そう言えば、書いてるよ -2ページ目

そう言えば、書いてるよ

物の哀れに掴まれて、こういう時代に生きるしかなければ、少なくとも自分の心で。平安時代の娘だな。

今から何年前?初めてお芝居を書いた話。

 

20代の時に初めて歌を書いたように、ずっと心に浮かんでた気持ちがいきなり形になって、数時間で紙に落としちゃった。書いたこと自体恥ずかしすぎて、死ぬほど読んでほしい座長がいたが、なんだこいつ、偉そうと思われて笑われると怖くて、仲良かった息子に相談した。相談したていうか、余計なことなら絶対止められると思ったが、あのごろにしたら以外と優しく(笑)「読んでほしいならあげたら?」と言って、自分も読むと言ってくれた。一番読んでほしかった二人に恥ずかしながら渡した夏の川越が今も忘れない。何年前覚えてないけどw 

 

おそらく5ー6年前。座長の誕生日に嚙みながらよくわからないことを言って渡してあげた。何年たっても、まだ感想を聞かされてない。。こちらから「どうでしたか?」と聞いたら変なふうに思われるかもしれませんし、偉そうだし、ずっと待ってて、今度次男に相談したら「俺も読みたい!」と言って、渡した。そして、他の劇団の大尊敬するお兄さんのような座長に相談し、「俺も読む」と言って、渡した。4人の中、誰にも何も言われないからもう諦めた。おそらく、「ちょっとも面白くなくて良く分からない外人が書いたやつだった」と言いたくなくて黙ってるから、価値のないものを認めて世界にあげる。笑

 

私のすべてだけどね。

 

私が知ってる限り、あのころは日本発の「喧嘩屋五郎兵衛外伝」でした。その後、私が想像してた完璧な五郎兵衛も正式に生まれたけど。

 

書いたときに、各役に顔も声もあった。

 

喧嘩屋五郎兵衛・勘

朝比奈藤兵衛・真

鉄五郎・和

金五郎・蘭

荒山葛藤・祐

その子分・虎

お花・チ

良太郎・月

 

頭の中で、皆と舞台を踏む夢を叶えた。

 

つまらなくて、変な日本語のものだが、初で最後の未練のストーリーを残しておきたい。ごゆるりと。

 

 

「胸にのぼる龍」

 

 

主役 お龍(おりゅう/おたつ)・喧嘩屋五郎兵衛

悪党 荒山葛藤(あらやまかっとう)

味方 朝比奈藤兵衛、鉄五郎(兄貴分のてつごろう)金五郎(弟分のきんごろう)

お龍の両親 お花(母)良太郎(父)

 

 

 

Scene①

 

幕があけて、中幕が閉めています。舞台の真ん中にお龍がしゃがんで、バスケットに色々かたづけます。上手から喧嘩屋五郎兵衛、鉄五郎と金五郎が来ます。お龍が立ってから歩き出す。五郎兵衛が鉄五郎と話していますが、お龍の隣になったら、時間が止まります。お龍の表情が変わらない。五郎兵衛が困った顔する。

鉄五郎:「親分、、親分?」

時間がもう一度流れます。

2~3歩して、バスケットを持っているお龍が止まって、おでこから汗をふく。

五郎兵衛(恥ずかしくて):「あ、はい、、」と言って、話を続きながら歩き出す。そっと左に見て、3人で下手から出る。お龍もそっと右に見て、微笑んで、出る。

 

 

 

Scene ②

 

