための証拠法の規定番号がすらすら出てこなくて 冷や汗の連続。 相手はロースクールでも頭の切れる タバサとスワリナというコンビ。それに法廷にはビデオカメラがあって 自分の一挙一動が模擬裁判中 録画されている。ビデオカメラが点滅しながら 自分の動きにつれて左右上下に動くのは ほんと恐怖でビビってしまう。 自分のしゃべり方、証拠の出し方、裁判員に向けての冒頭陳述の内容や、声の抑揚、目線のもっていき方などなど、まるで ハリウッド映画の俳優なみの演技力も評価されるとあって ほんとに大変。

 

ちなみにこれは過去の裁判員経験者からもよく聞くことだけど、法廷での弁護士の態度や表情や、話し方から その人が信頼おける人物かどうか 好感が持てるかどうかっていうのも裁判員判決に影響するとのことで、こんなことで無罪の人が有罪にされたら当事者は溜まらないだろうけど、人間なんて、理屈ではなく 好き嫌いで決めてしまうようなところがあるので 文句いっても仕方ない。 裁判員受けするように、できるだけ万人受けする濃紺のスーツきてぴかぴかに磨いたまたは新しい靴をはいて 派手にならない程度のメークして、髪も首筋がキチンと見えるようにアップにして (なぜか知らないが そのままだらーと伸ばしたヘアスタイルで法廷に来る女性弁護士はあんまり見かけない。みんなきっちりアップにして前髪もぱっつんしている) これもまあ仕事のうちなんだろう。 2年前に小保方女史が記者会見されたとき頭に浮かんだのが 私のロースクール時代の模擬裁判。 あの方はアメリカでの経験をあるし、コーチにみっちり演技指導してもらってるなっていうのが私の実感。 

そして、模擬裁判の結果は後日アップします。