副人格シリーズ
と、いうことで、これまで、
私たちの中には様々な声があり、
それぞれに特徴があるということを
お伝えしてきました。
今日からその個々のキャラクターについて
知性のキャラクターからお話していこうと思います。
今日は知性キャラの筆頭、裁判官さんについて、おはなしします。
裁判官というのは私たちのこころの声の中で
最も心に残る声を発するキャラクターの一人です。
これまで、私の扱ってきてたクライアントさんの中に
このキャラクターが存在しなかった人はいないと言っていいくらい
男女を問わず、誰の中にも存在します。
人によっては、まさにイメージの中で黒いローブをきて
いわゆる”裁判官”の姿で現れることもあります。
比較的、男性の声で現れる場合が多いですが、
その限りではありません。
裁判官は、多くの場合、上から目線ではなし、
断定的に、
”お前は~だ!!”
”お前は~すべきだ!!”
といった口調で話します。
冒険を嫌い、狭い、限定的な選択肢の中に
本人を留めおこうとする傾向があります。
いつも
正しい/正しくない
白/黒
yes/no
などをはっきりさせようとするキャラクター
でもあります。
裁判官の長所は
常に論評的で、倫理、道徳的
方向性を示すことができ、現実的な
バランス感覚があるということです。
逆に短所は
法(ルール)に従わないことにたいして侮辱的で、
感情は関係なしに、ルールに乗っ取ることを
最も重要と考えるところ。
そのような意味で感情を重視することに偏見があり、
グレーゾーンや曖昧な解決を許さないところがあります。
どんな声として現れやすいかと言えば
ネガティブサイドでは
”そんなことは間違っている!!”
”それで正しいことができると思っているのか?”
”いったい何を考えているんだ!!馬鹿げている”
”まっとうな大人なら、当然~すべき”
ポジティブサイドでは
”間違っていることが証明されるまではあなたの言っていることが正しい”
など。
私たちがなにかを決めようとするとき、行動や癖を変えようとするとき、
このような声が聞こえてきませんか?
裁判官を、問題を解決する過程でどのように扱っていくか、
長所を生かしたどのような役割を与えれば、うまく私たちの
こころのざわざわをおさめられるでしょうか。
裁判官は中立の立場で証拠に基づいて
物事を判断することができ、きちんと規律や
決まったことを履行し、管理監督する能力、
秀でたバランス感覚があります。
そこで、裁判官には、新しい意思決定を実行に移すにあたって、
新しいルールがちゃんと実行されているかの管理監督
をしてもらうことで、自分の目的に向かっていくのをサポート
してもらうことができます。
他にも、仲裁者や、伝達者などの役割をになってもらうことが出来ます。
この裁判官というキャラクターは誇り高い性格である
事がほとんどですから、私たちセラピストも、彼らに
話しかけるときは、敬語で、相手を立てるような話し方、
敬意をもって接しているということを表すような
態度を心がけます。
新しい役割についても、誇り高い裁判官が、誇りをもってこなせる
仕事を割り当ててあげる必要があります。
裁判官は、感情に流されて物事の判断をしません。
彼らの心を動かすには
”証拠”
が必要です。
実際のセッションの中では、クライアントさんの主張を
理解させるために、ほかの副人格の証言や、裁判官が
疑いを持っていることに関わる本人の記憶をたどって提示
することで、説得していきます。
なんだか訳がわからなくなってきましたか?
まずはキャラクターの特徴をつかめれば十分です。
次回はグル、教祖、求道者、司祭といった類の
キャラクターについてお話します。