(2012-07-01  00:26:29 の記事)
 私たちは、5年前にアレフを脱会し、過去の反省に基づき、ひかりの輪として新しい道を歩み始めました。

 しかし、依然として、ひかりの輪とアレフが、同じオウムの後継団体だという誤解がよくありますので、今回は、ひかりの輪とアレフの違いを分かりやすく説明したいと思います。
 
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1 両者の違いの概略
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 まず、両者の違いの概略を簡潔に説明します。


1 ひかりの輪


 ひかりの輪は、麻原・オウム信仰を脱却し、事件を謝罪し て、被害者団体と賠償契約
を正式に締結 し、定期的な経済報告をしつつ、その実行に努めています。

 また、松本サリン事件の被害者の河野義行氏らを招いて外部監査委員会 を設置し、
活動を定期的に報告し、その監査・指導・助言を受け、広報活動を含め、外部社会との
融和 に努めています。

 発足以来5年の間、団体の活動で摘発されたことは一切なく、さらには、下記のアレフ
の洗脳教化などの違法行為の告発・解決に努めています。

 また、団体規模も、出家者は25名と小規模で、その中には、多数の高齢者・精神病患
者が残っており(詳細後述)、その支援に努めています。

 また、一般会員を含めても、会員総数は180名で、入会を強調しない方針で、会員数
は増えていません。

 団体の性質も、特定の教祖・神を信じる宗教団体ではなく、盲信を否定した宗教学習セ
ンターのようなもので、入会しなくても学べる、新しいタイプの宗教の学びの場を提供して
います。
 団体の思想や活動のお知らせは、こうした団体のHPや、ネットで所属と実名を明かした
指導員が行っており、覆面布教は行っていません。


2 アレフ(Aleph) 

 一方、アレフは、麻原を絶対とし、近年ますます麻原回帰し、自分たちの帰依が麻原の死
刑を遅らせる(遅らせている)とまでも盲信しています。

 オウム事件については、表向きは教団の関与を認めつつも、広報活動はほとんど行なわ
ず、その裏側で、事件は陰謀だとする布教をしています。
 具体的には、アレフを隠した覆面ヨーガ教室を行い、その中で、事件は陰謀だと教えた上
で、アレフに入会させます。
 この詐欺的・洗脳的な布教活動の結果、先日、滋賀県の信者が詐欺罪で摘発・起訴され
ました。
 
過去の賠償契約は不履行で、契約のこ更改は拒絶し、第三者として寄付をするのみです
(寄付ならば関与を認めたことにならず、教団防衛になるから)。

 他にも、詐欺罪や著作権侵害といった違法行為(後に詳述)が指摘されています。

 団体の規模も、出家者は推定200名前後 と大規模で、先の詐欺的・洗脳的な教化によっ
て、公安調査庁によると、昨年だけでも数百名の新規信者を獲得し、構成員は1000名を超
えて急増させています。
 その一方で、賠償契約を拒絶し、経済報告をする対象もない中で、流動資産が4億にも上り、
都内に大型のビル物件を取得し、資金力も急増させています。


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 2 外部の見解
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 この違いは、依然として、公安当局には認められていませんが、オウムを良く知る弁護士や
評論家の方の一部には、すでに両者に違いがあることを理解されている方が出てきました。
 たとえば、カルトやオウム問題に詳しい紀藤正樹弁護士は、『サンデー毎日』(2012年7月1日
号)誌上で、次のように語っています。

  「ひかりの輪はアレフから追い出された少数派であり、教団というよりサークルに近い。
   サリン事件のようなことをやれば団体として大変なことになると分かっていた幹部連中が
  追い出された。
   …サリン事件を体験していない人たちが幹部となったアレフには、『事件には何かしらの
  意味があった』と思っているような信者が残りました。
   アレフ信者の麻原彰晃に対する信仰の度合いは95年以前と同じで、むしろ個人崇拝、帰
   依度は高まっている。昔との違いは、サリンを作るような施設がない点だけです…
   今もアレフが勢力を拡大している事実を深刻に受け止めないといけません。」

