ひかりの輪とアレフの大きな違い

私たちは、5年前にアレフを脱会し、過去の反省に基づき、ひかりの輪として新しい道を歩み始めました。しかし、依然として、ひかりの輪とアレフが、同じオ ウムの後継団体だという誤解がよくありますので、今回は、ひかりの輪とアレフの違いをわかりやすく説明したいと思います。

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1 両者の違いの概略

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まず、両者の違いの概略を簡潔に説明します。

(1)ひかりの輪

前にも述べましたが、ひかりの輪は、特定の教祖・神を信じる「宗教」ではなく、宗教を越えた、新しい智恵の学びの場です。宗教学習センターのようなもので、入会しなくても学べる、新しいタイプの宗教の学びの場を提供しています。

また、ひかりの輪は、麻原・オウム信仰を脱却し、事件を謝罪して、被害者団体と賠償契約を正式に締結し、定期的な経済報告をしつつ、その実行に努めています。(「オウムの教訓サイト」「広報部サイト」 参照)

さらに、松本サリン事件の被害者の河野義行氏らを招いて外部監査委員会 を設置し、活動を定期的に報告し、その監査・指導・助言を受け、広報活動を含め、外部社会との融和に努めています。なお、河野さんを含めた、一部の被害者やご親族の方々と交流しています。

団体の思想や活動のお知らせは、こうした団体のHPや、ネットで所属と実名を明かした指導員が行っており、アレフに関して問題視されている覆面布教は行っていません。

そして、発足以来5年の間、団体の活動で信者が刑事摘発されたことは一切なく、さらには、専用のブログを開設するなどして、下記のアレフの洗脳教化などの違法行為の告発・解決に努めています(「アレフ問題の告発と対策ブログ」 )。

また、団体規模も、出家者は27名と小規模です。2007年にアレフを脱会し、発足して以来、オウム以来の教義が抜本的に変わる中で、出家会員の数は半減し、また、オウム信仰の崩壊の影響もあって、一部には、うつ病を含め、心身を病むものが出ました。

具体的には、27名の中で、60代~80代での高齢者が7名(認知症・要介護の老人や視聴覚の障害者を含む)、同時に精神疾患の者が2名、他の病気療養中 の者が1名で、出家会員の10名近くが高齢者・病人であり、その多くは団体による生活扶助を必要としています(仮に脱会した場合は、生活保護が必要となる と思われ、実際に最近脱会した複数の者が生活保護を受けています)。

なお、一般会員を含めても、会員総数は180名です。団体は、入会を強調しない方針もあって、発足以来、会員数は増えていません。ただし、一般として外から学ぶ人、通う人、ネットの中継講話などを聞く人は、徐々に増えていると思います。

外部に就労している人は9名前後で、団体の道場で、仏教的な思想の学習、ヨーガ・気功等の指導、個人面談、その他のヒーリングの指導や、事務・経理・広報活動に従事している者が、全国八支部に散って、合計で13名前後です。

総資産も1700万円程度と小規模で(アレフの30分の1ほど)、総資産の6分の1以上の賠償金(最低300万円以上)を毎年支払っています。



(2)アレフ(Aleph)

一方、アレフは、麻原を絶対とし、近年ますます麻原回帰し、自分たちの帰依が麻原の死刑を遅らせる(遅らせている)とまでも盲信しています。(→詳しくはこちら

オウム事件については、表向きは教団の関与を認めつつも、広報活動はほとんど行なわず、その裏側で、事件は陰謀だとする布教をしています。

具体的には、アレフを隠した覆面ヨーガ教室を行い、その中で、輪廻転生を強調し、修行しないと地獄に堕ちることを強調したり、さまざまな陰謀説を説いたりして、オウム事件も陰謀だと主張するなどといった、詐欺的・洗脳的な布教活動を行っています。(→詳しくはこちら

この覆面ヨガ教室の関係で、先日、滋賀県の信者が詐欺罪で摘発・起訴されました。他にも団体活動に関して信者が逮捕された事例があります。(→詳しくはこちら

団体の規模は、出家者の総数は、定かにはわかりませんが、数百名前後と大規模であり、先の詐欺的教化により、公安調査庁によると、昨年だけでも、数百名の新規信者を獲得し、構成員は、1000名を超え、急増させています。(→詳しくはこちら

