1.虚数(imaginary number) i の虚数とは、人を躓(つまず)かせる訳語です。日本語で「虚」と言いますと、無より更に何もないマイナスの「虚」の世界が定着しています。しかし、仏教語では「虚空」と言いますと、無限の知恵の広がりをもつ空間とも理解されます。

 

2.数学でiは、複素数として表現されます。式は、z=x+iyです。これは、数学者でもあり、物理学者でもあり、天文学者でもあったカール・フリードリッヒ・ガウスが唱えたようなのですが、彼は、iをx軸とy軸で構成される平面上の点として扱いました。つまり、2次元の点です。(x、y)が実数であれば、平面上の点は、私たちが知っているように、xとyの交点で定まります。しかし、複素数ではyは係数iを持ちます。つまり、この平面はiの2次元平面となるのです。この平面に空間軸のzを追加すると、iの3次元空間となり、私たちの生活する3次元空間と重なります。と言うより、iを私たちの3次元空間は含んでいると言って良いと思います。

 

3.この係数iを持つ3次元空間を、アインシュタインが特殊相対性理論において思考実験を行った、剛体であるX・Y・Z軸に重ねてみましょう。重なります。アインシュタインは、異なる空間の間の時間の相対性を示すために、この思考実験を行いました。そして、私たちは、二つの座標を結びつける指標を探さねばなりません。アインシュタインは、1905年の続く論文において、核融合等の反応によって光を放出する(エネルギーを放出する)物体(例:恒星)の質量は、反応によって質量が減少し、その質量は、m=E/c²→ E=mc² (m:質量、E:エネルギー、c:光速)であることを示しました。

 

4.アインシュタインの論文に先立つ、1900年12月14日、マックス・プランクが、光の黒体放射の実験データから、「光のエネルギー(E)の単位は、光の周波数(振動数・νニュー)に、プランクが発見したプランク定数(h)を掛けた数値となり、しかも、光のエネルギー放出は連続的なものではなく、hνの整数倍の値しかとることができない」という法則を発見していました。プランクは、このエネルギー単位に「エネルギー量子」と名付けました。

 

5.プランク定数は、h=6.6260755×10⁻³⁴Jsという非常に小さい値です。そして、このプランク定数は、後に、エルヴィン・シュレーディンガーが波動方程式において、ヴェルナー・ハイゼンベルクが行列力学において、取り入れました。簡単に記せば、シュレーディンガーの波動方程式においては、h/2π=ħ(エッチバー)として、ハイゼンベルクが行列力学では、「運動量を示す行列pと位置を示す行列qの積は 順番によって結果が異なるpq≠qpとなり」、この積の差を、pq-qp=-iħ(エッチバー)I ( I:単位行列 = 対角成分(左上から右下)がすべて1、それ以外の成分がすべて0の正方行列、行列の積において1の役割を果たし、任意の行列Aに対してAI=IA=Aが成立する))としています。シュレーディンガー波動方程式においては、波動関数Ψに係数iが付きます。

 

7.これらから、私は、iを含む私たちの3次元空間と、アインシュタインの3次元空間を結びつける指標として、プランク定数を求めようと思います。そして、このブログを読んで頂いています皆様に、私は、i を虚数と呼ぶことを止め、量子記号iと呼び変えることを、提案いたします。無論、数学(複素数)としての定義であるi²=-1、i=√-1 は、変わりません。

 

参考文献:『科学者はなぜ神を信じるのか』 三田一郎著 講談社ブルーバックス

     『量子力学入門』 高田健次郎著 丸善出版

 

 春先の木立

 

 習志野隕石1号