リアル ジャズ スピリッツreal jazz spirits -7ページ目

仲野麻紀⑭

一年ぶりの麻紀は美しさに磨きがかかったなぁ。しかも内面から発せられるオーラがあって、ちょっとビビッた。いわゆる「目ヂカラ」も出た。急速にサナギは蝶になりつつある。麻紀は着実にホンモノになっていく。麻紀の成長ぶりを楽しみつつも卑しい俺は羨望、嫉妬を持つ。麻紀はジャズの子なのだ。俺とは出自が違うのだ。自分に言い聞かせるが、悔しさは拭い切れるものではない。同じサックス吹きだ。師事しているのも同じ林栄一さんだ。でも比較にならないくらいに麻紀は山頂目指して駆けあがっている。眩しい。麻紀の放つオーラが眩しい。

仲野麻紀⑬

今回初めて会ったギタリストのヤン・ピターは、外国人にしては小柄で華奢。しかしもの凄いイケメンだった。長髪とヒゲに隠れた瞳の美しいことと言ったらなかった。思わずボーっと見とれてしまった。微笑みをたたえて握手を求めてくる。しっかり握ると、まるで女性のような細い指でまた驚いた。ギターを弾くためにある指だ。ヤン、君に一目惚れしたのだよ。聞けば24歳だそうじゃねぇか。落ち着きぶりがやはりインプロビゼーションの修羅場をくぐっている猛者だ。どっちが年上かわかんねえ。まあその頃の俺はボーズ頭だったけどね。

仲野麻紀⑫

麻紀が再び、俺の故郷でliveをやってくれたのは昨年のことだ。また8月の終わり。今回もまたDuo。麻紀が選んだのは、フランス人ギタリストのヤン・ピターだった。麻紀には「今回はスタンダードをやってくれ」と、注文をつけた。この俺の愚かすぎる田舎者丸だしの願いを麻紀は快諾してくれた。俺が呼び屋の真似事をして、傲慢な態度をとったわけだ。我ながらなんという愚行だろうか。故郷の人間のケツを舐めるような敗北だ。しかし、俺のモクロミは見事に崩壊する。荒波にもまれたこのアーティスト二人が、俺のバカヅラを張り倒してくれたのだった。