 さらに、オウム問題で著名な江川紹子氏も、私の過去のオウム時代の行為の責任の重さを
指摘した上で、

  「現時点の問題という点では、だんまりを決め込み、事件への反省のないまま麻原信仰を
   続け、被害者への賠償も放り出して施設を拡充し、詐欺的勧誘を続けているアレフの存在
   の方が、(ひかりの輪よりも)遙かに問題は大きいのではないか。
   (アレフの)荒木広報の悩んでるふり、考えてるふりにごまかされてはならない。」
  と述べています(6月17日)。

 こうして、両氏は、ひかりの輪とアレフが別団体との前提で、アレフの現在の問題点を指摘し
ていますが、一方、公安調査庁は、ひかりの輪とアレフとがあたかも同一の団体である(かの
ように誤解される)と主張をしています

 この点につき、上記のサンデー毎日も、紀藤弁護士らと同庁の見解が異なると指摘し、担当
者のコメントとして、「両団体を分けて扱うことはしていない」、その根拠として、「ひかりの輪も
我々の検査後に、麻原の肖像を引っ込め(た)」という話を紹介しています。
 しかし、ひかりの輪では、5年前に、オウム教材を全廃しており、検査後に肖像を引っ込める
わけがないので、発足前後に、団体の大量の荷物の中に、微量の破棄洩れが発見された昔の
話かもしれません。

 また、同庁自体も、ひかりの輪のメンバーが5年前にアレフを脱会する以前には、麻原を絶対
視するアレフの信者によって、激しい批判があったことを認めており、同庁の主張を突き詰めて
いくと、最終的には、一般人が、両団体を同一と見ていることを根拠としていることがわかります
(同庁の観察処分の審議での主張より)。
 こうして、結論から言えば、当局自体が、過去のイメージをそのままコピーしているのです。
 
 一方、オウム事件被害者を支援する弁護士らの団体(オウム真理教被害者支援機構)は、2009
年7月に、アレフが賠償契約を拒否する中で、ひかりの輪とは、別個に賠償契約を結び 、ひかりの
輪とアレフとを区別 して扱っています。

 また、報道機関も、事情を正しく理解し、単純に過去のイメージ・当局の見解を垂れ流すのでは
なく、ひかりの輪とアレフをきちっと区別して報道する記事も徐々に増えてきました。


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 3 違いの無理解がもたらしている、社会側の不利益
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 アレフは表に出てこず、隠れて勢力を増大し、違法行為をなしています。

 そして、マスコミは、取材に対応するひかりの輪を、あたかもアレフの広報部の代わりにように扱
って、結果として、ひかりの輪だけを叩いて、現在のアレフの増大する問題は全く報道しない(そも
そも知らない)場合がほとんどです。

 これは、アレフの問題の解決を遅らせます。

 最近は多少、アレフ問題を報道するマスコミが出てきましたが、まだまだ全く不足しています。

 また、アレフの洗脳教化の被害者は急増していますが、それを食い止めるためには、団体規制法
に基づいて勧誘を禁止する措置を執ることができます。
 しかし、両団体を同一としていると、賠償契約を締結・実行しているひかりの輪も同時に禁止するこ
とになり、大きな矛盾・不合理が生じます。
 結果として、公安調査庁は、アレフを野放しにするしかなくなり、アレフの問題の解決の妨げとなりま
す。この点の詳細は、>>公安調査庁が、「アレフの危険な膨張」を、放置している問題

 さらに、アレフの中にも麻原絶対視の人ばかりではなく、一部には中間的な考え方の人もいますが、
彼らは、「ひかりの輪のように、反省・改革しても、社会は認めない」という強い不安を抱いています
(実際、事実として、そういった側面はあるのですが)。
 それは、彼らが変わる上での障害になり、アレフの問題の解決を妨げます。
 アレフが、「なぜ変わらないのか」という理由を考える際に、アレフの人たちが、更正の機会があると感
じていない問題は、重要ではないでしょうか。


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 4 違いの詳細
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 多少長文となりますが、ご関心のおありの方はお読み下さい。

■会員数

1 ひかりの輪

 (1)会員総数: 約180名

  会員総数の変化: 2007年の発足以来、微減
  ※入会・入信を強調せず、一般の参加者を歓迎する方針。

 (2)専従会員(出家者)の数: 25名

  ・出家者が発足以来、半減以上。発足時は56名(出家を重視せず)。
 
  ・25名のうち、多数の出家者が高齢者・精神病患者(9名、5分の2弱) →扶養の必要あり
   高齢者が6名(80代2名、70代2名、60代2名)、精神病患者3名
   高齢者の中に認知症(要介護)、身体障害者も。

