『Brain NEO』

序章

2045年3月10日 14時58分 

NEO東京、新宿御苑にあるBank of JANBO 新宿御苑支店に、黒い目出し帽で、全身黒ずくめの男3人組が銀行に入って来た。

男たちは、何度も練習をしてきたかのように、それぞれの位置に付き、手にしたピストルを、1発づつ天井に向け発射、「動くな!言う事を聞けば、手荒な事はしない。」

男たちは、特に行員、守衛の行動に、注意を払いながら言った。

「カウンターの外の人は、ここに集まり、うつ伏せになってください。中の人は手が見えるように手を上げて、カウンターから出てください。」
「さっきも言いましたが、手荒なまねはしたくないので、静かに、言う事を聞いてください。」
「変な事をすれば、それだけ時間がかかるたけですから。」
「守衛さん、シャッターを下ろしてください、」
声を荒げる事もなく、静かに言い続けていた。

カウンターから出てきた行員も、うつ伏せにし、男の一人は、行員の女性を連れ、奥の金庫に消えた。

黒いリュック3つにお金を詰めさせ、「しばらく、動かないてください。すぐに、我々は消えますから。」と言いながら、非常口から出て行った。

わずか11分、15時9分、男たちは消えた。

守衛は、男を追い、行員は非常ベルを鳴らし、お客は、電話をかけている。

急に行内は騒がしくなった。

不思議な事に、男たちを追った守衛は、男たちを見失っていた。

非常口から出た男たちは、忽然と大衆にまぎれ消えた。

10分もすると、けたたましいサイレンと共に、パトカーがやって来た。