中幕が明けて、五郎兵衛一家だ。鉄五郎が片付けて、上手から着物を持ってる金五郎が入る。

金五郎:「兄貴、この着物は、、」

下手からお龍が一家にたずねていく。金五郎が入口の近くに着物を置く。

鉄五郎があけます。

お龍:「あたいお龍(りゅう)と申します。こちらは喧嘩屋五郎兵衛一家ですか?」

鉄五郎:「へい」

お龍:「喧嘩屋五郎兵衛親分と合わせて下さい」

鉄五郎:「親分は今お忙しいですから、日にち改めてくれませんか?」

お龍:「とても大事な話がありますが、もう待てないから、少しでもあわせて下さい」

鉄五郎:「すみませんが、親分は忙しいんだ。ヤクザの一家が女一人で来る場所ではないから、誰かとまた来て、、」

お龍が待たず勝手に入ります。

鉄五郎:「おい、まて!」

お龍:「待てないと言ったら、待てないという事だが。ヤクザの一家って耳が不自由な方が多いかい?」

五郎兵衛と藤兵衛が上手から出ます。

五郎兵衛:「何がこの大騒ぎ?」

お龍が男ふうに挨拶する。

お龍:「お龍と申します。親分さん、私を子分にして下さい」

鉄・金が笑って、「何が言っているの?」。

五郎兵衛が優しく、真面目に話す。

五郎兵衛:「どうして子分になりたいですか?」

お龍:「女の人生に飽きた。亭主や子供に興味ありません。この村の型気を守りたいんだ。」

お龍は自信を持って、まっすぐ五郎兵衛の目をじっと見る。五郎兵衛がびっくりする。もっと優しく話す。

五郎兵衛:「とても偉い気持ちですが、ヤクザは男の業界だ。今興味ないかもしれないが、とても綺麗な娘ですし、いつか頭変わるかもしれない。まだ若いですから、乙女の心を捨てちゃダメ。頭をあげてください。」

お龍は不満げな顔し、頭を上げて、帯と着物を抜く。

若衆:「おい!何がやってんの?」

お龍が金五郎が置いた着物を勝手に着る(帯の締め方が間違う)。

お龍:「僕がもうその心を捨てた」

まっすぐ五郎兵衛の目を見て、挨拶をしてみる。

お龍:「おひけぇなすって」

びっくりしている五郎兵衛がじっとお龍を見る。後ろから藤兵衛が五郎兵衛の肩に手を置く。五郎兵衛が兄貴を見て、藤兵衛が無言で微笑む。

五郎兵衛:「分かりました。今日から一家に入りなさい。だが、今日からあなたも男だ。下っ端だ。皆よりも一生懸命働く、兄貴たちが言う事を良く聞く。最後に皆が入った風呂に入る、皆と寝る。重い、辛い、何が言っても一切優しくされない。それでも、ヤクザになる覚悟があるの?」

お龍:「へい」

五郎兵衛が微笑む。

五郎兵衛:「お酒持ってこい」

鉄:「親分!待って!」

金:「なんで?」

五郎兵衛:「俺が言う事を聞けないのか?お酒持ってこいと言っているんだ」

子分(小さい声で):「、、へい、、」

真面目に杯をする。

五郎兵衛:「今日から、お龍ではなく、喧嘩屋五郎兵衛一家の龍五郎だ。」

お龍:「へい」

五郎兵衛が中に入ろうとしていますが、笑ってお龍に向かう。

五郎兵衛:「とりあえず、帯の締め方を教えてもらいなさい」

笑って、入る。お龍が恥ずかしくて帯を触る。

藤兵衛が微笑んで、上手に入る。

藤兵衛:「これ、面白くなりそう」

お龍は揶揄えそうな笑顔で鉄と金に向かいます。

お龍:「兄貴、宜しくお願い申し上げます」

鉄・金(ぶつぶつ):「なんだこいつ、、良く分からない、、」

鉄:「はいはい、その着物を拾って、中に入ってこい」

鉄と金が中に入ります。お龍は乙女っぽく胸に手を結ぶ。気がついて、まっすぐ立ちます。挨拶のポーズをする。

お龍:「おひけぇなすって」(小さい声で)

笑いながら、中に入ります。

幕が閉まる。

 

 

 

Scene③

 

幕が開ける。中幕が閉めている。上手から五郎兵衛と鉄、金、龍が出る。

下手から葛藤と子分が出る。親分同士で冷たい挨拶して、両方が続くが、葛藤が龍に気になって、びっくりして、笑いながら五郎兵衛に向かう。

「おい、五郎兵衛。何これ?冗談か?」

五郎兵衛(真面目に):「彼が最近うちの一家に入った若衆だ。龍、挨拶を。」

お龍:「申し遅れまして。喧嘩屋五郎兵衛一家の龍五郎と申します。よろしゅうおたの申し上げます。」

葛藤(激しい苦笑いで):「お前本間変わったやつやのう。こいつは女なんだ。喧嘩屋五郎兵衛の変わったところが、顔だけじゃなかったんだ。ははは。」

葛藤の子分も笑う。お龍が怒り顔して、なんか言いだそうとするが、五郎兵衛に止められる。

五郎兵衛(厳しい目で):「龍」

お龍(辛抱して):「へい」

五郎兵衛:「行こう」

五郎兵衛、鉄・金が左から出る。お龍が憎みで葛藤を見て、出る。葛藤がお龍を一瞬真面目に見て、「行くぞ」と言って、上手から入る。

 

 

 

Scene ④

 

