日本に留学中だったYに出会ったのは、もう20年以上も前のことになるのだなぁ。

彼女はスウェーデン人だけれど、インドネシアからのadopted childだ。
頭がよく、思いやりのあるYのことが、私たち夫婦は好きで、今でも付き合いがある。



学生だった彼女は、スウェーデンで就職し、スウェーデン人の男性と結婚し、
そして、中国からの女の子、韓国からの男の子を、自分たちの子として育てることになった。

スウェーデンに行くたびに、私たちはYの自宅に泊めてもらっている。

そして、そこで出会う子供たちのかわいいこと! 

Y夫婦が子供たちに注ぐまなざしは、いつも優しさに満ちていて、胸を打たれる。

Yana家族と私 
 Y家族と私




 

北欧に行くと、金髪の両親と一緒のアジア系、アフリカ系の子供たちをよく目にする。
日本であれば、異人種の子供連れは、きっと好奇の目にさらされるだろう。
北欧では、周囲もごく自然にそんな子供たちを受け入れている。

そんな時、「北欧にはかなわないなぁ」と、私は思うのだ。

彼らの実の親たちが、どういう事情で彼らを手放したのかは、知る由もない。

しかし、私は、彼らに「ここで育てられることになって、よかったね!」とはっきり言うことができる。

そして、自分たちの膨大な時間とお金を、血のつながらない、遠い国からきた子供たちに捧げるY夫婦を、そしてadopted child のシステムがしっかり根付いているこの国を尊敬するのだ。

きっと、費やすもの以上に素晴らしいものを、彼らは手に入れているのだろう。
彼らの充実した幸せそうな顔から、それが容易に想像できる。




Y夫婦は、子供たちを中国や韓国に引き取りに行った時の写真を、きちんとアルバムに残し、それを子供たちに見せている。
   
      初めてだっこした時の写真。
      初めて一緒のベッドで寝た時の写真。

その時の写真を、私は行くたびに見せてもらう。
そして、母親になりたてのYの写真の笑顔が、満ち足りた喜びにあふれているのを見るたびに、胸がいっぱいになる。

一緒に行った何組かの家族との付き合いも継続していて、交流会もあると言う。この前は、長女の生まれ故郷の中国に一緒に里帰りしてきたそうだ。



私は自分の子供を持たなかったし、それをあまり気にもしてこなかったが、彼女たちを見ると、

「自分たちの力で作り上げた、こんな豊かな家族のかたちもあるのだなあ」

と気づかされるのだ。


kuthurt

リンドグレーン「エーミル」シリーズの舞台となった
Katthult農場でのY家族
2014年7月に一緒に連れて行ってもらいました


「この小屋はエーミルが閉じ込められた小屋だよ」
「ええ~。そうなんだ!」
というマニアックな会話をする日本人とスウェーデン人(笑)





Wilda 
追伸:また家族が増えました Wildaです 
from Y