前作に比べストーリーとかを意識した。大学とかでやりそうな10分のショートムービーを意識した感じ。フランス映画のようなオチをつけたかったけど、残念、途中で一貫性がなくなってうまくいかなかった。まあ練習だから、いちよ頑張って書いたけど面白くないかも。
テーマは最後に。
新しい村
いつの時代であったか。
1人の少年がいた。名は皐月、皐月生まれからそうつけられた。父がつけた名であった。父は飲んだくれて仕事もしない、貧しかったのである。母はとうの昔に死んでいた。売るものがなくなった少年は身体を売り始めた。父は男の身体だと売れないからと言って陰部を切断した。少年は少女になったのである。
少女の顔は美しかった。以前は性が男であったことなど言われなければ気づかない。服を着ていれば美しい少女のままだったが、裸になる時には醜いと言われた。15の時に父を殺した。少女は父が着ていた擦り切れたの服を纏い、腰には父を殺した刀を挿し旅に出た。
行く宛などなかったが、陽が沈む方向へ歩き始めたのである。17の時、西の海に着いた。それ以上先は異国であると聞く。皐月は先に進みたい気持ちにもなったが、あいにく行きたがる人は周りにいなかった。海に着いた時、皐月は自分が何者であるか忘れていた。自分は本来男であったか、女であったか、自分の名さえも忘れてしまっていた。
皐月の身体は成長したが、腕は細く、髪は長い、肌艶は良く整った顔。服を変えれば女にも男にもなれた。皐月は旅の途中女になって金を稼いだ。少女のようなあどけなさはもうなかったが、男に金を貢がせることはできたのである。身体の関係を迫られれば、銭をくすねてまた旅に出た。男の家を出てからはしばらく少年として旅を続ける。追ってくる男は少年に気がつかなかった。
東への旅が始まった、同じ村を通ることができなかったので来た道とは違う道を進んだ。
新たな村に着いた時、皐月は空腹で地面に倒れ込んでいた。雑草や地蔵の供物で食い繋いではいたが、限界が来た。そこに女が話しかけてきた。
旅人さんですかい?
ええ
まだお若いのに
……食事を恵んでいただけないでしょうか
銭は持っておられないのですかい?
少しだけなら……
皐月は懐に入った少ない銭を叩いて音をだした。
私どもも貧しい生活でして、少しでよろしいのでしたら……
かたじけない
皐月はその女について行った。皐月は女の優しさに惹かれた。名は菊と言った。
菊の家には老人が一人、起きることは出来ず横たわっていた。老人は何も喋らず、皐月を見ると寝返りを打った。これもまた性別がわからなかった。菊は一人、老人の看病をしているらしかった、女であるのに働き者であった。皐月は菊の家に泊まるようになった。菊が働きに出かけると家の仕事を手伝った。老人の看病もした。老人は相変わらず口を聞かず、皐月をじっと見ていたかと思えば、外を眺めて長い間動かなかったり、きがつけば寝ていたりした。皐月はこの老人は呆けているのだと思った。村人も同じだった。
菊が留守である時に男が来た。刀を床に隠して、皐月は自分が女であるかのように振る舞ったのだった。
あれ、菊はどうした
働きに出ております
お前知らない顔だな、どこから来た
隣の隣、またその隣の村から参りました
しばらくいるのかい?
ええ、しばらく菊の手伝いを
そうかい、村に顔はださないのかい?菊は何も言わないから、あんたがいるなんて村の皆はしらなーぞ
用事を頼まれましたら、村の方に出かけさせてもらいます
そうかいそうかい
ええ
それにしてもあんた綺麗な身体をしているね、少し痩せてるけど、それでも綺麗だ
皐月は身体を褒められたことがなかった、顔は整っていたが、身体は醜いと言われてきた。
それは嬉しゅうございます、お前さん名を教えてはくれませんか
俺は”はち”村の役人の息子だ
はちと言うのかい、身体を褒められたのは初めてでございます、たいへん嬉しゅうございました
いやいや、百姓の女はみなしっかり働くんだけど、そのぶんごついったらありゃしない、肌も焼けてあれじゃ男だ
確かに菊も肌は黒かった、女であることを証明するのは長い髪と低い身長くらいであった。
私は百姓仕事には向いてないんです、すぐ頭が痛くなって吐き気を催してしまうんです、お手伝いしたい気持ちはあるんですがねぇ
そうかいそうかい、あんた身体が弱いのかい?