お龍が戸の外を見て、ぼーっとする。上手から五郎兵衛が出て、お龍を2~3回呼ぶ。3回目少し大きい声で呼んで、お龍が振り向けて、男性の挨拶をする。

お龍:「親分、すみませんでした」

五郎兵衛:「どうしたの、龍?」

お龍:「先の親分さんの事、、」

五郎兵衛:「気にするな。俺達にもう可愛い子分と弟分だが、外から見たらヤクザになった女だ。やはり、なれるまで時間かかるし、これからもこのようなこといくらでもあるが、私がついているから、心配する事がない」

お龍:「へい」

五郎兵衛:「皆はどこいる?」

お龍:「朝比奈一家の兄達と飲んでいます。最近ずっと一緒にいる気がする」

五郎兵衛:「そうね。兄貴のところに数人が居なくなって、助っ人しているんだから。おまえがどうして飲みに行かなかった?残されたか?」

お龍:「違います!誘われたけど、僕も行けば一家に誰も残らないし、親分についていなきゃと思った」

五郎兵衛:「何が言っているの?おまえも行け」

お龍:「いや、僕の居場所が親分の側だから」

五郎兵衛が微笑む。

五郎兵衛:「よし、分かった。二人で飲もう。お酒持ってこい」

お龍も感謝で微笑む。

お龍:「へい」

お龍はお酒持って、親分の前において、床からおしゃくしようとしたら、五郎兵衛に止められる。

五郎兵衛:「上に上がれ」

お龍:「いやいや、僕は親分の同じところに座れない、、」

五郎兵衛:「いいんだよ、俺がそう言っているんだ」

お龍:「でも、、」

五郎兵衛:「俺の命令だ」

お龍(そっと笑って)「へい」

お龍は女っぽくおしゃくしてしまって、五郎兵衛そっと笑う。

五郎兵衛:「どうやっても、完全に男になってないな、、」

お龍は恥ずかしくて、星座ではなく男のように座る。

お龍:「親分、ずっと聞きたい事ありますが、、」

五郎兵衛:「どうしたの?」

お龍:「顔の傷、、どうやって、、」

五郎兵衛:「これ?」

五郎兵衛は顔の傷のストーリーを物語る。お龍が寂しい顔する。

五郎兵衛(優しく):「どうしたの?傷になれないの?」

お龍(微笑みながら):「ううん。皆に一つか二つの深い傷がある。親分に顔に出ているだけ」

五郎兵衛:「お前の傷の話も聞かせてくれ」

お龍が一瞬渋る。

お龍:「僕の話を来てくれますか?」

五郎兵衛:「俺で良かったら」

お龍:「僕のおっかあが素敵な人だった。お花と言いました。本当に花のような人でした。綺麗で、いつも穏やかで暖かい笑顔で話していた。村の一番綺麗な女と言われたが、招待もちたいと思わなかったらしい。何人にも誘われていたが、停止を持つ事に興味なかったね。おっかあが海に惚れていた。うちの村に綺麗な海があって、おっかあが毎晩が海食崖に行って、ゆっくり海を見ていた。もう村に変な噂になってて、どんどん男が近づけなくなってきました。ある日、風が強くて、おっかあの簪が落ちてしまった。海岸まで降りて探しに行ったら、穏やかな笑顔の人に渡されてた。おっかあが感謝を伝えようとしたが、彼が直ぐ背中を向いて帰った。あの人が私の親父、漁師の良太郎。おっかあがびっくりして、次の日まだ海岸に行ったら彼を探しに行きました。いつものように誘われるかと思ったが、親父が一言も言わず、おっかあと海を見て、色々話してから、振り向いて普通に自分の家に帰ってた。一月もそのまま過ごしてきたが、ある日おっかあが親父に向いて、聞いたんだ。どうして誘わないの?どして他の人のようにしないと。親父がそう答えた。僕が他の人じゃないから。お花が綺麗だと、僕も思うが、誘うよりも、お花と毎日海に落ちる日を見るの幸せだ。それでも、僕が日の本一の幸せな男。おっかあそれを聞いて、心に決めた。その日から、良太郎のお妻のお花になった。」

お龍は懐かしく微笑んで、お酒飲む。

お龍:「なんて幸せだった、3人で。毎日おっかあが食べずに親父の帰りを待ってた。どんだけ遅くても、待ってた。海から帰れなくて、朝になっても、おっかあ食べなかった。そして、親父帰ってきたら、二人で肩を合わせて、笑ったり、話したり、二人だけの世界に入っていたみたい。たまたま寝れなくて起きてたら、二人を見て胸に暖かい気持ちを感じてた。あたいが幸せだな!とずっと思っていた。」

