苦節1年。

ようやく、実家から出て行くことができる。

ああー、長かった。


でもこれで、両親は私の監視がなくなって

心置きなく飲むことだろう。

家中に缶ビールの空き缶や日本酒のワンカップの空き瓶が

ごろごろ転がっているのを、誰が片付けるんだろう。


私は、両親を見捨てて出て行くんだ。

この家のルールなんて変えられなくてもいい、

私はただ幸せになりたい。

しばらく、パスワードを忘れていて入れなかった。

状況は全然変わっていない。

相変わらず飲み続ける両親と、

出て行くといいながら出て行かれない私。

このままなのか?

私は、状況をがらりと変えてくれる王子様を待っている。


ありえないよなあ・・・

引越しの話も、

案の定 反発されてなかなか進まない。

まだ母にしか言っていないし、父はもっと嫌がるかも。

最近できた恋人のせいにされるかな・・・

ますます飲んだくれる両親の姿が目に見えるようだ。

つらいけど、私も幸せになりたい。

引越しのためアパートを探し始めた。

なかなか・・・高いなあ。

実家暮らしで、家賃も食費も払っていなかったから、

急にそれを出すのはきついものがある。

でも、しょうがないな。

一人でも快適に暮らせる家が欲しい。

もう、ガマンするのはやめた。

アル中の両親のもとで、がまんしながらストレスをためて生きていくのはよそうと思う。


私は近々引っ越す。

とてもじゃないが、もう、私の健康によくない。


帰ってきて、酒ビンを片付けるのも、

自分のご飯を作る前に台所を片付けるのも、

暇な時間は片付けにだけ当てられるのも、

もう、よそうと思う。


さ、引っ越そう。

仕方ないといっても仕方ないけど、

うちに遅く帰ってきて、

自分のごはんを作りたいとき、

まず、家の人が食べ散らかして作って汚した台所を片付けて、

キレイにしてからでないと私のごはんが作り始められない。

仕方ない、片付ける。


どうにかならないか、と思う。

出て行きたい、とも思う。

くたくたに疲れて、ごはんも食べずに帰ってきたら、

家の中がグチャグチャに汚れていた。

自分がお腹がすいているのに台所は汚くて使えず、

しかも他人の食べ散らかしたお皿がまだ散乱している。


ああ・・・疲れているのに人の皿洗いなんてしたくない。


普段は私が食事のあとの皿洗いをするのだけど、

帰りが遅かったら何もしてない。

とりあえずスペースだけ確保してごはんを作って食べて、寝てしまった。

母には「台所にハエがわいてるよ」と言っただけ。

こんなの、直らないのだ。

で・・・ここはナチのガス室なのか?と思う。

帰ってきたら、家中が床に転がって倒れている。

もちろん、酔っ払っているのだけど・・・

瓦斯室



深夜、階下に下りてみると、ほとんど毎日、父が床に転がってグースカ寝ている。

困った人だよ、と、尻を叩いて文字通りたたき起こし、布団に連れて行く。

トイレでも、風呂の中でも、眠ってしまうので夜は目が離せない。


父親の威厳なんてすでになく、

医者という職業がないただのおじさんだったなら、

私は父を尊敬することはもうできなくなっているはずだ。


そこまで自分を狂わせる酒を、なぜ飲み続けるのか。

その醜態を見続けている私まで、お酒をやめられない。


さて、そろそろ見に行くかな。

仕事を終えて帰宅したら、夕ごはんがあった。

ラッキョウの漬物、きゅうりの切ったの、冷やっこ、トマト、ドライナッツ。

ううむ、これ全部5分でできるんでは。

切っただけと開けただけではないか。


仕方ないので、野菜を少し刻んで炒めて、

ズッキーニを焼いた。


母が何もしなかったのは、一杯飲んで酔っ払っていたからだった。

そうは見せない、頑張って隠そうとしているのが痛々しく、

それでも食事のしたくも出来ないほど酔っているのでまともなものは出てこない。


これでも、母はだいぶマシになった方だ。

食事のあとはちゃんと布団で寝るし、片づけをしなくても自分の面倒は見られる。


以前は、毎日毎晩べろべろに酔っ払って、それでも夕食をどうにかつくって、

食卓につくとすっかり目も据わりあやふやなことを話しながら、

それでも酔っていないふりをしながら前後にグラグラ揺れて、

味も分からなくなるほどすべてのお皿の料理をまぜまぜしてしまって、

最後には食事の中に顔から突っ伏して眠りこけていた。

髪の毛についた味噌をふいてやりながらも、

子供だった私は、その姿に嫌悪して、家を出る決心をしたものだった。


泣いて、酒やめろと子供が言ったって、アル中の親はやめたりしない。

私も、「こころの電話」にかけても何の手がかりも得られず、あっさり自分が逃げた。


大人になってこの家に戻ってきたら、

状況はほとんど変わっていなかったけれど、

身体がついていかない分 母のお酒は少し減っている。

父は変わらないけどね。