本日11月24日は、映画『塔の上のラプンツェル』スクリーンデビュー15周年!

サックス動画では普段歌の曲を演奏することが多いですが、今回は趣向を変えてアンダースコア(BGM)から演奏します。

 

『塔の上のラプンツェル』より

王国でダンス

Kingdom Dance 

(アラン・メンケン作曲)

 

 

 

王国の城下町に着いたラプンツェルとユージーンが町を巡り、人々を巻き込んでダンスをするシーンで使われているこの曲。

曲もシーンも、好きな方多いですよね。

海外パークではアトモスが出たこともあったそうで、羨ましい限りです。

 

作曲家アラン・メンケンは『塔の上のラプンツェル』の音楽を作る際、フォークロックと中世ヨーロッパの音楽のイメージを取り入れたそうです。

この「王国でダンス」は特に中世ヨーロッパ音楽の色が強い1曲です。

町の中を巡る前半の部分は、ラプンツェルにとって未知の光景であり彼女が本来いるべき場所でもある王国の様子を、中世音楽のもつ異国情緒と懐かしさで表現しているように思います。

町の人たちを巻き込んで踊り始める後半部は、年に一度のランタンフェスティバルで活気づいた人々の熱気を感じさせるエネルギッシュな舞曲となっております。

 

この曲の中世ヨーロッパ風なポイントはいくつかあります。

1つ目は音階。私たちが普段耳にすることの多い長音階・短音階よりも古い時代に生まれた「教会旋法」に近い音階が使用されています。

特に前半部分はミクソリディア旋法的な旋律になっているほか、全体を通して三和音(ドミソ)ではなく五度(ドソ)の響きが強くなっているのも特徴です。

 

次に楽器。途中で登場する町の音楽家たちが持っているのは、撥弦楽器のリュート、オーボエのご先祖であるショーム、ヴァイオリンに近い弦楽器のフィドル、のような楽器

これらの楽器に近いサウンドのほかに、民族音楽的な雰囲気を感じる笛や太鼓・タンバリンの音もよく聞こえます。
ディズニー・オン・クラシックの映像では、笛は古楽で多用されるリコーダー、太鼓は手に持って叩くフレーム・ドラムといった古くからある楽器が使用されていました。
この他にも中世では、テイバーパイプ(パイプ&テイバー)やタンブラン(プロヴァンス太鼓)といった笛と太鼓を一緒に演奏する楽器もあったようなので、そういった楽器もイメージされているのかもしれません。

とはいえ、音階も楽器も中世音楽そのままという訳ではありません。

中世の要素を取り入れつつも現代の調性音楽のハーモニーや楽器を加えることで、よりドラマティックで感情の伝わる音楽を演出しています。
 
曲のリズムやダンスの振り付けについてもずばりこの形式!というものは見つけられなかったのですが、中世のダンスを再現した動画ではこの曲に近い振り付けやリズムをいくつか見かけました。
特定の様式ではなく、中世の世俗音楽とダンス、それも宮廷ではなく市井のお祭りで踊られていそうというイメージに合った振り付けとリズムを目指したのでしょう。
 
後半のダンス部分はどんどんテンポが上がっていくのも特徴的。
途中でテンポを上げながら踊るダンスも実際に中世にあったようなのですが、このシーンでは単なる中世の再現ではなく、踊りが盛り上がるとともに2人の恋心も高まっていく様子をドラマティックに再現していると思います。
こういった、ミュージカル作品におけるダンス中の目線や表情による恋心の表現がとても好きなのですが、それはまたの機会に語らせていただきたいと思います。