急にお龍が黙って、顔が暗くなる。一杯を握って、一気にお酒飲む。

お龍:「でも、いつか村にある親分が来た。その親分に我儘息子がいて、親分さんがもう若くなかったので、息子が村にさんざん遊んでいた。僕達の村があの息子のものになって、おっかあも手に入れようとしていた。最初から一家に連れたくて、何度も何度もおっかあに近づいてきた。ものか、金か、力か、何の手でも使って、どうしてもおっかあが自分のものにしたかったみたい。おっかあが花ほど綺麗だったが、柏よりも強く一切振れなかった。いつもの穏やかな笑顔で、断然断っていた。でも、ある日、止められない嵐が来た。親父がもう海に出ていたから、帰りが遅かった。やっと帰ったと思ったら、家に酔っぱらった息子が暴れてきた。どうしてあの汚い漁師を待つの、って。俺が山ほど金あるんだ、って。酔っぱらっていたか、もう限界だったか、、おっかあの体を止めて、手籠めにしようと。おっかあが戦った。戦ったよ、親分。振れていた私が隠れて、全部を見た。おっかあが戦っていたから、息子が暴力で暴れる。蹴ったり殴ったり、おっかあを手籠めにした。終わったら、私のおっかあの目が死んだようでした。あの息子が着物を締めて、ちっと面白くないって。死んだようなおっかあに向いて、唾した。その瞬間に親父が帰ってきて、息子が親父にも怒り出した。お前の妻に無理やり誘われたんだ。しっかりお勤めせよ!という言葉を言って、出た。親父が一言も言わない。おっかあを抱きしめて、頭を撫でて、そのまま二人で寝ていた。その日から親父が毎日おっかあの側についていました。飯を作ったり、あたいの面倒みたり、おっかあが良くなったその日までずっとおっかの代わりになった。その頃におっかあが前よりも長く、朝までも海を見に行き始めた。あたいが怖かった。とっちゃん、かあちゃんが帰って来る? と言ったら、親父が微笑んで、勿論ですって。毎日毎日おっかあを信じて、待っていた。そしておっかあが良くなって、普通のおっかあに戻れたと思っていたが、目の裏にいつも寂しい影があった。穏やかだったが、おっかあの暖かい笑顔がなくなっていた。」

お龍また止まって、息がする。お酒飲んで、続く。

お龍:「ある夜、おっかあが起きていて、手紙を書いてました。親父もう寝ていたから、変だと思っていた、こっそり見ていた。おっかあ、また海に行くの?と聞いて、おっかあがあたいに向いて、こう言った。今言う事、良く覚えなさい。女は男の人生の柱だ。子供のように亭主の面倒を見て、良い亭主になれるように子供を育つ。あなたを愛する前に、あなたに尊敬できる男を見つけて。あなたの顔より、あなたの心を愛する男、分かった?私がずっとあなたの側にいる。お父さんをずっと守ってあげて。そういって、おっかあが出ました。あたいが子供だったが、おっかあを追っかけた。あの夜も、おっかあが海食崖に行きました。風が吹いて、満月の光に女神のように見えていた。おっかあがお月さんを見て、微笑んで、一言を言った。有難う、貴方。そう言って、海に飛んだ。」

お龍また2杯連続飲む。

お龍:「おっかあが死んだら、あたいと親父が二人きりなった。優しい親父が一切泣いてない。でも、親父の心に大きい影が下りてきていた。船で出ても、一匹も取れない。でも毎日毎日、優しい笑顔で家に帰っていた。自分が一口しか出来なかったが、毎日あたいに何かを持ってきてた。あの夜、饅頭を持ってきてた。一つだけ。とっちゃんが食べて欲しい、とっちゃんが食べてないでしょう?と言っても、親父が聞かない。じゃ、半分子しましょう。お茶入れるから、二人で分けましょうと言ったら、親父が微笑んでくれた。おっかあが死んでから初めて親父が笑ってくれていた。二人で分けれるその饅頭が親父におっかあと分けてた飯のようだったかもしれない。あたいの心が走って、直ぐ入れてくると。でも、お茶入れた瞬間で、お騒ぎを聞く。また来たと、あたいの体が石のようになった。おっかあが死んでから、酷い息子が毎日のように親父を探していた。お前のせいだ、って。あのきたない女でも俺の遊び者だったと。親父を踏んだりけったり、親父が一言も返さなかった。でも、あの日、酷い息子が饅頭を見て、床に捨てて、足で踏む。それを見た親父が別のものになった。あたい達の幸せを踏んでいた息子にかかって、殴ろうとしていたけど、床に落とされて一瞬で切られる。あたいが一言しか言われてない。泣くな、ガキ。と言って、出ていった」

