訓練のはずが、進化したA.I.との死闘に! 『キル・コマンド』 | Blu-ray DVD Amazonビデオ 劇場最新作より、映画の感想・レビュー!

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もう小難しい社会派な描写は抜きにして、たまにはこんな爽快な近未来SFアクションといきましょうか。

『キル・コマンド』(2015年 脚本・監督:スティーブン・ゴメス 出演:ヴァネッサ・カービー、トゥーレ・リントハート、デヴィッド・アヤラ 他)



【あらすじ】──テクノロジーの進んだ未来。

ビュークス大尉率いる海兵隊員たちと技術者のミルズは軍事訓練のため、とある孤島にある研究施設に派遣される。

余裕で訓練をこなす隊員たちであったが、暴走したロボットたちにより襲撃される。

そこは進化した人工知能を持つロボットたちにより支配された孤島だった。──


☆カッコいいメカニックと孤島を舞台にした美しい景色

冒頭の、軍事訓練のために孤島へ向かう海兵隊員たち。

まずはここに登場する、左右2つのローターを持つ輸送機のデザインに惹き付けられます。

そしてそれが飛び立ったところからの景色の描写の美しさ。

近未来SFなら、やはりこういう創造性はポイントとして大きいでしょう。

更には海兵隊員たちが訓練のために孤島へ着陸してからの、森林地帯のシーンが何よりもすばらしいです。

どこで撮影したのか、もしくはこれもCGだったりするのかもしれません。

ハイテクな街中を映し出した近未来SFも好きですが、こんな自然の中にハイテク機器という組み合わせも、現実との地続き感があって新鮮です。


★ヴァネッサ・カービー扮する魅力的なサイボーグ技術者

登場人物の中で一際魅力的なのが、体を機械化し部隊に同行する技術者の女性ミルズ(ヴァネッサ・カービー)。

スラリとしたスマート感あるルックスも去ることながら、いつも隊員たちや周囲の様子を解析しているその目が青白く光る様。

ここがまたキレイなんです!

「もともと綺麗な女性なんだし、普通の人間の目がいい」

意外にもそんなこと全く思わないのは私だけでしょうか?

たとえサイボーグでも、僕はあなたのことが好きだ!」

これ『メカゴジラの逆襲』の台詞を引っ張り出しました↑

あ、ちなみに目の形そのものは生身の人間と変わらないのでご安心あれ。

バトーのレンズ型義眼みたいなのではありません。

しかしまあ、サイボーグの機能としてだけでなく、チャームポイントとしても成り立たせているセンスは誉めるべきポイントです。

ターミネーターにもここまではなかった!


☆高度な知能を持った妖しげなロボットたちとの戦い

この映画に登場するロボットは
近未来の高性能な人工知能を搭載しています。

ただ劇中でミルズが解析しているところによると、その進化が異常とのこと。

多脚で動きまわり、人間らしさとはかけ離れた姿形ではありますが、複雑なディテールはワクワクするものがあります。

他にもドローンのように飛びまわるロボット、蜘蛛のような複数あると思われる目を持ったリーダーロボットがなんとも妖しげです。



さすがに完全なヒト形のロボットは出てきません。

しかし現実においても、しっかりと直立二足歩行するヒト形ロボットを作るのは実際そう簡単ではなさそうです。

その意味ではここでも現実との地続き感があると言えます。

マシンの知能が独りでに、人間の及ばぬところで進化していた──

それもこんな孤島の中でです。

こういうのをもっとスペクタクルで壮大に描けば、ロボット版『ジュラシック・パーク』ができそうな話しです。

それはさておき、終盤のロボットvs海兵隊員の死闘のシーンは緊迫感あります。

あんな集団で襲ってきて、しかも人工知能がそれをやってると思うと不気味ですね。


★『モンスターズ──』スタッフとスティーブン・ゴメス

あくまでシンプルで爽快なアクション演出でクライマックスに持ってくるこの映画。

『モンスターズ/地球外生命体』のスタッフにより制作された作品なんですが、あちらよりおもしろいではないですか!

『──地球外生命体』のほうは監督がギャレス・エドワーズで、暗闇の中を脱出する緊迫感がなかなかのものでしたが…。

2作目の『──新種襲来』はよりはっきりした戦闘シーンは良かったものの、寝てしまいそうな展開とムダなエロ描写、そして"洋画戦争モノ自己陶酔"感でイメージダウン…。

(引き続きギャレスさんが監督していれば、ああはならなかったか↑)

そんな中、本作『キル・コマンド』は無機質なマシンを相手に、ただひたすら兵士たちが作戦を立てて戦う潔さ!

ちなみにハリウッドSF映画によくある「企業の陰謀」なるオチもない。

だからそう、またにはこんな映画も新鮮で良いものです。

脚本と監督を務めたスティーブン・ゴメスは、まだあまり情報がなく、詳細はよくわかりません。

イギリスのテレビ映画などで視覚効果を手掛けてきているとのことです。

ギャレス・エドワーズとは同郷で、彼には「自分のクローン」と評されているそうです。

本作が監督としてデビュー作となったようですが、ギャレス・エドワーズ同様、これからの活躍が期待されます!


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