  ・出家者の就労(内勤・外部就労)
   ①会員教化・広報: 12名前後、 ②外部に就労: 6名前後

2 アレフ

 (1)会員総数(推定※1): 1300人以上(推定※1)
 (2)会員数の変化(推定※1): 昨年だけでも200名増
 (3)出家者総数: 正確には不明、200名弱か
  ※1 公安調査庁関係の報道から推定


■経済規模など■

1 ひかりの輪

 (1)資産:1700万(流動資産) 団体の公安調査庁報告から
 (2)財務の報告・監査
  ①外部監査委員会(河野義行委員長)への報告と監査
  ②賠償契約を締結した被害者団体への定期的な報告

2 アレフ

 (1)資産(推定※):4億(流動資産)+都内大型ビル(2億相当)
  ※公安調査庁関係の報道からの推定額
 (2)賠償契約を拒否し、財務の報告・監査なし。


■遵法精神の有無

1 ひかりの輪: 法令の遵守に努めている

 (1)発足以来、事件の謝罪・反省を深め、団体の活動に関係して、
  信者が逮捕・起訴されたことはない。

 (2)下記のアレフの違法行為をHPで告発し解決に努めている


2 アレフ: 複数の法令違反・違法行為がある

 (1)被害者団体※に対する賠償契約の不履行・契約更改の拒絶
  被害者団体の申し立てにより、現在、東京地裁で調停中
  ※正確にはオウム真理教犯罪被害者支援機構(以下、被害者支援機構)

 (2)被害者支援機構に帰属する元オウム真理教の著作物の著作権の侵害
  被害者団体の申し立てにより、現在、東京地裁で調停中
  ※オウム真理教の著作物は賠償のために現在、同機構に属する

 (3)覆面ヨーガ教室による詐欺的・洗脳的な教化
  アレフを隠した覆面ヨーガ教室で、オウム事件の陰謀論を説いて、
  アレフに入会・布施させる詐欺的・洗脳的な教化・勧誘活動
   ※先日滋賀県警が摘発し詐欺罪で3名逮捕、2名起訴。
   ※各地で同様に苦情、ひかりの輪で相談を受けている。
 
 (4)その他の法令違反の疑いも:詳細は上記のHP。


■オウム事件の謝罪・反省・賠償■

1 ひかりの輪

 (1)麻原の関与を含め、オウムの関与した事件の反省に基づき、
  謝罪を繰り返し表明し、一部被害者・親族の方と交流※。
  ※参考〈http://hikarinowa.net/public-info/

 (2)2009年にオウム真理教犯罪被害者支援機構(以下同機構)と
  被害者賠償契約を正式に締結し、履行している。

 (3)オウム時代の反省・総括を団体全体で濃密に行い、HPオウムの教訓サイト』
   で公表し、さらに、幹部信者が、一般の出版社から発行(及び発行予定)
   宗形真紀子『二十歳からの20年間――“オウムの青春”の魔境を超えて』(三五館)

 (4)残存するオウム問題(アレフの違法行為・刑の執行)の解決に
  努めている。参照http://alephmondaitaisaku.blog.fc2.com/

2 アレフ

 (1)事件の反省なし
  ①一部の信者は、事件は、絶対者の麻原の深い考えによるもので、
   悪とは判断できず、「謝罪・賠償をするのは正しくない」と考え、
  ②一部の信者は、事件は、麻原が関与を否定しているように、権力者の陰謀で、
  「謝罪・賠償の要求は、本来不当だ」と考えている。
 
 (2)賠償契約の不履行・更改の拒絶と、寄付の実行
   上記の理由で、賠償契約は不当だが、教団防衛のために(団体が
   潰されないために)、善意の第三者として一定額の寄付を実行し、
   機関誌・信者にPRしている。


■教義・思想・教材■

【1】オウム真理教の教材

 1 ひかりの輪

  (1)オウム真理教の教材は廃棄し、全く使用していない
    (観察処分の審査・裁判・総括用に必須な一部のみ厳重管理)