五郎兵衛がどんどん酔っぱらっているお龍を止めようとすると、お龍がまた一気にいっぱい飲んでから、続く。

お龍:「一人になった自分、何が出来る?あの時まで仲良くしてくれた親戚に訪ねてみても、追い出されました。運がなかった二人から生まれて、あたいも不幸が持ってくるんじゃないと言われました。あの日、僕が女の心を捨てた。女って、これなの?亭主なんて、要りません。1人で自分を育てて、今まで誰一人も必要なかった。あたいの側に、誰一人もいなかった」

ずっと言葉を吐き出したお龍が頭をあげて、びっくりする。

お龍:「親分、泣いている?」

五郎兵衛:「ああ、泣いているよ。龍、男でも女でも、お前が生きた人生が誰も生きるべきではない。おまえの胸に深い傷が出来たが、良く覚えとけ。男が皆一緒じゃない。お前がもう一人じゃない。俺も、兄貴も、鉄、金、皆おまえを守る家族だ。これからも、俺らがついているんだ。」

お龍が下を向いて、すこし微笑む。

お龍:「そうだね。僕がもう一人じゃないんだ」

完全に酔っぱらって、ゆらゆら立つ。

お龍:「ようううっしゃ、元気なったぞ、元気だ!」

そう言って、下に落ちる。お龍が大きい声で笑って、五郎兵衛が近づく。お龍が笑いながら頭を上げる。五郎兵衛の顔が近い。右手を上げて、五郎兵衛の傷を触る。お龍が五郎兵衛の手を取って、自分の胸の上に置く。

お龍(囁く):「二人に燃やす、たった一つの傷」

五郎兵衛がお龍を抱きしめる。

お龍(小さい声で):「、、あなた、、」。幕が閉まる。

 

 

 

Scene ⑤

 

翌日はお龍が困り顔で掃除している。あくびしながら鉄と金が入ります。

鉄:「お、龍、おはよう。もう起きているか?」

お龍:「うん。兄貴の先に起きないと」

鉄:「いいな、この弟分!でも顔色が悪いぞ。寝てないか?」

お龍(恥ずかしい顔で):「あ、、い、いいえ、、なんか、良く寝られなくて、、」

鉄が金をみる。

鉄:「なんか様子が可笑しい、、まあ、僕らが藤兵衛親分のお手伝いに行くんだ。うちの親分についてよ」

お龍:「へ、へい、、」

鉄と金が出かけて、お龍が下手に向いて掃除を続く。上手から五郎兵衛が出て、お龍を呼ぶ。お龍が振り向いて、真面目な顔で五郎兵衛と話す。

お龍:「へい」

五郎兵衛:「今朝起きたらもういなかったから、逃げていると分かったが。ちょっと俺の話を聞いてほしい。龍、今夜があった事俺の責任だ。お前に尊敬してなかったか遊んだか一切ない。もう明日でも祝言あげて、、」

お龍は振り向いて五郎兵衛の話を止める。

お龍(嘘の笑顔で):「親分、今のは何の話?祝言、責任、、親分と子分の間に無い事。昨日あった事って、何ですか?お酒を飲み過ぎて、悪い夢をみたじゃないですか?僕がもう昨日あった事を覚えちゃいない。全部忘れましょう。藤兵衛親分が直ぐ来ますので、支度の準備をします。」

お龍は急ぎで出ようとするが五郎兵衛がお龍を腕で止めて、真面目な顔で話す。

五郎兵衛:「親分、子分、、知らないと言っても、俺が男だ。俺の男心と遊ぶつもり?」

お互いにじっと目にみる。藤兵衛が入る。

藤兵衛:「五郎兵衛、まだ準備出来てないか?」

五郎兵衛(困った顔で):「兄貴」

お龍:「親分、おはようございます」

藤兵衛:「龍、久しぶりです。立派な子分になったじゃない?」

お龍(笑いながら)「いええ、まだ未熟なもんで御座います」

藤兵衛:「五郎兵衛もキットお前の男心に惚れた。ね、五郎兵衛。女なら、もう俺の妻にしたかったな」

五郎兵衛(照れて):「兄貴!」

お龍(笑いながら):「女なら、喜んでお勤めしたかったが、残念ながら男生まれで、、失礼します」

お龍が微妙な笑顔で出る。

藤兵衛:「本当に面白いやつだ。最近ドスもふれるようになったと聞いた。五郎兵衛、気をつけなさい」

五郎兵衛(小さい声で):「もう遅い」

藤兵衛(びっくり顔で):「どういう事?」

幕が閉める。

 

