警視庁の科学捜査班でも、今回の事件の 全容解明には糸口が少な過ぎた。
犯人の遺留品が、天井に打ち込まれた弾丸と、薬莢、その他、指紋はおろか、毛髪の一本も見つかっていなかった。
また、目撃証言、ビデオ画像共、様々な検証が加えられたが、犯人像の特定には至らなかった。
さらに、6件の犯行を見事にやってのけたにもかかわらず、次の犯行が2ヶ月経過しても行われず、捜査本部としては、当てが外れていた。
捜査本部では、必ず犯人は次の犯行を計画しており、2週間以内には、実行に移すと踏んでいたのだ。
そのため、捜査員の増援と共に、都内の銀行に、目を配らせていたのだ。
田所は吠えていた。
「いったい、どうなってやがんだ!」
「警察を、おちょくってやがんのか⁉︎」
この反応も、どうしたものか、次の犯行が行なわれなかった場合、犯人に近付く証拠が全くないため、次の犯行を待っている節がありありなのだ。