  (2)ひかりの輪の一元論思想に基づく新たな教材を作成・使用している。

 2 アレフ

  (1)オウム真理教の教材を全面的に使用(著作権侵害)
  (2)サリン事件以前の教材の復刻も行っている。


【2】麻原の見方

 1 ひかりの輪

  カリスマ性はあったが、誇大妄想・被害妄想的な人格障害があり、
  一連の事件の過ちに至り、いまだに反省できない人物と分析。
  ※公安調査庁も、ひかりの輪の教義には、外形的には、麻原を崇拝する内容はない
   と認めている(同庁の観察処分の審議の主張証拠より)。

 2 アレフ

  麻原は神の化身・絶対的存在。
  事件にも深遠な意味があり、絶対的な帰依の対象。


【3】オウム事件の見方

 1 ひかりの輪

  自らハルマゲドンを起こし、予言された救世主になろうとした
  麻原の狂気の誇大妄想・被害妄想が引き起こした事件であり、許されない。
  ※公安調査庁も、ひかりの輪の教義には、外形的には、殺人肯定の危険な内容はない
   と認めている(同庁の観察処分の審議の主張・証拠より)。

 2 アレフ

  麻原の深遠な考えによるもので、否定出来ない。
  ないしは、国家権力の陰謀である。


【4】信仰対象

 1 ひかりの輪

  (1)特定の個人・神仏を絶対視・崇拝しない。
  (2)崇拝の対象は、全ての人の中に存在する神聖な意識(仏性)

 2 アレフ

  麻原とその本体であるシヴァ神に絶対的に帰依し、
  それ以外の人物や神仏は格下または外道・邪教として否定。


【5】世界観・基本的な思想

 1 ひかりの輪: 一元論

  万物は「輪」のように繋がり一体で、皆等しく尊重すべき。
  (よって、教団を善、社会を悪とする善悪二元論を否定)

 2 アレフ: 善悪二元論

  教団は善業多き魂、社会は悪業多き魂という善悪二元論。
  社会は、麻原・教団を弾圧している。


■組織の透明性・開放性の有無■

【1】行事・教材の公開性

 1 ひかりの輪

  主要な行事・教材は、インターネットで生中継・録画公開するなどして、
  会員以外の一般人も、どこからでも視聴・購入できる。
  一般人も会場で直接参加できる(※ひかりの輪HP参照〈http://hikarinowa.net/ 〉)。
 
 2 アレフ

  主要な教材は、会員しか購入できず、秘密主義的である。
  ※そもそも、その教材の販売は、著作権侵害であり、
  この問題のためか、最近は、教材販売は益々秘密主義的に。


【2】報道機関・地位住民への対応

 1 ひかりの輪

 (1)広報部が報道機関の取材依頼に適宜対応、ネットでも情報発信
   ※ひかりの輪広報部HP参照〈http://hikarinowa.net/public-info/ 〉)。
 
 (2)地域住民の組織的な反対運動がある地域(東京・大阪)は、情報提供と
   話し合いの申し入れを継続し、話し合いが実現したケースも。

 (3)地域住民の方向け情報発信をするHPを開設し、不安解消に努めている
  ※『ひかりの輪から、地域のみなさまへ』参照〈http://ameblo.jp/hikari-chiiki/

 2 アレフ

 (1)取材依頼を原則拒否しており、コメントの発信も稀である。
 (2)地域住民からの働きかけは基本的に無視している。


【3】外部監査の受け入れ

 1 ひかりの輪: 外部監査委員会(河野義行委員長)

  昨年末、サリン事件被害者の河野義行氏や大学教授など招いて設置。
 (1)定期的に活動内容を文書・会議で報告し、助言・指導を受け、
 (2)各施設で、説法会などの活動や、施設設備の監査を受け、
 (3)自己反省法や伝統宗教との交流などの精神的な指導も受けている
  ※外部監査委員会HP参照〈http://hikarinowa-gaibukansa.jp/ 〉)
  ※財務に関しては、外部監査委員会に加え、被害者団体にも
    定期的に報告している。

 2 アレフ

  自主的な外部監査制度などは一切無い。



【4】布教活動の形態

 1 ひかりの輪

  団体の公式HPや、所属と実名を明かした指導員が行っている。

 2 アレフ
 
 
  アレフを隠した覆面ヨーガ教室を幹部信者と一般信者が行っている
  その中で、オウム事件を陰謀とする洗脳的教化が行われている。