ええ、少し。ただ私で手伝えることが有れば、村のお役に立ちたいと思っております
そうか、ここもいづらいだろう、何か村の楽な仕事を紹介してやるよ
それはそれは、老人の看病で疲弊していたところなんです
はちは老人を見たが、老人については何も言わなかった。決まりの悪い顔をして話題を変えたのがわかった。
村で病人の看病するのはどうだい、看病と言ってもお茶を出して、喋るだけだ。しばらく前に流行病は終わったし、貧しくて身体の弱った子供と年寄りがたくさんいるんだ、今と変わりはあまりしねーが、子供がいるだけ楽しくはなるぜ
ありがとうございます、それはありがとうございます
そこの爺さんは……
はちは言葉を出しかけ、言うのをやめた。
お前さん名はなんて言うんだい
花と申します
花か、名前も綺麗だねあんた
名前は何度か褒められたことがあった。
それはそれは嬉しゅうございます
じゃあ、またくるよ、気が向いたら村に降りてきてくれ
はちは走って村の方に行った。老人は壁を向いて寝ていた。
しばらくして菊が帰ってきた、少しの野菜を小さな鍋に入れて、ゆっくり歩いてきた。すでに陽は落ちていた。
皐月は菊を入り扉で迎え、菊から野菜を受け取り、ゆっくり左足から草鞋を解いてやった。
菊の土がついた足をお湯につけた布で優しく拭き取った。
くすぐったいです、おやめください
顔を赤らめながら菊が言った。
いいんだよ、私が出来ない仕事をあんたはしてきた、私はあなたに少しでも恩を返したい
旅人さんはゆっくりするもんだよ
菊は恥ずかしそうにそう言った。老人はこちらをじっと見つめていた。
はちが頻繁にくるようになった、ほとんどは菊が仕事に出ている時にであった。最初は気になったが、野菜や少しの味噌を届けてくれるはちを菊のためを思って出迎えた。はちの話によると菊は働き者だが、人前でほとんど口を開かないらしい。はちと菊は幼年からの知り合いで、村で菊と話すのは、はちくらいなそうだ。
菊はどうして喋らないのかい
……そこの爺さんが
ええ
はちはきまりが悪そうに言った。
そこの爺さんが昔、人を殺したんだ、菊の両親をさ。菊の両親は村一番の働き者だった、病のせいで父親が倒れたんだ、伝染病だった、誰かが殺すしかなかった。爺さんが殺したんだ。父親が死んで稼ぎが減ったから爺さんは母親も殺した。菊だけが残ったんだ。村は怒って爺さんを殴りつけた、爺さんは喋らなくなった、そして菊も喋らなくなったんだ。
そうなのかい……それは気の毒なことだね
ああ、それ以来村は菊と爺さんを村の外れに追いやった。菊は村に働きに来るが、村人は今も菊の家を恐れて近寄らねーんだ
はちは違うのかい?
俺は違う、菊とは昔から遊んだ中なんだ、昔の菊はもっと明るかった、だから菊が心配なんだ
そうなのかい、それは……
皐月は黙った。ただ皐月は別のことを気にかけていた。
俺はもう行くよ、また野菜があったら持ってくる
ありがとう
はちは走って村の方へ行った。
季節の変わり
季節が変わった。皐月はまだ菊のところにいた、銭が集まらなかったのもある、だがそれ以上に皐月はその村にいたいと思うようになった。海に着いた時のこと朧げに思い出す、西、その先に行く気になれなかったのだ。また東に行く理由もなかった、もともと旅に理由はなかった。
菊は暗くなってくると家に戻り、そのぶん早くなった朝に出かけた。老人は変わらず横になっていた。はちは野菜を持ってきた。野菜がナスやカボチャから芋に変わった。今年の収穫は良かったらしく、はちが訪れる回数が増えた、菊は毎日仕事に出ていた。皐月は何度か村に出た、皐月のように身体の弱い人間は少なく、看病という仕事は村にも皐月にもちょうど良かった。皐月は微力ながらも村に尽力した。老人の看病を怠っては菊に申し訳が立たないために、村での仕事は多くなかった。楽な仕事ではあったが村人はみな快く皐月を迎えた。老人のことを村では耳にしなかった、菊の話もまた村人は喋らなかった。皐月は女として働いていた、菊はそのことを知らずにいた。村からの道中、菊と会った、田んぼの道具を抱え一人で歩いていた。皐月は菊の服を借りて着ていたが菊は特に気にかけなかった。
菊、私が持とう
いいえ、大丈夫です
いや、持とう、私だって男だ
ごめんなさい、助かります
菊は皐月の前では普通に口がきけた。
両親のことをはちに聞いたよ
……
私でもそうしたかもしれない
……ええ
人はふとした時に鬼に取り憑かれてしまう
……ええ、人は鬼にならないといけない時がございます
そんな時がいずれ皆に来ようか?
