オスロが初めての夫。


どこに行きたいか聞いてみたら、ヴァイキング船博物館だ、と言う。


それなら、自分で少しは調べておいてくれていたらいいのに、すべて私任せ。


ヴァイキング船博物館のあるヴィグドイ地区へは、昔、確か小さなフェリーで行ったので、フェリー乗り場まで歩くことにした。


2日間のオスロパス(シニア料金で605NEK=9000円)を買ったはいいけれど、初日から複雑に入り組んだバスやトラムの、どれにどこで乗ればいいのかわからない。


地図を頼りに、闇雲に歩き、何とか複数のフェリー乗り場がある桟橋に到着。


でも、なんか違う?


何人かに聞いても、ヴィグドイ行きのフェリー乗り場は知らないと言う。

面倒くさくなって、たくさんの人が乗り込むフェリーに、ヤケクソになって乗り込んでみた。


係の人に聞くと違うと言われ、すぐに下船。


ヴィグドイ地区へのフェリーは、市庁舎前広場からだと分かり、移動して、なんとか小さな船に無事乗り込めた。



もうこの時点でヘトヘトな私である。


さてこのフェリー、降り場は2つあり、ヴァイキング船博物館は、最初に停まるドロンニンゲン桟橋で下船とのこと。


そこで降りたはいいが、ヴァイキング船博物館の標識も出ていなくて、また地図を見ながらだいたいの方向へ坂道を上る。


いい天気で、夏至が近いこの時期、太陽がさんさんと輝く中歩いているうちに、さらに私の体調悪化。


20分ほど歩いて初めて現れた標識。

『Viking ship museum 』の文字の上に大きな✖︎。


なんと、臨時休業中であった…(大号泣)。


仕方ないので、別の場所にあるコンチキ号博物館とフラム号博物館方向に歩き出す。


気を失いそうなほど体調が悪い。

しかも、水も忘れてきてしまった。

もちろん自動販売機なども皆無。


超高級住宅地のヴィグドイ地区を、亡霊のように歩く。


全部で小1時間も歩いただろうか。 


ようやくコンチキとフラム(もう名前は短縮形)にたどり着いた。


コンチキは、冒険家ヘイエルダールが筏であちこち行った船。




フラムは、北極探検家のアムンゼンの船。


疲れ果てて、見学は夫だけにしてもらった。


ヴィグドイで撮った写真はこの3枚だけであった。


さて、帰りである。

無事にホテルまだ帰れるだろうか?


もうどうにでもなれ、とコンチキ・フラムにあるたったひとつのバス停から30番のバスに乗る。


ホテルは中央駅やオペラハウスのすぐそばだから、多分このバスもその近くを通るだろう。


2,30分も乗った頃、オペラハウスが見えてきた。


ビンゴであった。


夜は、7時からのオペラハウスのバレエを無事に観る事ができた。


オスロのオペラハウスは、海に沈み込むような素敵なデザインの建物だ。


バレエの演目は、スウェーデン人のマツエクによる前衛的なバレエだ。


生オケで、バレエが始まるとオーケストラピットは沈み込んで行った。


しかし、バレエを観ていたのはわずか数分。

約2時間、私は眠り続けていたようだった。


周りの皆さん、バレリーナの皆さん、本当にすみませんでした。


観客はスタンディングオーべーションで、とてもいいバレエのようであった。


バレエが終わった9時。


睡眠が取れて少し回復した私。


駅前のタイガー像の前で。

中国人の男性が撮ってくれた。


夕食は、夫はセブンイレブンでハンバーガー。


食欲が全くない私は、日本から持参したどん兵衛で命をつなぐのであった。