 

 

Scene ⑥

 

幕が開ける、また一家の中。鉄と金が話している。

鉄:「ね、最近龍が可笑しいと思わない?」

金:「どういう意味?」

鉄:「顔色が悪い、あまり食べない、、それでね、この前外を見て、ぼーっとしながら、泣いていたの!」

金:「まあ、兄貴、男と言っても結局女だぜ。女ってこんなもんでしょう?」

後ろから静かにお龍が来る。

鉄:「いいよ、もうやめろ」

金:「いやいや兄貴、俺も龍が好きだけど、女がいつもそうだよ。笑ったり泣いたり、いちいちうるせえし、ごちゃごちゃするよ。龍も格好いいけどいつも口挟むし、兄貴の癖に言われるじゃない、全く鬼みたい」

鉄:「まあ、でも、、」

金:「鬼だよ、鬼」

振りむいて、お龍が苦笑いで彼を見て、鬼ポーズをして、化け物の声で叫ぶ。

金(びっくりして、叫ぶ):「あ、龍!違う!龍じゃない、他の女、他の女の話」

お龍(笑いながら):「いいえ、兄貴。確かに、兄貴が言う通り女がうるさいんだよ。だが、裏で自分の弟分の悪口を言う兄貴よりよっぽどましじゃない?」

鉄が笑って、金が恥ずかしくなる。

金(可愛く):「ごめんね」

鉄:「じゃ、俺らが行く。もうそろそろ親分も出かけると思う」

鉄と金が戸から出る。お龍が出た金の肩を触って、彼が振り向いたら鬼ポーズと声で怖がらせる。皆笑って、お龍が笑いながら振り向いて、五郎兵衛を見るから真面目になる。

五郎兵衛(ムカついて):「どうした?俺の顔を見たら笑顔が消えるみたい」

お龍(困って):「いええ」

五郎兵衛:「俺が行く。留守頼む。」

お龍:「へい」

五郎兵衛が出かけようとして、振り向いてお龍を見る。

五郎兵衛:「龍、大丈夫か?顔色が悪い」

お龍(恥ずかしい笑顔で):「いいえ、大丈夫だよ、本当に」

五郎兵衛がお龍を目にみて、笑顔する。お互いにじっと無言で見合わせる。気がついて、二人とも照れて、困り顔する。

五郎兵衛:「行く」

五郎兵衛出て、お龍が顔を手に入れる。親分が一家にドスを忘れたと気がつく瞬間に、葛藤がくる。

お龍(つめたい顔):「親部が今いないので、日にち改めてきてやっておくんなさい」

戸を閉めようとするが、葛藤がドスで明けて、一家に入る。

葛藤:「おい、お前。俺の事が忘れたか?お前に気になって調べたんだ。お前お花の娘?お前のおっかがバカだったな。何でもあげようとしても、あの貧乏な漁師でいいって。最後に海に飛んで、なんてばかな女。でもお前!男のふりしても、お花にそっくりなんだ。変わりに遊ばしてもらうぞ。」

お龍(怒りが燃やす):「僕はおっかのように型気じゃね。僕もヤクザだぜ。喧嘩屋五郎兵衛一家の龍五郎だ。喧嘩探すなら、いつでもかかってこい!」

葛藤(酷い笑いで):「おもしれ、、今日はたっぷり楽しむぜ」

お龍は五郎兵衛が置いたドスで葛藤に向くが彼が腕を締める。お龍が腕を握っている葛藤の腕を血が出るまで噛む。葛藤が叫んで、お龍を叩いて、床に押して着物を開けようとする。その瞬間に五郎兵衛が帰って、葛藤を引っ張って、何度も彼を殴る。藤兵衛と若衆が帰ってきて、藤兵衛が五郎兵衛を止める。

葛藤:「おい、五郎兵衛。何のまねだ。こいつをみろう。あの女が俺の腕を噛んだんだ。」

五郎兵衛が床に振りながら泣いているお龍を見る。

五郎兵衛(叫ぶ):「お前をぶっころす」

藤兵衛:「五郎兵衛、これは喧嘩だ。お前、今日の暮れ六つ、泪橋に来い。」

葛藤:「上等だ。お前の終わりだ、五郎兵衛」

葛藤が出る。五郎兵衛が追っかけようとするが自分で止まって、お龍を優しい目で見て、手で触ろうとしたらお龍が大きい声で叫ぶ。

お龍:「嫌だ、嫌だ!!だから男嫌い、皆大嫌い。女で生まれてなぜ、なぜだ?嫌い、嫌い、嫌だ!!女って何、男の餌か?嫌だ嫌だ、、」

藤兵衛がしっかりした声でお龍に説教する。

藤兵衛:「龍!やめなさい。女心を捨てたと言ったのはお前じゃないか?男ならしっかりしなさい」

お龍に近づいて、優しく頭を撫でる。

藤兵衛:「男が皆悪党じゃない。俺も、五郎兵衛もお前の事が大事な子だと思っている。これを覚えておきなさい。どんな酷い目にあっても、男が胸が張って頭をあげる。人生の黒が胸の中に占めて男の道に歩いていく。」

