ドラゴンが登場する作品は怪獣映画か? | Blu-ray DVD Amazonビデオ 劇場最新作より、映画の感想・レビュー!

Blu-ray DVD Amazonビデオ 劇場最新作より、映画の感想・レビュー!

映画や音楽などについてのブログです。
読者がおもしろいと感じて頂ければ幸いです。

どうぞお気軽にお立ち寄りください。

突然ですが、皆さんドラゴンは好きですか?

架空の生き物であること、口から炎を吐き出すところなどを見ても、ドラゴンが登場する映画は怪獣映画として観られる部分があるのではと、ふと思ったりしました。

ここでのドラゴンは西洋で描かれる翼のあるドラゴンのことで、そういうものを登場させる映画はやはり洋画になります。

比較的近年の洋画では怪獣というとキングコングくらいしか思い浮かばないので、せめてドラゴンを怪獣と見なすことはできないかと考えました。

そして洋画における怪獣映画への飢えを満たすという視点でドラゴン映画を漁ってみました。

作品によっては言葉を話すドラゴンが登場するのですが、やはり人間とはコミュニケーションが取れない、それどころか人間の敵として襲いかかる怪獣らしいドラゴンに絞ってここで作品を紹介したいと思います。

先に結論を申しますと、ここで紹介する作品を実際に観た結果、怪獣映画としては無理がある部分があるのは否めません。

しかし、やっぱりドラゴンはカッコいいと思います。

現実にいたら、生物学的には爬虫類に分類されるのでしょうか?

その辺りはわかりませんが、ロマンですよね。


ではまずはこちらの作品から──

『サラマンダー』(2002年 監督:ロブ・ボウマン 出演:クリスチャン・ベール、マシュー・マコノヒー、イザベラ・スコルプコ、ジェラルド・バトラー 他)

 

 

──サラマンダーと呼ばれる竜が繁殖した世界。地下の洞窟に仲間たちと身を隠して暮らすクインは、竜についての情報をもつ義勇軍と共に戦いを挑む!──

本作に登場するのはサラマンダーと名づけられた竜です。

サラマンダーとはヨーロッパの伝説で火を司るトカゲもしくはドラゴンの姿をした妖精を指すそうです。

あるいはサンショウウオのことを英語ではSalamanderと言います。

しかし妖精と言うにしては実に狂暴な生物が大量に繁殖して、人間を食いつくす絶望的な世界を描いた作品です。

口から炎を吐くところは典型的なイメージですが、かつては恐竜を食いつくして滅ぼし、再び地上に獲物が満ちるまで休眠していたという設定はいかにも怪獣っぽいです。

というより、この設定…平成の『モスラ』シリーズに登場したデスギドラやキングギドラを想起させる悪どさです。

怪獣映画として見るのに無理がある点は、そのサラマンダーの全体像がわかりにくいところです。

せっかくのカッコいい造形をもっとはっきり見せてくれればいいのですが、本作は立ちはだかる脅威に立ち向かう人々に焦点をあてています。

あくまで主役は人間なんですね。

大量に繁殖したドラゴンたちが飛び回っているのを遠くから眺めるような描写が多く全編において薄暗い映像です。

ようやくアップで映り出すのはクライマックスというのが惜しいですね。

本作の見所は、やはりこの極悪なサラマンダーを相手に、今まで地下に身を隠して生きていた者たちが立ち向かう緊迫感にあります。

簡単に人間が太刀打ちできない脅威として描いているところは怪獣映画らしくあります。


そして2つ目──

『ドラゴン・スクワッド』(2020年 監督:ハンク・ブラクスタン 出演:アントーン・トーバート、ルーベン・プラ、タルカン・ドスピル 他)

 

 

──アメリカ北部の怪物が棲むと言い伝えられる森林地帯で住人たちが行方不明になる。捜索の依頼を受けた傭兵たちはそこで人間を捕食するドラゴンと遭遇する!

豪華キャストが出演している前者とは違い、こちらはいわゆるB級作品です。

ドラゴンの造形はもう典型的なドラゴンですが、そこが安定のカッコ良さとも無個性とも言えます。

そしてそのドラゴンの咆哮はあの有名な怪獣のパクりです。

そこがB級なんです。

しかし、ドラゴンと戦う傭兵部隊が熱いというのが本作の良い部分ではあります。

結局は人間の描き方が前面に出ているのことが否めないところは前者の作品と同じで、やはり怪獣映画として観るには無理があります。

いや、人間の描き方が前面にあっても怪獣映画として観られる作品はありますが、ドラゴンはあくまでドラゴンとして見てしまう先入観があるのでしょう。

やはり怪獣とは少し違う扱いになりますね。

ましてや本作のように典型的なドラゴンの姿では、怪獣として見るにはインパクトが弱いのでしょう。

空想の生物とはいえ、普通に大きくて狂暴な生物として見てしまいます。

街を破壊するシーンなどあれば良いのですが、本作は山奥の森林地帯が舞台で、そこにドラゴンを崇拝している者たちがいて、シチュエーションとしてはホラーに近いです。

あくまでシチュエーションという意味であって、ホラーみたいに怖くはないですよ!


──というわけで、洋画の怪獣映画に1人で勝手に飢えを感じている私が、(言葉をしゃべらない)ドラゴンが登場する映画であればどうか?と思って観た作品を取りあげました。

結果、怪獣映画としてはちょっとムリがあるということでした。

やはり洋画の怪獣映画の金字塔はキングコングくらいのもので、それに双璧として並べられるような作品はないでしょう。

比較的新しい作品で怪獣映画らしいものと言えば『クローバーフィールド/HAKAISHA』がありますが、あの怪獣に名前あったかな?

なければ是非とも付けてほしい。

1953年の『原子怪獣あらわる』に登場する怪獣にはリドサウルスという名前があるんですから!