そして、資産も、流動資産だけで4億円以上に上り、さらに、東京の足立区に、大型のビル物件を取得し、資金力も急増させています。それに対して足立区は、教団を規制する新たな条例を導入しましたが、アレフは、その条例の違反にも問われています。(→詳しくは、足立区の「オウム真理教(アレフ)対策」のHP

こうして、新たな地域問題を起こすほどに、資金が潤沢にもかかわらず、ひかりの輪と違って、被害者団体と賠償契約を締結することは拒絶しています。ただ し、教団が潰されることを恐れ、教団防衛のために、賠償金ではなく、寄付をしていますが、その額は、総資産の40分の1ほどと、ごくわずかにとどまってい ます(寄付ならば、麻原・教団が事件に関与したこと認めたことにならない)。

そのため、賠償を担当する被害者の支援団体(オウム真理教犯罪被害者支援機構)が、2012年の3月に、アレフを相手取って、東京地裁に、不履行となっている賠償金の支払いを求める調停を申し立てました。(→詳しくはこちら

また、同支援機構は、現在は被害者団体の資産であるオウム真理教の著作物を無断で使用している著作権侵害の停止も求めています(この著作権侵害は刑事犯罪でもあります)。(→詳しくはこちら



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2 徐々に認められつつある両者の違い

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しかしながら、この違いは、依然として、公安当局には十分に認められておらず、昔のイメージをコピーした形で、両団体を同一するかのように扱われている面 があります。ただし、オウムを良く知る弁護士や評論家の方の一部には、すでに両者に違いがあることを理解されている方が出てきているように思います。

例えば、カルトやオウム問題に詳しい紀藤正樹弁護士は、『サンデー毎日』(2012年7月1日号)誌上で、

「ひかりの輪はアレフから追い出された少数派であり、教団というよりサークルに近い。
サリン事件のようなことをやれば、団体として大変なことになると分かっていた幹部連中が追い出された。

サリン事件を体験していない人たちが幹部となったアレフには、『事件には何かしらの意味があった』と思っているような信 者が残りました。

アレフ信者の、麻原彰晃に対する信仰の度合いは、95年以前と同じで、むしろ個人崇拝、帰依度は高まっている。
昔との違いは、サリンを作るような施設がない点だけです...
今もアレフが勢力を拡大している事実を深刻に受け止めないといけません。」

さらに、オウム問題で著名な江川紹子氏も、ツィッターで、上祐代表の過去のオウム時代の行為の責任の重さを指摘した上で、「現時点の問題という点では、だ んまりを決め込み、事件への反省のないまま麻原信仰を続け、被害者への賠償も放り出して施設を拡充し、詐欺的勧誘を続けているアレフの存在の方が、(ひか りの輪よりも)遙かに問題は大きいのではないか。
(アレフの)荒木広報の悩んでるふり、考えてるふりにごまかされてはならない。」と述べている(6月17日)。

また、先ほどの述べた被害者支援団体(オウム真理教被害者支援機構)は、2009年7月に、アレフが賠償契約を拒否する中で、ひかりの輪とは、別個に賠償契約を結び、ひかりの輪とアレフとを区別して扱っています。

さらに、最近の報道機関については、事情を正しく理解し、単純に過去のイメージ・当局の見解を垂れ流すのではなく、ひかりの輪とアレフをきちっと区別して報道する記事も徐々に増えてきました。