お龍がびっくりして、落ち着いて、涙をふく。

お龍:「へい」

鉄と金もお龍に近づいて、肩に手を置く。

鉄「僕らがいるんだ」

五郎兵衛:「皆、聞いていた通り喧嘩だ。支度しろ。」

若衆:「へい」

五郎兵衛:「龍、お前がここに残る」

お龍:「いやだ!僕も行く!あいつはおっかの仇だ!」

五郎兵衛(怒):「だからお前が冷静じゃない。喧嘩まだ出たことないし、邪魔だ」

お龍:「親分!」

五郎兵衛:「俺の決まりだ。お前がここにいる」

お龍:「へい」

五郎兵衛:「行くぞ」

皆が戸から出るが五郎兵衛がもう一度入って、びっくりしているお龍を真面目な顔で見る。

五郎兵衛:「おまえが女心を捨てたかもしれないが、俺が男心を捨ててない。この喧嘩に命をかける。自分の可愛い子分の仇、惚れた女の仇もとる」

顔の傷を叩く(胸の代わりに)。親分が外出て、お龍が戸に近づく。戸の外から親分がお龍を愛しく見る。

五郎兵衛(笑顔):「おまえを愛したその夜から、この命がおまえのものだから」

五郎兵衛が戸を閉めて、外から戸を握る。お龍が中から戸を握る。二人とも苦しい顔。

五郎兵衛:「皆、行くんだ」

若衆:「へい」

お龍:「、、五郎兵衛、、」

お龍が戸から離れて上手に入ろうとするけど、また戸に向いて、顔を上げる。

お龍:「お母さん、どうすればいいの?貴方の仇を打ちたい、惚れた男の側にいたい」

下に向いて、お腹を触る。

お龍:「この子も守りたい。ごめんね。お父さんもお母さんも、頭が固いんだ。だから惚れた。(どんどん覚悟出来る)君を守って、お父さんの帰りを待ちたいが、僕がヤクザの女房じゃない。親分をこの手で守りたい。僕も行くんだ!」

お龍が中に入って、白い着物とドスを持ってくる。着替えて、喧嘩の支度する。手紙を手に握って、胸に占める。ドスを手に持つ。

お龍:「親分、僕が行くまで死ぬんじゃないぞ!」

ドスを差して、幕が閉まる。

 

 

 

Scene⑦

 

幕明けたら、もう喧嘩中。上手に五郎兵衛一家、下手に荒山一家。

葛藤:「よく来た五郎兵衛。お前みたいな腐った男が逃げるかと思った」

五郎兵衛:「相変わらずうるさいやつだ。黙ってかかってこい。」

喧嘩して、悪党の負け。葛藤と五郎兵衛しか残らない。

葛藤:「どうした、五郎兵衛?あの女が好きか?分かった、あの女をお前も抱きたいか?」

五郎兵衛が一瞬迷って、葛藤に軽く切られる。葛藤がまた五郎兵衛を切ろうとしているが後ろからお龍が出て、葛藤を切る。

お龍(叫ぶ):「親分!」

五郎兵衛が葛藤を殺す。

五郎兵衛:「なんで来たんだ」

お龍(微笑んで):「貴方程頭固いから」

五郎兵衛も微笑む、お龍が右腕を五郎兵衛へ伸ばしたら後ろから荒山一家の若衆に切られる。五郎兵衛がお龍の腕を引っ張って、悪党を殺す。お龍が五郎兵衛の腕に落ちる。二人が床にいて、皆が集まる。

お龍(苦しい笑顔で):「、、こんなほしかったのに、、」

五郎兵衛(パニックで):「早く医者呼んでこい、誰か呼びなさい」

お龍(優しく):「聞いて。もう遅いんだ。女心がこんなもんを知っているんだ。やっとお母さんの仇を打てた。ありがとう。今お母さんがキット成仏出来ている。私も行って、一緒に皆を守っていく。二つだけお願いがある。」

