朝5時半に目覚めた。

今日は寒くなるようだったので、天気予報を確認した。
最高気温は3℃。3AMは小雪、とある。
 
まさかね、と窓の外を見てみると、ホテルの屋根にうっすらと雪が積もっている。
 
さらに目を凝らすと、小雪が散らついている。

 
 
明日の朝、9時前にはタリンを離れる。
最後の日が、こんなに寒くて曇っているのは、今回の旅のフィナーレとして、ふさわしいと思った。
 
 
この旅では、ずっと穏やかな気持ちでいられた。
気分が異常に高揚することもなかった。
それは、多分、私がエストニアという国から感じた、慎ましさや、切なさからきているものなのだろう。
 
 
ここでは、自分が自分でいられた。
平静な気持ちで、いろいろなことを思うことができた。
 
 
私が50年以上の月日、ずっと心の奥底で燃やし続けてきた、リンドグレーンの文章やヴィークランドの絵への敬愛の炎。
 
それは、ささやかなで控えめな炎ではあったが、絶えず私を支え、助けてくれていたのだ、と確信できた旅でもあった。
 
 
中学の図書館で見つけた一冊の本。
ヴィークランドの絵に惹かれ、手に取った『やかまし村の子どもたち』。
読み進むにつれて、リンドグレーンの文章の魅力の虜になり、それは50年以上も私をとらえて離さないでいる。
 
何かあれば、そこに逃げ込んで自分を癒やすこともできた。
 
いつも、優しく私を受け入れてくれ、一緒に歩いてきてくれたその世界に、心からありがとう、と言いたい。
 
 
日常の煩雑さから離れて見ると、いろいろなものが見えてくる。
 
また、旅にでたいと、思っている。
 
今、朝の7時。
さらに、舞う雪は多くなってきている。