今月2026年7月は、ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』の公開から75周年でした‼︎
(イギリスでの先行公開は1951年7月26日、アメリカ公開は7月28日)
映画そのものもさることながら、パークやゲーム、グッズ等での人気の高いこちらの作品。
私もツイステではハーツラビュル寮推しなので、お世話になっている映画です。
以前にアトラクション「アリスのティーパーティー」のBGMを演奏しましたが、
75周年記念にはこちらの曲を演奏しました!
ふしぎの国のアリス
Alice in Wonderland
(ボブ・ヒリヤード作詞、
サミー・フェイン作曲、挾間美帆編曲)
今回も『アルトサックス ディズニー・コンサート・レパートリー』(ヤマハミュージカルエンターテイメントホールディングス)の楽譜と伴奏音源を使用させていただきました。
特殊奏法の部分は力及ばず断念したのですが…ミステリアスな前奏から《時間に遅れる》のフレーズでふしぎの国に誘われ、美しい景色が広がるような中間部へ…ととても物語性のあるアレンジです。
以前のブログでも触れた通り、『ふしぎの国のアリス』はディズニーの中でもとても歌の多い映画で、主要なキャラクターにテーマとなる曲が用意されています。
その音楽は、アカデミー賞作曲賞にもノミネートされています。
現在ディズニープラスで公開されている「カギ穴の向こうへ:映像解説付きで本編を見る」によると、次々と奇妙なキャラクターが登場する本作で観客を怖がらせず、新しいキャラクターを受け入れてもらいやすくするために音楽の力を活用しているそうです。
ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を元にした映像作品は多数ありますが、ホラーやサイケデリックとの相性が良いせいか確かにちょっと不気味な作品もあります。
(ティム・バートンによるディズニーの実写版も「不気味だけどおしゃれ」イメージですよね)
それはそれで大人には魅力的ですが、音楽や絵柄でかわいらしさや楽しさを強く押し出し、子どもでも楽しく観られる映画にしたのは、さすがファミリーエンターテイメントのディズニーと言えるでしょう。
今回演奏した曲は、映画のメインタイトルで歌われるコーラス。
《右から2番目の星》や《シンデレラ》等この時代のディズニー作品では定番のオープニング曲であり、映画の最後にも流れます。
"ふしぎの国へはどうやって行くの?"という問いかけから始まるこの曲。
ふしぎの国は"三日月や星が晴れた午後に隠れている場所"のような所のようで、そのありかは"over the hill(丘の向こう)"、"under land(地面の下)"、それとも"just behind the tree(そこの木の後ろ)"かしら?と、誰にも見えないけれど、なんだかすぐ近くにありそうな印象の言葉が並んでいます。
『アリス』は皆様ご存知の通り、いわゆる"夢オチ"の作品ではあるのですが、この映画でのふしぎの国は《私だけの世界》でアリスが歌う通り、アリスがいつも空想している世界でもあります。
ふしぎの国の住人たちは理不尽なキャラクターが多く、アリスも怒ったりピンチになったりしているのですが、アリスの寝顔には微笑みが浮かんでいます。
キャロルの原作でもアリスは最後に「なんてすばらしい夢だったのかしら」と思っています。
ふしぎの国でのへんてこりんな体験、すなわちアリスの想像の世界はあくまでも楽しく素敵なものとして描かれているのです。
原作は、アリスから夢の中での冒険譚を聞いたお姉さんが妹のすばらしい夢の世界、「無邪気で素敵な子どもの心」に思いを馳せ、アリスがいつか子どもたちにこうした不思議なお話をしてあげられる大人になるところを想像する文章で物語が終わります。
ちょうど現在公開中の『トイ・ストーリー5』でも子どもの想像力がテーマの1つとなっていますが、子どもの頃誰しもが持っている想像の世界は大人が考える以上に無秩序で突拍子もなく、そして柔軟で豊かなもの。
そんな無邪気な子ども心への慈しみと賛辞が込められているのがキャロルの上記の文章であり、ディズニーにおいては最初と最後に流れる優しく美しいこの曲なのではないでしょうか。
※原作は、角川文庫『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル作、河合祥一郎訳)を参照しております。