五郎兵衛(苦しい):「何?」

お龍:「この手紙をもって。私の墓に龍と花を彫って欲しい。出来たら、その墓にこの手紙を読んで欲しい。」

五郎兵衛:「分かった」

お龍:「あたいが嘘をついた。あたいの名はおりゅうじゃない。おたつで生まれたんだ。でも、あの夜はおたつを捨てて、おりゅうとして生まれ変わった。貴方の腕にしめられたあの夜まで。抱きしめられるって、初めてだった。女もそんな悪くないですね?愛されたら、幸せがキットくる。だが、その前に自分を愛さないと誰にも愛されない。自分を殺したつもりでしたが、貴方が死んだ自分まで愛した。これはあたいの二つ目のお願い。」

お龍がドスを外して、強く話す。

お龍:「女として、嫌、喧嘩屋五郎兵衛の愛女房として、たった一つの愛しい亭主の腕に死なせておくれ」

五郎兵衛(涙流して、彼女を抱きしめる):「龍、、いや、おたつ、、俺の恋しい女房だ!」

お龍が幸せで楽に微笑む。

お龍:「ああ、幸せだ。あたいが今、日の本一の幸せな女だ」

お龍が五郎兵衛の傷を優しく撫でる。

お龍:「あたいの傷が治りました。ありがとう。」

五郎兵衛の唇に近づこうとすると、お龍が死ぬ。若衆が泣く。五郎兵衛がお龍を抱きしめて小さい声で呼ぶ。

五郎兵衛:「、、おたつ、、」

幕が閉まる。

 

 

 

Scene ⑧

 

幕が開いて、墓がある。下手から五郎兵衛と藤兵衛が出る。藤兵衛が墓の前に手を合わせて、笑顔する。

藤兵衛:「おたつさん、、いや、龍、、良い子分でした。最後まで偉い度胸を見せてくれた。迷わず成仏して、五郎兵衛を守っておくんなさい。五郎兵衛、先に行く。今夜は二人でお酒飲みましょう。」

五郎兵衛:「うん」

藤兵衛は悔しい顔で入る。五郎兵衛が手紙を出して、ゆっくり読む。

お龍の手紙:「おまえさん、、いつか私もこの言葉を使えるかな?いつか貴方の腕に抱きしめられ、あたいの本当の気持ちを言えるかな?今まで黙っていた事がさんざんあるけど、この手紙に任せてもいいかい?夢を見えない女の自分、生き延びる為にずっと一人で頑張ったが汚いまねもせず、心も体も一切売っていません。男の世界に生きる一人女、お母さんのさだめに落ちないように、もう自分を守れないと思ったらずっと逃げていた。いろんな町に流れてきて、もう疲れたと思ったその時にこの町までやってきて、貴方の話を聞きました。堅気を守る親分、一人男として生きていて、町を守る偉い親分さん。怖いつらの人だと聞いたが、何度も見かけて、一切怖くなかった。あたいの心のようだと思って、ずっと優しくなでてあげたかった。この人が生きるなら、あたいも味方が出来るとずっと思いました。出会えたその日、覚えてますか?目が合わせられなかったが、すれ違った瞬間に体に雷が通ったようでした。その時初めて生きている女だとはっきり思いました。だが、勘違いしないで。貴方の切ない目に惚れて、男についていくと貴方しかいないと覚悟出来ていたから一家に来た。これも、人目ぼれと言いますか?毎日側について、貴方の輝いている心を見て、また女心の味を知った。苦くて切ない、甘くて苦しいものだね。あの夜、お酒飲んだ時、酔っぱらっていたのはあたいの心でした。もう演じられない、もう隠せられないと、惚れた男の腕に女の人生の味まで知りたかった。あたいが女に戻りました。本当の女は男の人生の柱だとお母さんに教えられた事。だから、貴方に助けられるより、あたいが貴方のドスになりたい。なれたその日に、言えなかった時の分まで愛していく。でも、もう長く待てません。あたいのお腹の中に貴方の子供がいるから。女だけではない。あたいがお母さんまでになれる。貴方と出会えて、本当の自分になりました。ありがとう、五郎兵衛。死んで生まれ変わっても、世の終わりまで、ずっと貴方のものだ。おたつ。」

五郎兵衛が悔しく膝にかけて、泣く。音楽が聞こえる。墓の後ろから赤ちゃんを抱いている笑顔のお龍が出て、墓に背中を向く(上手向き)。右に頭を回って、五郎兵衛を見て、笑顔で「あなた」という。言った瞬間に五郎兵衛が「おたつ!!!」と叫ぶ。微笑みながらおたつが赤ちゃんの顔を幸せそうに見つめる。幕が閉まる。