うちにはお酒を置いておくといつのまにかなくなってしまう。
分かっているから、なるべく置かないんだけど、
この間からいただいた乾燥マタタビを焼酎漬けにしていた。
またたびって、「また、旅に出られる」という由来があるらしく、
疲れが取れるそうだ。
焼酎漬けもほんのり赤い色がついて、とてもキレイだ。
物置で熟成させていたマタタビ酒が、
日に日に減っていくのは分かっていたけど、
仕方ないなと思ってみていた。
だいたい、うちは漬物用のホワイトリカーも料理酒も、
放っておくとそのうちなくなっているのだ。
マタタビ酒くらいすぐになくなる。
でも、昨日の晩は瓶ごとなくなっていたので、さすがに怒った。
「おかーさん、マタタビ酒どこに持っていったの?」(母としか考えられない)、
「あ、別のところに。」
「別のところってどこよ。」
「今必要なの?」
「必要って、、、、あれ私のだけど。返してよ。」
「じゃ、あとで」
そう言ったまま動かない。
「ずーっと待ってるんですけど、いつ返してくれるの」
「あれ、人にあげようと思ってたんだよ。」
責めたら、いつの間にか自分の部屋に閉じこもって寝てしまった。
人にあげるつもりはなかったけど、そういう嘘をついてみる。
母もそれが嘘だと分かっているはずだ、
そして二人とも嘘をつきあう。
朝起きたら、もとあった場所にもどしてあった。
量も増えている。
またやられたなあ、
自分で飲んだ分を後から足してしまうのだ。
だから、うちの梅酒はおいしくない。
それでも、私は母を責めない。
そうやって、私のうちは流れてきたのだ。