バイオでもモンハンでもない!ストリートファイターの実写映画2作品 | Blu-ray DVD Amazonビデオ 劇場最新作より、映画の感想・レビュー!

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『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が公開されてだいぶ経ちますが、改めてSNSやYouTubeなどの批評を見ていると、公開前の評判に対して公開後の賛否が分かれた作品だなと感じます。

私は良かったと思っています。

初めてプレイしたのは1998年にプレステで発売された『バイオハザード2』だったのですが、このリブートでの実写化がゲームの1と2を原作としているということで、観る前から興味がありました。

実際に観に行って、キャラクターの再現に不満があったという人が多いでしょうし、私としても個人的に一番好きなキャラクターであるレオンのイメージに違和感があったのは否めません。

しかし、ヨハネス・ロバーツ監督が意識したという、ラクーンシティを舞台にした不気味な世界観という部分に関しては、彼の言わんとしていることが大いに伝わりました。

そうだ、あのなんとも言えない陰鬱な空気感!

言葉で表すのは難しいのですが、あの空気感をさあ実写で表現するには?となったところで、照明の色合いなどでかなりこだわっていたのではと私は思います。

それにしても、以前にあったミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『バイオハザード』シリーズもさることながら、モンスターハンターまで実写映画化され、カプコンのゲームの世界進出度のスゴさを感じます。

現時点でどこまで話が進んでいるかは不明ですが、ロックマンもハリウッドで実写映画化の企画がニュースで2年くらい前に流れていました。

しかしカプコンのゲームでは過去にもう1つ、実写映画化された作品があります。

それはもうカプコンと聞いて誰もが真っ先に思い浮かぶであろうシリーズの1つ、ストリートファイターです。

古くは1994年にジャン=クロード・ヴァンダム主演の実写映画がありましたが、私は最近までそれしか知りませんでした(内容はほとんど覚えていない)。

その何年も後にさらに2つ、ストリートファイターの実写映画が作られていたことを知り、早速観てみました。


その1つがこちら──

『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』(2009年 監督:アンジェイ・バートコウィアク 出演:クリスティン・クルック、エドマンド・チャン、ニール・マクドノー、ロビン・ショウ 他)

 

 

 

 

[→Prime Videoで観る]

 

──謎の絵巻物に導かれゲンと出会った春麗は、誘拐された父が生きていることを知らされ、ベガ率いる組織・シャドルーに戦いを挑む!──

みんな大好き(勝手に言ってる)春麗を主人公にしたアクション映画です。

その春麗を初めとした各キャラクターはだいぶリアル路線で、安いコスプレにはなっていないのが良いのですが、逆にストリートファイターという感じがあまりしません。

しかしスラム街で格闘するシーンを入れているところは、ちゃんとストリートファイトしています。

原作より明らかに若いゲンが春麗の師匠として登場するのですが、ということはゲンが春麗に気功拳を伝授しているということになるか。

いずれにしても、やはりこういう飛び道具の必殺技はリアリティを削いでも良いのでゲームらしさを出すために外せませんよね。

とはいえ残念なのがシャドルーのキャラクターたち。

こちらがまたリアルさ重視にしてしまって、バルログが弱々しいしバイソンはボクサーというより普通にゴツい黒人になってしまっています。

ベガに至っては、もはやあのサイコパワーを駆使するラスボス感が観る影もなし。

悪どくて格闘ができるが見た目は普通のビジネスマン!

しかしそのベガをニール・マクドノーが演じているのが、妙に縁を感じさせますね。

 

 

彼はバイオハザード以前にこうしてカプコン原作の映画に出演していたのです。

シャドルーを捜査するインターポール捜査官という設定でナッシュも登場しますが、空軍兵士ではないのですな。

ソニックブーム見せてほしかったぜ!

それらを踏まえてリアリティと、原作ゲームへの忠実さとのバランスが微妙な本作です。

最も力が入れられているのは、春麗の過去の話の掘り下げでしょう。

そういえばゲームでもこんなストーリーだったなと思い起こさせてくれます。

周辺の登場キャラクターを少なく抑えているおかげでハチャメチャな作品にはなっていないという意味では、漫画やアニメを実写化するにあたってコントみたいなコスプレ衣装とメイクでダサい作品を作る日本映画界もちょっとは見習ってほしいです。

全体としてストリートファイター愛というよりチュンリー愛で見せる本作ですが、ゲンを登場させたならそのつながりでライバルの豪鬼も出してほしい勢いです。


そう、豪鬼を見たい!リュウを見たい!ケンを見たい!

つまりは剛拳より受け継がれし暗殺拳の使い手たちに焦点をあてた作品が観たいという方にはここで紹介する2つ目はいかがでしょう?

『ストリートファイター 暗殺拳』(2014年 監督:ジョーイ・アンサー 出演:マイク・モー、クリスチャン・ハワード、小家山晃、ジョーイ・アンサー)

 

 

──暗殺拳の使い手・剛拳はリュウとケンに波動の力を教えるべきか迷っていた。それには彼の弟である豪鬼との過去が関係していた!──

日本国内のファンであれば、ストリートファイターといえばやはりリュウとケンが登場しないと始まらないかもしれません。

そして本作には上の2人に加えて、暗殺拳の中でも「殺意の波動」に目覚めた豪鬼が登場します。

ところでここで謝っておかなければなりません。

先ほど日本で製作される漫画やアニメの実写化映画はコントみたいなコスプレ衣装とメイクでダサいと言いましたが、イギリス映画であるこちらも豪鬼だけはちょっとそれに近いものになっています。

髪型とか、もっとなんとかならなかったんかな?

しかもストリートファイターでありながら舞台はほとんど道場です。

ストリートファイトする場面はありません。

しかしそれでもゲームの主役級キャラであるリュウとケン、そしてその師匠である剛拳に焦点をあてたストーリーは観る価値あります。

波動拳や昇龍拳、竜巻旋風脚といったお馴染みの必殺技の丁寧な演出や、あのBGMの使用なども含め、監督であり豪鬼の役でもあるジョーイ・アンサーの原作愛が熱いです。

 

 

元来、対戦格闘ゲームであるがゆえに、ストーリーがあってもゲームの中ではあまり深く掘り下げにくかったであろう各キャラクターの設定や背景を思いきって実写で一連の物語にしたところは、まさに観るストリートファイターですね。

これくらいの勢いで、他のキャラクターに焦点をあてた作品も作ってほしいくらいです。

個人的にはキャミィを希望します!


──というわけで、バイオハザードでもなく、モンハンでもなく、ストリートファイターの実写映画2作品についてサラッと述べました。

しかし!

ヴァンダムが好きな人にとってのベストはやはり1994年の作品でしょうか?



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