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3 項目別の両者の違い

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1 会員数


(1)ひかりの輪

【会員総数】:約180名

【会員総数の変化】:2007年の発足以来、微減
※入会を強調せず、一般の参加者を歓迎する方針。

【専従会員(出家会員)の総数】:27名

【専従会員総数の変化】:発足以来、半減以上(発足時は56名)
※オウム教義の破棄などのため。


(2)アレフ

【会員総数】:(推定※1)1000名以上

【会員数の変化】:(推定※1)昨年だけでも200名増

【出家者総数】: 正確には不明、200名弱か
※1 公安調査庁関係の報道から推定



2 経済規模など

(1)ひかりの輪

【資産】:1700万(流動資産)団体の公安調査庁報告から

【財務の報告・監査】
① 外部監査委員会(河野義行委員長)への報告と監査
② 賠償契約を締結した被害者団体への定期的な報告


(2)アレフ

【資産】:(推定※)4億(流動資産)+都内大型ビル(2億相当)
※公安調査庁関係の報道からの推定額

賠償契約を拒否し、財務の報告・監査なし。



3 遵法精神の有無

(1)ひかりの輪:

①発足以来、事件の謝罪・反省を深め、団体の活動に関係して、信者が逮捕・起訴されたことはない。

②下記のアレフの違法行為をHPで告発し解決に努めている。

「アレフ問題の告発と対策」http://alephmondaitaisaku.blog.fc2.com/


(2)アレフ:

複数の法令違反・違法行為がある

① 覆面ヨーガ教室による詐欺的・洗脳的な教化

アレフを隠した覆面ヨーガ教室で、オウム事件の陰謀論を説いて、
アレフに入会・布施させる詐欺的・洗脳的な教化・勧誘活動
そのため、2012年5月、滋賀県警が詐欺罪で信者3名を逮捕、2名起訴。
また、各地で勧誘された人の苦情あり、ひかりの輪で相談を受けている。

→詐欺罪での逮捕・起訴について
→詐欺的・洗脳的な教化について

② 被害者団体(※)に対する賠償契約の不履行・契約更改の拒絶

被害者団体の申し立てにより、現在、東京地裁で調停中
(※)正確には「オウム真理教犯罪被害者支援機構」(以下、被害者支援機構)

→詳しくはこちら

③ 被害者支援機構に帰属する元オウム真理教の著作物の著作権の侵害

被害者団体の申し立てにより、現在、東京地裁で調停中
※オウム真理教の著作物は賠償のために現在、同機構に属する

→詳しくはこちら

④ その他の法令違反の疑いもある:詳細は上記のHP。



4 オウム事件の謝罪・反省・賠償

(1)ひかりの輪

① 麻原の関与を含め、オウムの関与した事件の反省に基づき、謝罪を繰り返し表明し、一部被害者
・親族の方と交流※。

※参考http://hikarinowa.net/public-info/recompense/

② また、2009年に、オウム真理教犯罪被害者支援機構(以下同機構)と、被害者賠償契約を
正式に締結し、履行している。

※参考http://hikarinowa.net/public-info/recompense/compensation-contract/

③ オウム時代の反省・総括を団体全体で濃密に行い、発表している。

・HP『オウムの教訓サイト』 で公表。

・さらに、幹部会員が、一般の出版社から書籍を刊行(及び刊行予定)

宗形真紀子『二十歳からの20年間--"オウムの青春"の魔境を超えて』(三五館)

・上祐史浩『私しか知らないオウム、17年目の告白』(仮)本年中発刊予定)

④ 残存するオウム問題(アレフの違法行為・刑の執行)の解決に努めている。

※参照http://alephmondaitaisaku.blog.fc2.com/


(2)アレフ

① 事件の反省なし

(1) 一部の信者は、事件は、絶対者の麻原の深い考えによるもので、悪とは判断できず、「謝罪・賠償をするのは正しくない」と考え、

(2) 一部の信者は、事件は、麻原が関与を否定しているように、権力者の陰謀で、「謝罪・賠償の要求は、本来不当だ」と考えている。

② 賠償契約の不履行・更改の拒絶と、寄付の実行

上記の理由で、賠償契約は不当だが、教団防衛のために(団体が潰されないために)、善意の第三者として一定額の寄付を実行し、機関誌・信者にPRしている。



5 教義・思想・教材

【1】オウム真理教の教材


(1) ひかりの輪

① オウム真理教の教材は廃棄し、全く使用していない
(観察処分の審査・裁判・総括用に必須な一部のみ厳重管理)

② ひかりの輪の一元論思想に基づく新たな教材を作成・使用している。


(2)アレフ

① オウム真理教の教材を全面的に使用(著作権侵害)

