2025年もあと数時間。
今年は『メリー・ポピンズ』ファンにとっておめでたい誕生日が重なった1年でした。
先日12月13日は、ディズニー映画『メリー・ポピンズ』でバートとドーズ頭取を、『メリー・ポピンズ リターンズ』でドーズJr.を演じたディック・ヴァン・ダイクの100歳のお誕生日でした!!
また、今年の10月1日にはメリー・ポピンズ役のジュリー・アンドリュースも90歳のお誕生日を迎えております。
これだけの年齢を重ねてもなお、芸能界ではつらつと活躍するお2人には、尊敬の念しかありません。
そこで、今回は『メリー・ポピンズ』の楽曲をメドレーで演奏しました!
メリー・ポピンズ メドレー
〜2ペンスを鳩に〜チム・チム・チェリー〜スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス〜
Mary Poppins Medley: Feed The Birds (Tuppence A Bag)~Chim Chim Cher-ee~Supercalifragilisticexpialidocious
(ロバート・シャーマン&リチャード・シャーマン作詞・作曲、挾間美帆編曲)
今回は『アルトサックス ディズニー・コンサート・レパートリー』(ヤマハミュージカルエンターテイメントホールディングス)の楽譜と音源を使用させていただきました!
こちらは私の尊敬するサクソフォーン奏者・須川展也先生の監修する楽譜なのですが、須川先生は《メリー・ポピンズ・サキソマジック~チム・チム・チェリー&スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス》というこれまた素敵なメリー・ポピンズの楽曲のメドレーを演奏されているので、是非聴いてみてください♪
さて、メリー・ポピンズの楽曲をこのブログで取り上げるのは3回目になります。
ディズニー社が雇い入れた初のソングライターであるシャーマン兄弟。
彼らが初めて本格的なミュージカルを手掛けたのが、『メリー・ポピンズ』でした。
彼らは脚本ができあがる前からP.L.トラヴァースの原作を元に多くの曲を作曲したそうです。
アカデミー歌曲賞を受賞した《チム・チム・チェリー》は、「煙突掃除人と握手すると幸運になる」という伝承にちなみ、 バートが歌う1曲。
原作のバートの職業は、晴れの日は絵描き・雨の日はマッチ売りとなっており、煙突掃除人は別の人物が登場します。
制作の初期に脚本のドン・ダグラティの部屋にあった煙突掃除人のスケッチを見たシャーマン兄弟は、まだ誰が歌うかも決まっていない状態で、煙突掃除人の伝承や「煙突(チムニー)」の言葉遊びを盛り込んだこの曲を書き上げました。
この曲の特徴は、もの悲しく重い短調の響きと、言葉遊びを含んだリズミカルな3拍子やディック・ヴァン・ダイクの朗らかな歌声との二面性。
煙突掃除人は曲中で歌われている通り煙と灰で汚れる仕事で、さらに実際のイギリスでは児童労働や死亡事故も多かったという危険できつい職業。
バートは大道芸人としてワンマンバンドをしたり絵を描いたりしているときにもこのメロディーを歌いますが、大道芸人というのも社会的立場は低いものでした。(実際にバートも稼ぎには苦心しているようでしたね)
そういった労働のつらく暗い面を短調で表現しつつも、メリーの《お砂糖ひとさじで》同様に物の見方や気の持ちようで楽しく働けるということをリズムや歌唱で描いた、まさに『メリー・ポピンズ』らしい1曲といえるでしょう。
『白雪姫』などにも表れている「労働を楽しく美しく描く」というスタンスは、ウォルト自身の考えが反映されているようにも思います。
《スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス》は、メリー・ポピンズとバートが絵の中で歌う名曲。
複数の日本語歌詞が出ているので、おまじない?早口言葉?結局何なの?と思っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、原曲の歌詞ではこの言葉を口にすると
“you'll always sound precocius”(あなたは大人っぽく思われる)
“all would say “there goes a clever gent””(みんなから「賢い人がいる」と言われる)
となると言われているので、「言葉に詰まったときに知的に上手く乗り切れる言葉」というのが正しいようです。
この言葉は造語ですが、言葉自体も、言葉とほかの歌詞も韻を踏んでいて、コミカルで楽しい歌詞になっています。
ジュリー・アンドリュースとディック・ヴァン・ダイクのとびきり明るい歌声に加え、にぎやかなダンスも魅力的。
特典映像「音楽とすてきな思い出 ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク、リチャード・シャーマン」で、「(『メリー・ポピンズ』の)全ての曲にボードビルの要素がある」とジュリー・アンドリュースが語っていますが、こういったところが、この映画が不朽のファミリー・エンターテイメントとして愛される魅力なのかもしれません。
来る2026年にまた日本で上演するミュージカル『メリー・ポピンズ』では、映画とは全く違うシーン、違うアレンジでこの曲が登場します。
舞台版の曲やダンスも楽しみですね!
というわけで、皆様良いお年をお迎えください♬