皆に来よう思います
菊は鬼になれるのか
わかりません
そうか……
でも鬼にならないと人が死にます
そうだな……
そうでございます……父と母は……優しかったのです。父は優しいから殺してくれと言ったのです
……
私は三日三晩泣きました、父の病がひどくなると爺ちゃんがそれを見かねて父を殺したのです、今度は私と母が泣きました、母は私と共に死のうとしました、極楽浄土でお父と一緒になれるからと、また一緒になれるからと。爺ちゃんが言ったんです、菊はまだ功徳を積んでいない、極楽浄土にはいけやしないと、爺ちゃんは母を殺しました。そらから私は今こうやって村の豊作を願って功徳を積んでいるのでございます
そうか……私を追い出さないのも……
それは違います……
菊は少し恥ずかしそうに言った。
私は村では恐れられています、喋る人もいません、旅人さんとお話ができてすごい嬉しいのでございます、だから旅人さんは気の向くままに過ごしてください
皐月はより一層菊の優しさに惹かれた。
夜、菊が涙を流した。皐月は菊の啜り泣く音が聞こえると目を覚ました。皐月は菊の莚に自分のものを近づけた。
菊、具合が悪いか?
旅人さん、少し辛かった昔を思い出してしもうたのです
菊、私が側にいよう
……
菊はしばらく黙って口を開いた。
私は鬼でございます、私は弱い人間なのでございます
菊の鬼は私が斬ろう
私はあなたに心を許すまいとずっとがまんしてまいりました、あなたに心を許してしまったら、また鬼を見るかもしれません、もう見とうありません
菊の薄い衣を皐月はとった、皐月はそれを足元にまとめると、菊の瞼を自身右の手で覆った。菊は自ら目を瞑った。皐月も目を瞑った、菊の目を覆う手に涙だが溢れた。皐月は自身の名を思い出した、5月生まれだから皐月、そして父からの暴力も思い出した。皐月はまたそれを記憶の奥に押し込んだ。
眠った菊の耳元で皐月は囁いた。
私は菊が好きだ
老人は二人を背にして眠っていた。
次の日の朝も、菊は食事の支度を済ませ農具を持って出かけた、皐月が村まで手伝おうと言うと首を振った。老人に食い物を食べさせて欲しいとお願いされた。
花、いるか
菊が出かけてからしばらく、あまり時間はかからなかったが、はちが来た。何かを持ってはいなかった。戸を叩く音の前に砂利の音で気付いてはいたが、皐月は老人の口に食い物を運んでいたのではちを迎えることができなかったのである。菊の家にくる村人はいない。はちであることは分かりきったことであった。
私はここに
皐月はなぜか、はちの前では女として振舞ったのである。老人の口を袖で拭きながら皐月は言った。
いつもありがとうございます、野菜なら戸に置いてください、私は手が離せないのでございます
今日は野菜もってねーんだ
はちは顔を赤らめて言った。
では、今日はなんでございましょう
皐月は飯を畳の上に置き、はちの方を見た。
夜、収穫を祝う村の祭りがあるんだ、花にそれを伝えに来た
私のような余所者が収穫の祭りに行っては村人も楽しめんでしょう、私は結構でございます
俺は花に来て欲しいんだ、花がいれば酒も進む
それは嬉しゅう思います、ただ私は……
いいんだ、女の手も借りていないし、村も花を歓迎すると思うんだ
それでも私は、菊と、この老人が心配でございます
菊なら来るだろう、毎年菊はこの祭りにこないのに、今年は来ると言っていた
そうでございましたか、しかしなおさらこの老人が……
爺さんなら大丈夫だろう、前も菊が隣町に二、三日行ったことがあった。誰かが見に来たが爺さんは一人で飯を食っていたそうだ
そうですかい……
皐月は老人の方を見た。老人は柱に背をつけてこちらをじっと見ている。顔は皺だらけで表情はわからなかった。
わかりました、日が暮れたら村に行こう思います
そうかい、嬉しいや。また迎えにくる
はい……準備して待っております
はちは村の方に走って行った。皐月が振り返り老人の方を見ると、老人はいつの間にか横になって寝ていた。