② サリン事件以前の教材の復刻も行っている。



【2】麻原の見方


(1)ひかりの輪

カリスマ性はあったが、誇大妄想・被害妄想的な人格障害があり、一連の事件の過ちに至り、いまだに反省できない人物と分析。※公安調査庁も、「ひかりの輪の教義には、外形的には、麻原を崇拝する内容はない」と認めている(同庁の観察処分の審議の主張証拠より)。


(2)アレフ

麻原は神の化身・絶対的存在。事件にも深遠な意味があり、絶対的な帰依の対象。



【3】オウム事件の見方


(1)ひかりの輪

自らハルマゲドンを起こし、予言された救世主になろうとした麻原の狂気の誇大妄想・被害妄想が引き起こした事件であり、許されない。

※公安調査庁も、ひかりの輪の教義には、外形的には、殺人肯定の危険な内容はないと認めている(同庁の観察処分の審議の主張・証拠より)。


2)アレフ

麻原の深遠な考えによるもので、否定出来ない。ないしは、国家権力の陰謀である。



【4】信仰対象



(1)ひかりの輪


特定の神・教祖を信奉しない=宗教団体ではない、新しい智恵の学びの場
個々人の中の神聖な意識を重視して、外側のものは、それを引き出す象徴。


(2)アレフ

麻原とその本体であるシヴァ神に絶対的に帰依し、それ以外の人物や神仏は、格下または外道・邪教として否定。



【5】世界観・基本的な思想


(1)ひかりの輪: 一元論

万物は「輪」のように繋がり一体で、皆等しく尊重すべき。
(よって、教団を善、社会を悪とする善悪二元論を否定)


(2)アレフ: 善悪二元論

教団は善業多き魂、社会は悪業多き魂という善悪二元論。
社会は、麻原・教団を弾圧している。



【6】組織の透明性・開放性の有無


1.行事・教材の公開性

(1)ひかりの輪

主要な行事・教材は、インターネットで生中継・録画公開するなどして、会員以外の一般人も、どこからでも視聴・購入できる。

一般人も会場で直接参加できる(※ひかりの輪HP参照〈http://hikarinowa.net/〉 )。


(2)アレフ


主要な教材は、会員しか購入できず、秘密主義的である。
※そもそも、その教材の販売は、著作権侵害であり、この問題のためか、最近は、教材販売は益々秘密主義的に。



2.報道機関・地位住民への対応

(1)ひかりの輪

① 広報部が報道機関の取材依頼に適宜対応、ネットでも情報発信

※ひかりの輪広報部HP参照〈http://hikarinowa.net/public-info/ 〉)。

② 地域住民の組織的な反対運動がある地域(東京・大阪)は、情報提供と
話し合いの申し入れを継続し、話し合いが実現したケースも。

③ 地域住民の方向け情報発信をするHPを開設し、不安解消に努めている

※『ひかりの輪から、地域のみなさまへ』参照〈http://ameblo.jp/hikari-chiiki/


(2)アレフ


① 取材依頼を原則拒否しており、コメントの発信も稀である。
② 地域住民からの働きかけは基本的に無視している。



3.外部監査の受け入れ


(1)ひかりの輪:

外部監査委員会(河野義行委員長)

昨年末、サリン事件被害者の河野義行氏や大学教授など招いて設置。

① 定期的に活動内容を文書・会議で報告し、助言・指導を受け、

② 各施設で、説法会などの活動や、施設設備の監査を受け、

③ 自己反省法や伝統宗教との交流などの精神的な指導も受けている

※外部監査委員会HP参照〈http://hikarinowa-gaibukansa.jp/ 〉)

※財務に関しては、外部監査委員会に加え、被害者団体にも定期的に報告している。


(2)アレフ

自主的な外部監査制度などは一切無い。



4.布教活動の形態


(1)ひかりの輪

団体の公式HPや、所属と実名を明かした指導員が行っている。


(2)アレフ

アレフを隠した覆面ヨーガ教室を幹部信者と一般信者が行っている。
その中で、オウム事件を陰謀とする洗脳的教化が行われている。