明けましておめでとうございます!

…と言うにはだいぶ遅くなってしまいましたが、新年最初の投稿です。

今年もよろしくお願いいたします。

 

昨年末「2024年は平和な年になってほしい」という想いで、新年最初に収録する曲を決めていました。

元日から国内でも悲しい出来事が続くこととなってしまいましたが、被災地の復興、平和で平等な世界の訪れを祈って演奏しました。

 

 

ミュージカル『ノートルダムの鐘』より

サムデイ (いつか)

Someday

(アラン・メンケン作曲/スティーヴン・シュワルツ作詞)

 

 

 

映画ではエンドソングとしてお馴染みのこの曲。

元々は現在の《ゴッド・ヘルプ》、エスメラルダが大聖堂で祈るシーンの候補曲として作られたため、デモ音源ではゴッドヘルプの序盤からサムデイに入るバージョンや、完全に両曲が繋がったバージョンも残っています。

また、冒頭にはサムデイのラテン語版である《オーリム》のコーラスが入る他、サントラでもこの曲の旋律が何度も登場しています。

 

ミュージカル版では、処刑前夜にエスメラルダとファーバスが歌うデュエットとなり、死を前にしてもなお正義の訪れを信じるエスメラルダの心情が語られています。

舞台では間奏曲やフィナーレでもこの曲が登場し、とても印象的です。

 

この曲は「いつか全ての人が平等に生きられる世界が来ますように」という祈りの歌。

本当に心に沁みる歌詞なので、素人和訳ですが全文載せてみたいと思います。

 

I used to believe

In the days I was naive 

私がウブだった頃は信じていたの

That I’d live to see 

A day of justice dawn 

生きているうちに正義の夜明けの日を見られるだろうと

And though I will die 

Long before that morning comes 

そして私は朝が来るずっと前に死ぬけれども

I’ll die while believing still 

私はなお信じながら死ぬ

It will come when I am gone 

私が死ぬ時に朝は来るだろうと

 

Someday, when we are wiser 

いつか、私たちがもっと賢くなって

When the world’s older 

世界がもっと年齢を重ねて

When we have learned 

私たちが学んだとき

I pray someday we may yet live 

To live and let live 

祈るわ、いずれ私たちがお互いに妨げ合わずに生きられるようになりますようにと

 

Someday, life will be fairer 

いつか、命はより平等になり

Need will be rarer 

貧困はより珍しくなり

Greed will not pay 

強欲は報われなくなるだろう

God speed 

This bright millennium 

この輝かしい至福の時代が成されますように

On its way,  let it come someday 

もうじき、そんな時代が訪れますように

 

When the world’s older 

世界がもっと年齢を重ねて

When things have changed 

物事が変わったとき

Someday, these dreams will all be real 

いつかこの夢は全て現実になる

Still then we’ll wish upon a moon 

その時まで私たちは月に祈ろう

Change will come 

変革は必ず来る

One day, someday soon 

いつか、いつの日かもうすぐに

 

ミュージカル『ノートルダムの鐘』は人種・障がい・性別・職業による差別と迫害が描かれた作品。

"live and let live(お互いに邪魔することなく生きる)","life will be fairer(命がより平等になる)"といった、現実的でいて未だ叶わぬ願いが、とても切実に響きます。

500年以上前を舞台にした作品で「"When the world’s older(世界がもっと年齢を重ねたら)"実現するだろう」と語られていた未来をまだ実現できていないことも、今生きる私たちにとっては反省させられる点です。

 

 

昨年春までエプコットで上演されていたショー「ハーモニアス」は各国の言語やスタイルでディズニー音楽が演奏されたあと、最後に出演者全員が英語でサムデイを奏でるという、イッツアスモールワールドを彷彿とさせるフィナーレでした。

世界は無垢な子どものように平和を理解している人ばかりでないし、声を上げても簡単には変わらない。そんな世界を見てきてなお、いつかは子どもの思い描くような平等な世界が来ると信じ祈る。

まさに《サムデイ》は大人視点の《小さな世界》ではないでしょうか。

どんなに暗いニュースが多くても、この曲で語られた祈りと希望を持ち続けていきたいと思います。