出来事
陽が沈みそうになった頃、はちは迎えに来た。砂利の音で皐月は気づき、扉ではちを迎えた。はちの顔は少し赤くなっていたが、それは酒のためであると皐月は感じた。
花、いるか
はい、待っておりました
村へ行こう、爺さんなんて置いて来てしまえ
……ええ、今は寝ていますから、大丈夫と思います
はちの正直な言葉に戸惑いつつも皐月はそう言った。老人は二人を背にし眠っている。
行こう、花
はちは皐月の手を掴み、歩き出した、しばらく歩いて、酔っていることを恥じるように手を離した。皐月はその手を取り直して女の力で握った。
村での宴会は皐月にとって決まりの悪いものであった。酒は飲めたが好きではなかったので皐月は酌をすることに徹した。菊のような若い女は、皐月もまたその村では例外ではなかったが、若い男の相手をしなければなかった。酔いが回った若者たちは女に絡むようになった。菊はまた皐月のように男のそばで少量の酒を飲んでいた。どうしてであろうか、皐月は若者のように酔うことはできなかったのである。皐月は嫉妬の心を抱いた。女の格好をしている皐月に菊は疑問を抱いたが、菊は喋ることはなく、ただ皐月の方を不思議そうに眺めるのであった。
酒に酔うことがなかった皐月は他の女の手伝いをした、肌が焼けて、まだ腰は曲がってはいないが、明らかに前傾している、40かそこらの女が皐月に話しかける。
あんた、花だっけか?
ええ、花と申します
あんた菊のところにいるんだって?
ええ、まあ
よくあんなところ住むねぇ、不便だろうに
はい、ただ身体が弱く、家に長くいるものですから、村への道は良い運動になります
そうかいそうかい、爺さんはどうだい?
いつも横になっております
はちが心配しておるぞ、ずっとあの爺さんと一緒にいて、いつか殺されちまうんじゃないかって
はちにはいつも感謝しております
はち、あんたのこと嫁に貰おうって思ってるそうじゃないか
……
知らねーのかい?村では有名な話だよ
……知らんかったです
はちは役人の子供だ、あんた幸せになるよ、小さな村だけど、あんたの力を必要としてる人はたくさんいるよ
……嬉しゅう思います
皐月ははちの心に気がついていたものの、もっと大切なもの、自身の気持ちのことがわからなかったのである。男として、また女としても生きてきた皐月、生殖器の機能が奪われ、最も長く過ごした男には愛を受けずに育ってきた皐月にはわかるはずもなかった。皐月ははちの優しさと男らしさに惹かれてはいたが、菊にもまた心を惹かれていることこに気づいた。
一人また一人と家に帰る、宴会は終わりを迎えた。街の女は片付けを始めた。老人のことが心配であると菊は先に帰った、村人もそれを止めなかった。菊は一人で夜道を歩いて行った。誰も気に留めなかった。
片付けを終え皐月が帰る頃には外は肌寒くなっていた。皐月は菊と同じく一人で夜道を歩き出した。少し歩いた先の木の影にはちがいた。
花、夜も遅い、村に戻らないか
いいえ……、私は菊と老人が心配でございます
そうか、なら送っていこう俺は花が心配だ
はちと皐月は夜道を歩き出した。はちは酔いが回っていて千鳥足で、皐月にもたれかかるように歩いた。手を繋ぐ間隔ははちの重たい体に詰められてしまった。はちの身体は酒であろうか、暖かかった。菊と老人の家がもうすぐのところで、はちは言った。
花、俺の嫁にならねーか、お前には一生俺と一緒暮らして欲しいんだ
え……
困惑した皐月を抱きしめた、抱きしめはちは茂みに入り皐月を押し倒した。
おやめください……
身体のことは心配するな、俺も村もお前に気を使う
はちの息は荒かった、酒のせいもあるだろうが明らかに興奮しているのがわかった。
おやめください……
力なき声で皐月は言った。
お願いだ花、嫁に来てはくれないだろうか
興奮したままはちは力強く言った。
わからないです……
何がわからないのだ?
