注1.L:ラグランジアン、自由度が無限の連続体や場に適用します。
注2.添え字のint:interaction(相互作用)を表します。
注3.大文字のHとS:それぞれヒッグス場、ダークマター場を示します。
注4.Hの右上の記号†:ダガー²と読みます。これは複素共役(エルミート共役)という数学的、物理的な操作を表す記号です。ヒッグス場Hは複素数の性格を持つため、数式全体を現実の物理量(実数)にするために、自分自身とその相似形(H†)を掛け合わせ、(H†H)とする必要があります。
注5.結合定数λhsの求め方:これは理論から自動的に決まりません。「未知の定数」です。求めるには実験や観測しかなく、日本のKEKの大型加速器や欧州の大型ハドロン衝突加速器(LHC)などの実験で、ヒッグス粒子を大量に生成し、その寿命や崩壊パターンの違いを精密に測定し、計算値が宇宙におけるダークマターの総量(観測値)と一致するかどうかを計算することで、その値が決定されるか、あるいはその範囲が制限されます。
注6.Lmix = -m²hshsの-(マイナス)の意味:物理学(ラグランジアン)のルールで、位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)の項には、マイナスが割り当てられるという慣習があります。また、マイナスは、この項が「場が混ざり合うことによる質量・エネルギー」の項であることを表しています。
注7.
( m²h m²hs )
M²=
( m²hs m²s )
m²hはヒッグス場の質量、m²sはダークマター場の質量、斜めに配置されたm²hsが、二つの場を「混合状態」へと引き込む結合の強さになります。
注8.h1、h2:これから私たちに観測され、発見される、質量を持つ粒子を表します。ヒッグス場とダークマター場は、「混合状態」を起こし、混ざり合います。この結果、ヒッグス場とダークマター場の粒子は、本来の粒子の性質が混ざり合い、実際にこの宇宙に存在する二つの粒子h1(主にヒッグス寄り)と、h2(主にダークマター寄り)として、その存在が予測されます。
注9.λhs、m²hs:場の結合の強さです。
混合角θとの関係は、fの数式tan2θ=2m²hs/(m²s-m²h)で示されます。分子にある「場の結合の強さm²hs」が大きければ大きいほど、混合角θも大きくなり、二つの場は「混合」を生じることになります。
注10.混合行列の左下(2行1列)にある「-sinθ」は、行列を直交行列(回転行列)にするために、必須の符号です。
注11.e の「質量行列の対角化と混合行列の導出」式の補足説明
(m²h m²hs)(h)
Lmass=-1/2(h s) =-1/2Φ⊺M²Φ
(m²hs m²s )(s)
式にマイナス(-)をつけるのは、本式が質量・エネルギー式であることによります。注6を参照してください。また、各項で1/2を掛けているのは、本稿は、「ダークマター場を、物理学で標準的なスカラー場(スピン0の場)」と仮定しているため、スカラー場(複素数ではない実数の場)を扱うときの世界共通の約束事です。
注12.e の「質量行列対角化と混合行列の導出」式の追加補足
式:-1/2Φ⊺M²Φ の添え字 ⊺ の説明
読み方:「転置(てんち)」、英語ではTransposeです。
意味 a.行列の「行(横)と列(縦)を入れ替える数学の操作です。
(h)
b.ベクトルΦ=
(s)
は、縦長ですがΦ⊺と添え字することで、(h s)という横ベクトルに変化させます。「横ベクトル×行列×縦ベク
トル」の順に掛けることで、一つの数式を作ります。
c.混合行列Uの添え字⊺も、Uの行と列を入れ替えた行列(配置行列)という意味です。直交行列には、「転置する と逆行列(逆向きの回転)になるという性質があるため、対角化の式(U⊺M²U)で使われます。
注13.(U⊺M²U)12 の添え字「12」は、行列の「1行目の2列目」という位置を示す添え字です。2行2列の正方行列は、以下のように4つの部屋(成分)を持ちます。
(1行1列 1行2列)
(2行1列 2行2列)
この行列で、(U⊺M²U)12とは、計算して出来上がった行列の「1行2列」の数式を取り出すという意味です。読み方は「いち、に」です。
注14.本稿は、ダークマターを「一つの質量」「一つの素粒子」として考察しています。ダークマターが、質量1、質量2、あるいは、それ以上を持つことは、まだ分かりません。本稿が展開した波動方程式:tan2θ=2m²hs/(m²s-m²h) と、式から導かれる二つの場の「混合状態」と、ヒッグス粒子h1、ダークマター粒子h2の存在の予見は、ダークマターが幾つかの素粒子と質量で構成されているにしても、変わるものではありません。