昨日、おとといと、二日間にわたって、
息子が通う京田辺シュタイナー学校の卒業プロジェクト発表でした。
ちょうど、この学校ができた年に1年生で入学した彼らの卒プロ。
12年間をシュタイナー学校で過ごしたのは、
全国でも彼らが初なのかな?
卒プロは、12年生が、11年生の中盤頃からそれぞれにテーマを決めて
1年半かけて、学びを深めていきます。
木工、彫塑、絵画、ダンス、歌、楽器、書道などの芸術分野もあれば、
動物保護、環境、社会情勢、世界の人々とかかわること、などや、
料理や小説、飛行機づくり、ファッション、文学など、
本当にさまざまなジャンルのテーマとなります。
それぞれに、研究、製作を進める中で、
チューターの教師に、
なぜそれをやるのか?何を伝えたいのか?
自分にとって何の意味があるのか?
自己満足で人には伝わらないのではないか?
など、いろんな厳しい問いかけを受けながら、
ときには投げ出したり、焦ったり、学校を辞めたくなったりしながら
進めてきた自分の内面の変化、気づきなどとともに、
最終的に保護者や高等部生徒全員と教員全員が見守る中、
舞台に立って20分間の発表をします。
昨日もホールは満員で、200人以上の人が見守る中、
本当にみんな堂々たる姿で、発表をしてくれました。
テーマを決める難しさ、
本当にこれが自分のしたいことなのか、という迷い、
始めてみて生まれる内的葛藤と、うまく進まない事への焦り。
苦しい中での気づき。
はじめて、卒プロ発表を見せてもらった時、
私が18歳の頃、こんなに物事を深く考えただろうか?
というくらいの衝撃を受けました。
今年は息子の学年だったわけですが、
息子のテーマは「旅」
ただ楽しかっただけで終わらないように、と釘を刺しつつ、
でも、一切、私は協力しませんでした。
旅に出るにはお金がいる。
だからお金出して、っていうのは甘い!という話もして、
お金は、お年玉を使わずにためておいて、
アルバイトで頂いたお金もためて、お小遣いもつぎ込んで、
すべての費用を自分で出して、彼は旅に出ていました。
アルバイトと言っても、彼は、普通のバイトはできないので、
(お金の計算が難しく、少し人とは違う注意が必要な人なので雇う側の理解が不可欠)
月に1回だけお仕事させてくださっているパン屋さんでいただくお金だけです。
それで、夜行バスの手配から、路線図と地図と時刻表の突合せ、
ユースホステルの手配まで、色々、頼ってきても、
私は「自分で聞きなさい、調べなさい」の一点張りでいました。
気が付けば、彼は、私に本当に頼ることがなくなりました。
その前は、もう小さい子どもみたいに、
「おかあさん!お母さん!」というのが、何を話すときも、枕詞のようにくっついてた
息子が、言わなくなっていました。
そして、昨日の発表では、どういう配慮かわかりませんが、
息子がクラスでいちばん最後でした。
ちゃんと話せるんだろうか、
声は出るだろうか、
まったく予測できない中、
他のクラスメートの、本当に立派な発表が続きました。
でも!
息子の発表は、彼をずっと見守ってきてくれた先生方や保護者の皆さん、
応援に来てくれたOBOGたちの温かい空気の中、
最初から最後まで、大笑いの渦となりました。
のっけから、「この1年半の経緯」とプロジェクターに出ているのを読み上げるのに、
「この1万年半の、、、」とか言うんですもん。
彼の持つ、キャラクターがそうさせたのだと思います。
ねらった笑いではなく、まあいえば、天然な彼の動き、言葉、内容から
大笑いしてしまうのでした。
私は、「立派になったね!」と不器用な彼のスピーチを涙して聞くんだと思って、
ハンカチを用意していたのに、
わらって笑って、本当に大笑いして終わりました。
皆が笑顔でした。
泣き笑いの人もいました。
彼もとても満足そうな顔をしていました。
こんな姿を誰も想像できなかったと思います。
本が読めるようになるのか?
ちゃんと学ぶことができるのか?
というくらいの幼少期でした。
でも、彼はもう、私がいなくても大丈夫。
たとえ家族がいなくても生きて行ける。
だって人類みな家族なんです。彼にとっては。
人間だれもが生きている限り抱えるであろ「受容」という課題を
彼は、自分のハンディも受け入れ、それを笑いに変えることができ、
人を温かい気持ちにさせて受け入れてもらう、ということができる、
私にはないし、心の底から欲しいと思う「能力」を持っている。
動物の本能に近いくらい、彼にとっては
当たり前のこととして。
そんな彼を本当に誇りに思います。
私の子どもとして生まれてくれて幸せです。
かつては、「なんで私のところに来たの?」と
怒りに近い思いを抱いていた私でした。
私には無理!よう育てん!と。。。
でも、ここまできたよ~~~。
あとは、彼が彼らしさを発揮して、
どこで自分の糧を得ることができるようになるのか、
見守るのみです。
でも、きっと、彼は自分の居場所を見つけ出すでしょう。
そう確信しています。
たくさんの、彼を応援し支え愛してくださった皆様に、
本当に心の底から、感謝しています。
ありがとうございます。