私はあなたに対する恋心を、菊にも持っております
何が言いたいのだ、花は女ではないか
私は……自分が何者かわからないのでございます
皐月は泣きながら言った。
私は、自分が女なのか男なのかわからないのでございます……
皐月は白く綺麗な手ではちの手を掴むと、自身の身体を触らせた。
はちから酔いが覚めていくのがわかった。
私の身体は女のようでもなく、男のようでもないのでございます、あなたとの子も産めないのでございます
皐月は泣きながらは言った。
はちは少し困惑したが、興奮した勢いに任せ、確かめるように皐月の服を破った。
やめて……ください……
皐月は叫んだが最初の音以外は暗闇に消えた。
醜い形をした何かがそこにあった、色は暗くなり、無理に縫合されたそれはこのようなものとは思えない異臭を放っていた。
はちの顔がより青ざめたのがわかった。皐月にもはちの恋心が覚めていくのがわかった。
鬼だ……
はちの酔いは完全に覚めた、そして皐月の細い首に手をかけた。
お前は鬼だ……俺を……誘惑しやがった
皐月は喋れない、ただ涙を流すことしかできなかった。
何が目当てだ、金か……?俺が役人の息子だからつけこみやがったな……おかしいと思ったんだ、あの老人と長い間暮らせるわけねーんだ、鬼だからだ、お前が……
はちの力に抵抗できるほど皐月の力は強くなかった、それは皐月も十分に理解していた。皐月は抵抗せずに目を瞑った。これ以上涙を流したくなかった。遠のく意識の中でかすかに砂利の音がした。急に首が軽くなった。はちが手を緩めたのである。皐月ははちの重い体重を手でどけようとした、はちは倒れた。気がつくと皐月の手は赤く染まっていた。見上げるとそこには菊が立っていた。
菊……
……
何を……している……
私はあなたをずっと待っていたのでございます、その時声が……声が聞こえましたから……
菊の手には皐月の刀が握られていた。
私は鬼に……
菊は膝をついて言った。
私を殺してください……
……できない
お願いです……私を殺してください……
はちは役人の子です、私は村で殺されるでしょう、だから……
できない……菊ではない……はちは……私が……
皐月がそう言いかけた時である、はちが手をついて震えた足で立ち上がり、震えた声で言った。
菊!そいつから離れろ!そいつは鬼だ!人間ではないのだ……
はちは菊が離した刀を拾った。
俺が……殺さなければならない……
はちは刀を手で握り直し、皐月めがけて飛び込んだ。はちは確かに刺した、そして地面に倒れ込んだ。
菊が皐月を庇った、菊もまた地面に倒れ込んだ。
菊!
……私はこれで良いのでございます……
私は皐月を守った、これで極楽浄土に行けるのでございます。私は死に時を探していたのでございます……これで……
菊は皐月の目を見て、そのままどこか違うところを見た。
真実を知る老人
次の日の朝、はちの帰りを心配した村人が菊の家を訪れた。そこには男と女の死体が綺麗並べられていた。そして血だらけの人間が正座をしていた。これもまた綺麗であった。老人はじっと訪問者を見た。村では騒ぎになった、皐月は役人の家に連れて行かれた。
お前、確か名は花と言ったな
……
何か言わないか
皐月と申します
嘘をついていたのか?
そうでございます
二人を殺したのはお前だな?
……私でございます
恐ろしいことだ……どうしてだ……お前ははちによくしてもらっていただろう……
嫉妬でございます……
嫉妬……お前は女だろう?なぜはちを殺すことができるのだ……
私は二人に嫉妬していたのでございます
二人に……
村人は少しざわつきまた静かになった。
お前は女であろう……なぜそのようなことができる
私は女でも男でもないのでございます
皐月はそう言うと服を脱ぎだした。村人はまた少しざわついた、悲鳴が聞こえたのも皐月には分かった。綺麗な顔からは想像もできないほど醜い身体に皐月以外は困惑した。
私は鬼でございます……
村人は黙ったままだった。そこに一人の村人が走り込んできた。
何事だ!
爺さんが、菊の爺さんが来た
老人はゆっくりと歩いてきた、村人は自然と老人のために道を開けた。老人が口を開いた。皐月は老人が喋れることなど知らなかった。
私がやったのだ、私が二人を殺した、そいつは嘘をついている
老人はそう言うと振り返り、また入ってきた方に歩き出した。
その日、一人の老人が村で殺された、そして一人の旅人が村を出た。通りかかった商人は言う、綺麗な顔をした美しい女性であったと。
まず、時代背景を現在に置かないことで逃げた。テーマは性、肉体っていう一番性を証明する部分をなくすことでアイデンティティを失う。それでも顔が綺麗だから生きていけるんだけど、真の恋愛には繋がらない。
あとは現代の性とかを枠組み的に捉えるっていうLGBT の運動している人がやってるやつ、あれは自信の自由を束縛する縄をほどいて他人を縛ってるようなそんなきもして、ウザいなぁーって思ってたんで、批判してみました。まあ、文章を書く練習だから、、、甘めの採点で頼むわ。読んでくれてありがとう❤️